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世田谷って12回書いた

世田谷駅周辺から、西荻窪の自宅に向かう途中の話。

これらの地点を電車で移動しようとすると、乗り換え検索では大抵渋谷を経由のルートが提案される。だが、それでは中央線やら山手線などの親の顔より見た電車で移動することになり、あまり面白くない。せっかくあまり来ない土地に来たのだから、その周辺をぶらついて土地の雰囲気を感じてみたい。そんなものあるのかと聞かれると困るのだが。というわけで、世田谷駅付近から西荻窪まで歩いてみることにした。

世田谷という地名は、世田谷区の中心、精神的支柱、心のふるさとという感がある。実のところどうなのかは知らない。そういえば、東京に来てしばらくしたころは、「東神奈川」という駅名を聞いて、そんな雑なのがあるのか、と思っていた。神奈川県の東半分を指す地名だと思っていたのだ。

「サザエさん」の舞台は世田谷区だと聞いたことがある。その昔「ちびまる子ちゃん」でまる子が、カツオは作中ではいたずら好きなひょうきん者扱いだが、世田谷住みなのだから坊ちゃんだ云々と言っていた(山田、はまじとかとは育ちが違うと言いたいのか?)。わかる。まる子同様、平均的な静岡県民である筆者の感覚としては、どんな悪ガキでも世田谷生まれは世田谷生まれである。サザエを困らせようがワカメを泣かせようが世田谷生まれだ。

通りがかった区役所は、時代の趣を感じさせる建築。コンクリゴツゴツ様式で、学部の頃の大学の教室棟を思い出す感じ。その近くには某政権与党の事務所があったりして、世田谷をリトルトーキョーとするとここは永田町だな、という界隈だった。その後、マップで見つけた世田谷城跡に立ち寄る。城まであるとは。スケールを気にしなければ、城下町ではないか。杉並区も負けてはいられない。西荻窪の道路を拡張するヒマがあったらその予算で区のセンター・阿佐ヶ谷に城を建てよう。世田谷城は、西南東の三方向を川に囲まれた面白い地形で、アメリカ西部に行ったときにどこぞの州立公園で見た Goosenecks という地形を思い出す。1分で城山を踏破し、世田谷城下を一望したが、そこらじゅう子どもたちだらけなのでいそいそと逃げ出した。

その後、駅の近くで「ベジポタ」らーめんの看板を目にし、入店。高田馬場周辺にも、野菜をポタージュ状になるまで煮詰めたスープを出すらーめん店があったような。行ったことはないけれど。野菜由来の優しい甘さと、豚骨の深い旨味。麺は細めの平打ち(?)。スープを飲む手が止まらない。だがいつかは止めねばならない。らーめんを食べるのも、ほどほどに。最近、位置情報を使ってらーめん店に滞在していることを SNS に晒すアプリを作りたいと思っている。某ヘルスケアベンチャーの人と喋ったときの話にやや影響されている。その人は、ヨガみたいな意識の高い行動への誘導よりも、今日の昼に二郎を食べたい欲求を抑える機能が欲しい、と言っていた。自力で抑えられないものは他力で、という発想なのだがどうだろう。

つづく。

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