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エアスラッグ博学審問⑦世界のエアスラッグ

私の知る限り、現在国内の銃砲店で入手可能なエアスラッグは、
トウキョウジュウホウさんのFXハイブリッド、JSBノックアウト、それとあくあぐりーんさんがH&Nの重めのスラッグを扱っているくらいです。

では世界の市場ではどうかというのが今回の話です。
まずエアスラッグとは、という話は以前に書いた記事をご参考ください。

その上で、おさらいをしつつ各社のスラッグを紹介します。


1)ホロー形状

同じ重量の場合、ホローが大きいほどバレルとの接触面積は増える

エアスラッグのホロー形状はメーカーにより様々です。
FX HALOやH&N SLUG-HPⅡのように、新しい形状も考案されていて、まだ試行錯誤が続いています。

2)テール形状

テール形状についても各社が違いが見られますが、これは想定するバレルとの相性の問題も大きいと思われます。バレルにピッタリの口径で、初速を上げられるならばフラットベースは有効とされています。逆にカップベースはペレットのようにエアの力で変形し、バレルに張り付く効果を狙っているようです。

だったらカップベースの方が良さそうに感じますが、バレルからの離脱時および飛翔中の空気の乱れ=カルマン渦が悪影響を及ぼすのかもしれません。

以上を踏まえて、各メーカーのスラッグを見てみましょう。
なお、私の使用銃と興味の関係で、5.5mm口径でお話をします(笑)

①FX HYBRID


ホロー形状:独自
テール形状:カップベース
外径:.217
重量:22gr
BC
:0.080

日本で最初に正規輸入されたのがこのスラッグで、一度試してみた、という方も多いでしょう。
ホロー形状は独特で、まっすぐ穴を開けるのではなく、内側まで大きくくり抜く中空コア構造です。これはキャスト(鋳造)製法だからできることで、手間の分、価格も高めです。
またテールはすり鉢型のカップベースでこれも独自の形状です。FX社ではチョークドペレットガンで撃てることを示唆しておりますが、確かに撃つことはできると思います(笑)

BC値も高めの表記ですが、気になるのは大きな中空コアの影響で重心バランスが前の方に寄っていそうな点。本来のエアスラッグとは少し違う印象です。
※ちなみに今本国のH Pを見たら、5.5mm19grのラインナップが載っていますね。これはペレットガンユーザーには朗報かもしれませんね。

②JSB KNOCK OUT

ホロー形状:ノーマル
テール形状:カップベース
外径:.216/.217/.218
重量:25.39gr
BC
:0.084

これも国内入手が可能なJSBのノックアウトスラッグです。
ベーシックかつ理想的な形状です。本国では3種の口径がラインナップされていますが、国内に流通しているものの口径は恐らく.216だと思われますが、明記されていないですね。確かに小さい外径を選べば飛ばすことはできますけどね。最適な外径でなければ精度は出ないと思います。

ちなみにノックアウトMK2というモデルも出ており、胴の後半をスカート状に膨らませた形状をしています。

残念ながら、どちらのモデルについても、世界のショップを見ているとデリバリーがあまりうまくいってないようです。

ちなみにマスプロの公称BC値は高めに書かれていることが多く、測ってみないとなんとも言えなそうです。(実際弾速や環境により実測値は変わる)

③H&N Slug HP

ホロー形状:ポインテッド
テール形状:ディッシュベース
外径:.217/.218
重量:21gr~40gr
BC
:0.09121gr)

私が愛用しているH&Nです。国内だとあくあぐりーんさんが25gr以上を取り扱っています。
さすが大手の製品だけあって、非常にバランスの良いエアスラッグです。
ラインナップは.217と.218のみですが、鉛がかなり柔らかいので使える銃も多そうです。
また不良品の割合も低く、重量などの公差も・・・まあまあ良いです。
私のポリゴナルバレルは、弾の変形度が大きいせいか、この弾との相性がとても良いです。

重量も細かく出していますし、缶がスクリューキャップで嬉しいですw

早くも次のモデルが出る予定を聞いてるので、楽しみです。

ちなみに実BC値は0.072でした(21gr)


④Patriot Javelin Slug GEN2

https://patriot-slugs.com/

ホロー形状:ノーマル
テール形状:ディッシュベース
外径:.217/.218
重量:21gr~40gr
BC
:0.081(21gr)

ジャベリンスラッグは現在のエアスラッグの流行の立役者です。

南アフリカ発のエアスラッグ弾メーカーで、FX社と深い関わりがあります。

形状はオーソドックスで概ね評価も良い弾で、個人的にはH&Nと同じくらいの汎用性があると思っていますが、新興メーカーならではの問題も・・・

という話は置いといて、このジャベリンは日本でも取り扱いが始まるとの噂があります。21grからラインナップがありますので、これは嬉しいニュースです。

ちなみにジャベリンは最近GEN2になり、テール形状と価格の見直しがありました。
…うーん、H&Nの倍かぁ(笑)

⑤NSA Slug

ホロー形状:ノーマル
テール形状:フラットベース/ディッシュベース
外径:.216/.2165/.217/.2175/.218/.219
重量:17.5gr~38gr
BC
:0.075(20.2gr)

海外、特にメリケンニキに圧倒的な人気を誇るのがこのニールセンのスラッグです。
特徴はスエージングの工作精度が高いことと、ラインナップの広さ、そして何より安さです。外径もかなり細かく設定があるため、完璧なセッティングを出すことができる…

そんな風に考えていた時期が 俺にもありました・・・(笑)


まず原料の鉛の問題だと思うのですが、弾がめちゃくちゃ硬いです。
私のバレルはH&Nの.218を通しますが、NSAは.217であっても詰まりそうです。正確には軽い(短い)弾は大丈夫なのですが30grなどだと、ペレットの3倍の力でコッキングしてもバレルに入りません(笑)つまり単純な外径だけではなく、長さでも相性が出るので、この無限の組み合わせからベストを探し出すなんて・・・私はやりたくありません。この弾はしばらく塩漬け案件になりましたw

⑥ ZAN Projectiles Slugs

ホロー形状:ノーマル
テール形状:カップベース
口径:.217/.218
重量:20gr~40gr
BC
:0.075(23gr)

スロベニア発の新興メーカーがザンプロジェクタイルです。
価格が安いにも関わらず、1個ずつパックされており、非常に好感が持てます。ラインナップもH&N並です。

グラップラー刃牙でいう山本選手くらいとてもバランスが良いため、後に私のメインスラッグになりました。


とまあ、主だったエアスラッグはこんな感じです。


ここまででなんとなくお分かりになったかと思いますが、
軟鉛スラッグを使っている弾は.217か.218にラインナップを絞っているケースが多いです。多くの銃はこれで十分なのでしょう。ただし、鉛の硬さによっては同じ外径でも入らなかったりします。

全体の流れとしても過度なBC値を求めない方向に進んでいるように感じます。恐らく弾頭形状が繊細になりすぎて、潰れなどの悪影響が出たり、セッティングがシビアになりすぎるのではと推察しています。


で、ここまで書いておいてなんなんですが、
この国内入手の難しいエアスラッグの情報って、需要あるのでしょうか?(笑)


まあいいでしょう。
最近は21gr程度の軽量スラッグを各社ラインナップし始めたので、良い流れだなーと思います。

エアライフルはパワーではなく精度を求めた方が、安全で楽しいと個人的には考えています。

ではでは。

いっそもう、お前が輸入販売しろよ、と思った方はスキ!を押してもらえると・・・(笑)

お読みいただきありがとうございます😊

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