ばかになれ

小学校に半分も通っていないわたしは母からお勉強しなくていいと言われたので学習塾に通ったこともないし、
推薦入試で大学に入ってるし、花粉症でもないので現代人に置いていかれている。
中学2年生からは好きな先輩を見たいがために毎日学校へ行き、
高校も休んだことがない。

とても幼い頃から、胸を張って歩けと育てられた。(姿勢のこと)
母はブサイクだの足が短いだのひどいことを言い続ける傍ら、
あなたは特別、あなたは天才、と言って自信満々で生意気な子に育てようとしていた。
なのに『バカのフリして生きろ』と言われた。

今考えると高度な技すぎる。

バカのフリしてないと損をすると。
実際、妬みからあらぬ噂を立てられている母を見たことがあるので、そうなんだろうなぁと思っていた。
わたしもいじめられたことはあるけど、
ひらひらのハイソックスをはいてるとか、くせ毛をパーマと勘違いされて生意気だと言われたり、学校で一番かっこいいと言われてる先輩とお付き合いしたために売春してると噂されたりとか、
そんな理由なのでいじめられていることに気付いてなかった。
なんかギャーギャー言うててうるさいな、くらいにしか思っていなくて。
おめでたい。
学校の先生から一匹狼だと太鼓判を押されて通知表に協調性がないと書かれるほど群れないわたしなので、
仲間外れにされたとか無視されたとかそういう悩みにさいなまれたこともなく、承認欲求度が低い。
自分大好き人間。
母の教育の賜物かもしれない。
学校で散々わたしの悪口言ってるのに、学校を出たら一緒に帰ろうと寄ってきて一緒に公園行ったり家に遊びに来たりする子とか、
学校ではわたしと喋ることもなくヤンキーとして張り切っているのに毎朝お菓子を買ってくれる子とか、
むしろ可愛かったです。(えらそう)


7歳の時、石の階段のあるお寿司屋さんの階段から落ちた。
13段。
後にそこのおばちゃんも転落して頭の手術をしてたけどわたしは打ち所が良く頭蓋骨の左側にヒビが入っただけで手術せずに済んだ。
とはいえしばらく入院して頭に水と血が溜まってパンパンに腫れて耳から水を抜いて死ぬほど痛かったし、血流が良くなってしまうので動いてはいけないしテレビを観たりして頭を使ってもいけないと言われてそれなりにおおごとでした。

それ以来、母がわたしのことをバカになったと言うようになった。
おかげさまでバカのフリをして生きる必要がない真性バカなので
ずっとありのままで生きています。
性格的にわたしは父寄りらしく、それも気に入らない要因になっていて「オッサン(父)に似てバカだ」と言うし、
あたしは天才を産んだのに!とよく言う。
赤ちゃんの時のわたしは天才だったと思い込んでいる。ただのスピード狂なのに。
というか、わたしどうこうではなくて自分は天才を産めると思っている。
母の大好きなフランス人男性ピアニストがいるんだけど、そこの家のお手伝いさんになって彼との間に今度こそ天才を産むと言っていた時期がある。
正確には『便所掃除になる』と言っていた。

家政婦と主人の子作りってどんなシチュエーション。
どうかしてる。

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