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タイトルは最後につける

年が明けた。
いつのまにやら三ガ日も最終日だ。

新年初めの三日間というのは、柄にもなく新しいことを始めても周囲に生暖かく見守って貰える絶好の機会ではないか。この期間中に何も新しいことを始めないのは、年に一度の”確変”のタイミングを逃しているようで残念な気がしていた。そこで今年は note を始めることにする。入力フォームの原っぱを埋めていくこの感覚、懐かしい。まとまった長さの文章をウェブ上で晒すのは、高校生の頃部活の友達に見せていたアメブロ以来だ。あのブログが消滅していることを願う。

この note では日々のよしなしごとや、読んだ本の感想などを記録する予定だ。15分でサクッと書いて、3分で躓かずに読める文章を目指す。日々の成長の記録だと思って進めていきたい。

***

母方の実家で親戚に会う。子供たちが走り回り、猫は物陰に隠れる。一人の子がだるま落としのおもちゃで遊び始めたが、おや、と思った瞬間ハンマーを持って駆け出す。ハンマーを持ったら叩けるものを探したくなる年頃だ。父も攻撃されたらしい。

その間、胃酸が薄まるほど緑茶をおかわりしつつ、地元の噂話に耳を傾ける。年初から、不幸を煮つめた佃煮のような話がつづく。傍では子供たちが無邪気にはしゃぎ、温度差でメガネが曇りそうになる。時折今後の進路について聞かれ、言葉少なめに答える。田舎の人間は毎年同じことを言うので、永劫回帰しているのではないかと不安になる。

ふいに幼稚園の頃の自分の写真を渡された。昔飼っていた犬の小屋に入っていたり、戦隊モノの隊員のヘルメットを被っている写真など。歯が抜けた状態で満面の笑みを浮かべたり、指の腱が伸びきっていないピースをしたりしていた。一枚あられもない姿で写っている写真があったので、そっと抜き取って茶箱の下に隠しておいた。もうちょっと見つかりにくい場所に隠しておけばよかった。

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