探偵

有馬三恵子さんの歌詞の話になってしまって探偵事務所の話がどこかへ行ってしまったので続きをば。

ちょうど良さげなターゲットの尾行で決定的な瞬間を目撃することができない日々を過ごしていたので、
最後はお互いを尾行するようになった。
わたしたちはとにかく尾行したかったらしい。
居候の彼女とは居候中だけ同じ小学校に通っていたけど一緒に帰ることはなかったので、下校時が絶好のチャンス。

残念ながらそれが楽しかったのか、どういう結末を迎えたのか、全く覚えていない。
きっと楽しくなかったんだと思う。

大学生になり、わたしは初めてアルバイトをした。
週6で6~8時間働いて登校がおろそかになって半年ほど経った頃、
母から電話でわたしの数日間の行動を細かく言われ、ちゃんと学校へ行けと叱られた。

わたしは数日間 探偵に尾行されて見張られていた。

探偵を雇ったのは大学の教授で母は連絡をもらっただけなんだけれども、
探偵を雇われたことではなく、尾行されていることに気付かなかった自分にショックを受けた。
あんなに探偵ごっこをして鍛えたのに。

プロって凄い!!

できることなら薄っすら気付いて探偵の仕事ぶりを感じたかった。

一瞬また探偵熱がぶり返りそうになったけど、
さすがに子どもの時と違い、体力的にもしんどい仕事だろうなぁと想像できたので大丈夫だった。

単なる素行調査をしただけのようなんだけど、
凄いのよ、何時に家を出て何時の電車のどの辺に乗って何時にバイト先に到着し何時に帰宅して、この日はこんな人と行動を共にしていた、と気持ち悪いくらい細かい。
変質者は遠目からでも「ぼく変質者です!」という空気が出てしまってるけど、探偵さんは気配を消す天才なんだろうなぁ。

この間、レンタルなんもしない人が幽体離脱の訓練をしたことがあるという話を見たけど、
わたしもそういう系の人なので、幽体離脱しようと頑張ったことはある。
その前にまずは金縛りにあわねばならんのではないかと思ったけど今のところ一度も金縛りにあったことがない。
透明人間になるための訓練もした。
心地よい音と騒音の違いみたいに、周波数とかそういうアレで透明風になれるんではないかと思い、波動の調整を試みた。
気配を消せる時はあっても透明人間にはなれなかった。
姿を消すことを諦めたその後、癒しの手というわけのわからん本を買ったこともある。
手をかざしたり撫でたりするだけで病気を治せるらしい。
無理だった。

今は自分の能力のなさを把握しているので、おかしなことはしませんが、
たまに気配が消えてて人を驚かせてしまう時があります。

前の職場で、どうしても断れなかったから代理で行ってきてくれと頼まれて宗教の勧誘会みたいなのに参加させられたんだけど、
派手な演出で素晴らしさを宣伝した後、小分けにされたブースで本格的に勧誘するため心理テストみたいなものをやらされて、
『あなたはブレない人なのでお帰りになってけっこうです』と追い返されてしまった。
なので、いろいろ言うてるけどわたしは大丈夫です。

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