小見山峻写真展「call, overhaul, and roll」の感想

きょうの午前中にぼんやり IMA を読んでいて目に留まり、午後に早速覗いてきたのがこの展示。

作者が昨年の春にバイクを駆けて北の大地に向かう途上で撮られた写真たち。ロードサイドで撮られたストリートスナップの数々が並ぶ展示。

ひと目見ると発作的に撮ったように感じられるが、よく見ると構図が幾何学的に厳密で、絵画のような調和を感じる写真が多かった。キャプションの旅行記(?)を読むと、トラブルにも見舞われながらの強行スケジュールで、現地の人々との触れ合いなどもあったようだが、そういった道中の苦労や行く先々での人との触れ合い、彼らの息づかいといったものはうまく省かれており、全体的にドライでクールな印象を受けた。

恐らく意図的に人を移し込まない写真がほとんどであることと、構図の厳密さから一枚一枚が絵的に完成度が高い(一枚ずつ飾っても絵になる感じ)のが理由だと思われる。

会場はデザイン・アート関連の書店のギャラリースペースで、二階の展示会場は自然光が差し込むようになっており、訪れた時間がちょうど黄昏時に差し掛かる頃合いだったので、やや感傷的な意味合いも読める展示作品に別の趣が与えられていた。

今月末までの展示なので、ギリギリセーフで鑑賞できて満足している。痺れるほど素敵な無人写真(勝手にこう呼ばせていただいた)の数々は、写真集でもぜひ持っておきたい。


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