2020/04/02

家にこもってリモート勤務。午前中に終わるだろうと思っていたことが終日終わらず、一日が溶けていった。無念。

リモート勤務になってから昼休みを 1 時間めいっぱい取るようになった。日中数少ない、体を動かして日光を浴びられる機会だからかも。昼休みを長めに取るメリットとして、洗濯など家事もできるので、終業後の自由時間がちょっとだけ増えるような気がする。

人に薦められて読み始めたジョゼ・サラマーゴ「白の闇」を先週読み終わった。今、猛烈に人に薦めたい本。ある日突然、視界が真っ白になる謎の伝染病が広まるようになった世界の話だ。感染者たちが収容された精神病棟跡が主な舞台となっている。眼科医の夫が視力を奪われたことをきっかけに、自らも失明したふりを装い、病棟跡についてきた妻の視点を中心として、閉鎖空間での生活を余儀なくされた患者たちの日々が描かれている。伝染病への恐怖から、感染者たちは国や保健所からも見放され、わずかな食料の支給以外は完全に孤立することになる。次第に厳しさを増す生活環境の中で、患者たちが人間性を失わないようもがく姿や、同病相憐むこともなくはじまる凄絶な争いなど、読んでいてとことん暗い気分になること請け合いだ。そして迎える突然の幕切れ。このエンディングは、正直どうなんだろう...と違和感を感じないこともないが(唐突さという意味だと川上未映子の「ヘヴン」をなんとなく思い出す展開)、忘れられない読書体験であることには変わりない。特に、突然現れた感染症の恐怖におののく今日この頃だからこそ、この読書の味は何倍にも感じられると思う。ぜひぜひ。

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