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麻婆豆腐と母の味

 私が作る麻婆豆腐を息子が絶賛してくれるもので、すっかりいい気になっていたのですが、結局のところ最後に風味付けに入れていた「しびれと辛さががっつり効いた麻辣香油」(桃屋)が決め手というか全てだったことが判明しました。

 麻婆豆腐の素を使っても、辛いの苦手な娘が食べられるように香辛料抜きで作っても、最後にこの「しびれと辛さががっつり効いた麻辣香油」をかければアラ不思議。
「お母さんの麻婆豆腐が最高~」
 ありがとう桃屋さん。

 私が明日死んだら、息子が「母さんの麻婆豆腐が食べたい」と思うかもしれない。将来息子が配偶者に「俺のおふくろの味は麻婆豆腐なんだ」と言うかもしれない。そのために一応夫に「しびれと辛さががっつり効いた麻辣香油」が私の麻婆豆腐の味の決め手だと遺言しておきました。
 桃屋さんがあと30年この商品を作ってくれるよう、買い続けたいと思います。


 ところで、私の夫は結婚した当初から「中学生の時に死んだおじいちゃんが作ってくれたきゅうりの酢の物が人生で一番美味しかった」と言っていて、その味は娘である姑でも再現できていないようなのです。私も何度か挑戦しましたが、いつも「もっと酸っぱくておいしい感じで」と言われて、もうあきらめていたのですが、最近になって
「酸味をがっつり効かせられるくらい、砂糖入れてたんじゃないの?」
と気づきました。
 砂糖って入れなくていい時にまで入れると劇的に美味しくなるから。


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