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写真集の話:塩谷定好「芸術写真の時代ー塩谷定好」

こんにちは。38_specialです。最近ハラルフード専門の食材店が近所にできて覗くのが楽しい😋

さて今回の写真集の話は写真家・塩谷定好氏(1899-1988)の作品集。これは三鷹市美術ギャラリーで2016年に行われた氏の回顧展の図録です。

植田正治の事は多く知られていても、塩谷定好の事はあまり知られていないのではないかと思います。あの植田氏が「神様みたいな存在」と尊敬の念を抱いた対象が今回の塩谷定好という写真家です(しかも2人とも同郷の鳥取県出身)。

作品は戦前のザ・芸術写真、戦後のストレート・フォトグラフィーで傾向が異なり、戦前の作品は当時の様々なカメラ雑誌で入選、氏はその名を全国に轟かせていたとか。

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いわゆるソフトフォーカスによる光のにじみ効果を生かした作品が多く、そのプリント一点一点を筆や消しゴムで修正しながら絵画的に仕上げていたようです。印画紙をたわませて焼き付けることで像にゆがみをかけたり、シュールレアリスティックな雰囲気の作品も。

そして戦後はストレート・フォトグラフィー(写真ならではの、レンズ描写の精緻さなどをアピールするような写真)が流行し、氏の作品にもその影響なのかシャープな作品が多くなっていく。

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戦後以降の後期作品や活動については不明な点が多く、作品全体を取りまとめた国内での展覧会はなかなか開催されなかったよう。それが現在の分不相応?な知名度にも影響しているのかもしれません。

戦前の作品は特に評価が高く、近年世界的な写真の賞を受賞したり、以降日本でも再び取り上げられるようになってきたようです。

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ちなみに氏の作品集は多くないのですが、「塩谷定好 名作集」という激レア写真集を昔某古書店で見せていただいたことがあります(店主の方が「すごいの見せてあげようか?」と言いながら奥から出してくれたのを今も覚えています😂)。

その内容といったらもう、、、いつか手に入れたいですね😌それではまた😉

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