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第1回モーターサイクルショー:フュージョンとCE 04

セントレア中部国際空港と同じ浮き島にある中部国際展示場で第1回モーターサイクルショーが行われているので観に行った。前回は名古屋港周辺で行われたモーターショー(?)の一部としてモーターサイクルを観たのだが、それから数年ぶりになる。おそらく、愛知県でモーターサイクル単独の見本市開催は初めてのことだ。
前回観たモーターショーで面白かったブースはトヨタ自動車とBMW MOTORRAD(BMWの2輪車部門)だった。モーターサイクルのデザインに関しては常に一歩先に行っているのがBMW MOTORRADなので、そのブースを観るのが第一目的だった。

BMW CE 04

BMW MOTORRADのブースの中でも、もっとも興味を惹かれたのがEVスクーターのCE 04だった。
やはり斬新なボディー・デザインでバッテリーを積載するスペースを大きく取っていることから、全長3,285mmという前例の無い長いホイールベースを持った2輪車だった。
過去には元祖ビッグスクーターと呼ばれたHONDA フュージョンの全長2,265mmという巨大なスクーターが存在したが、

HONDA フュージョン

実にその1.5倍だ。
そのホイールサイズは長距離を走行するための“本気”を感じさせるものだった。
CE 04の全長は軽四輪車の最長規格3.4mにほぼ相当するものであり、4輪車より回転径が大きくなる2輪車の場合、国道1号線でUターンするのはギリギリかもしれない。
バックギアを持たないレシプロエンジンのこのサイズの2輪車で狭い袋小路に突っ込んでしまったら、人力で出てくることはできないだろう。
しかしCE 04はEVゆえに簡単にバック可動が可能ではないだろうか。
定格出力は20PSで最高スピードは120km/h。
ほぼ250ccのHONDA フュージョンと同等だが、200km平均で走行すると言われるアウトバーンでは最遅のビークルとなるだろう。

全体のフォルムは1986年発売のフュージョンの完成度が高く、CE 04が大きく進化しているわけではない、ただ、シート下にまでバッテリー搭載容量を取られるためのシートのデザイン処理が斬新なもので、これまでのように、いずれ取り入れる国産車が現れるのだと思われる。
そのほかにはプラスティック成形の技術が上がり、生産コストは下がっていることから、複雑な形態のデザインは可能になっており、それに伴う変化が見られる。
もう一つ、昨今の2輪車はほとんどが黒っぽいカラーリングになっている。
小生も先月、新しいスクーターにチェンジしたのだが、基本は黒だ。
これは金属部分に錆が出ないように表面のコーティング化が進んでいるためだが、部品の共有を考慮すると、黒いコーティングがもっとも汎用性が高く、そのために、多くの2輪車が黒っぽくなってしまったのだと思われる。

係員にインタビューしたところでは、CE 04はすでに発売が決定しているものの、やはり半導体などの流通の問題があって、現時点で日本では実売に至っていないそうだ。
もう一つの課題は1,610,000円という価格。
実にHONDA フュージョン最終モデルの約3倍の価格だ。
機構の単純なEV車はメーター類などはデジタル化で価格を押し上げているものの、価格がレシプロエンジン車より低くなるのが“売り”のはずだが、現時点では量産化につながっていないためにそうなっていない。

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セントレアの浮島に上陸するのは初めてだったが、海の上を走るルートが想像していたより地味で、がっかりした。眺望は伊勢湾岸自動車道の方がずっと好い。レインボウ・ブリッジのような見所を造って欲しかったが、南海トラフによる津波のことを考えると、税金の節約にはなってるかも。セントレアにいる時に津波が来たらどうするかを考えて、愛車も出口に一番近い場所に駐めたのだが、311クラスの津波なら、セントレアどころか、知多半島にいては助からないだろう。


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