父との会話

例えば散髪に行ったとして、
うちの父は『切ってきた』とだけ言うタイプ。
マシな時で『散髪屋さん行ってきた』という感じで、
ただ行っただけなのかもしれないけど髪の毛が短くなってるから散髪したんだろうな、みたいな。
そんななのでいつも母が『主語がない!!』と怒っていて、
どちらかと言うと夫婦仲が悪い。
一緒に仕事をしていたこともあるし、家でもだいたい二人はリビングに居るけど、
わりと仲が悪い。
常に父に対して母がイライラしている感じで、
母は父のことをオッサンと呼ぶ。

そのせいか、わたしは “わたし” を多用するし
細かく説明する人になっている気がする。

父はおとなしい 。
というか、薄い紙くらい圧を感じない。
口数少なくはないけど基本的に主語がないので何を言っているのかわからない時が多々あり、
こちらが想像力を働かせて 〇〇のこと? と問う形の会話が多い。
おかげでわたしは主語がない喋り方の人の通訳ができるくらいに育っている。
先日も知人から『あんなに長いのあるんですね』と会うなり言われたけど、
あー、この間わたしがInstagramに投稿した 愛犬がガムを舐めてる写真のガムのことなんだろうなと瞬時に理解出来てしまったので普通に会話が成立した。
主語のなさは父を上回っていると思う。
たまにイラッとする。

昨日も『白いところに目玉描いたらめっちゃおもろいのに』と言われ、
うちの犬の眉毛みたいな白いところのことなんだろうなと想像しなければならない上にそれの面白さがサッパリわからないので面倒臭くなって、
思わず真顔で冷たく『何の話』と言ってしまった。
ガムの話の続きではなく別日ですからね。

余談が過ぎた。
感情まで書いてしまった。

んで、父の話。
幼児の頃に紙飛行機を飛ばしたら父の目に当たってしまった時以外に父が激怒しているのをほとんど見たことがない。
怒らないわけではないけど、人から見て怒っているとはわからないレベル。
若干興奮してるなぁと感じる程度。

安い焼酎をモロゾフのプリンのカップに注いで電子レンジでチンしてよく飲んでいる。
いわゆる“ざる”なので、人と飲みに行くと最後はいつもお世話係になっている。
そしてヘロヘロで帰宅してトイレに行って便座に座ったまま寝ている。

けっこうお人好しだと思う。

父は少しおなかが弱い。
家族で車で出かけていた時に父が公衆トイレに行って戻ってきて、
『トイレットペーパーが10cmしかなかったけど、次の人が来たらその人が困るから使わずに残しといた』
と言った。

手で拭いたんだろうか。

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