地方創生EXPO2020 in 幕張メッセ 12講演レポート! & 気になった出展ブースのサービス紹介

地方創生EXPO2020in幕張メッセ(2020.2.5~7)に参加してきました。3日間、すべて滞在して12講演を聞いて、ブースをまわって、情報をインプットしてきましたので共有したいと思います。

<目次>
1、今回No.1の講演(ワントゥーテン澤邊さん)
2、大当たりの講演3つ(豊岡市長中貝さん、内閣府クールジャパン陣内さん、DeNAブレイブサンダース元沢さん)
3、中当たりの講演3つ(渋谷未来デザイン/レッドブル長田さん、欧州サッカーCesareさん、TikTok田村さん)
4、その他講演5つ(RIZesT古澤さん、DMO大社さん、DMM村中さん、Peach轟木さん、森ビル栗原さん)
5、気になったブース概要×活用アイディア

1、今回No.1の講演(ワントゥーテン澤邊さん)

・ワントゥーテンは、プロジェクションマッピングやMR(ミックスドリアリティ)、デジタルアートなどの会社。澤邊さんも大学時代にバイク事故で車いす。
・パラスポーツとデジタルアートの組み合わせによって普及させていたり、シンガポールのセントサ島で環境を壊さないデジタルアート開発をやっていたり。AIのディープラーニングやセンシングによって、人の動きによってパフォーマンスが変わる、波の動きに似たようなプロジェクションマッピングを島全体にやっていたりする。他、歌舞伎×デジタルテクノロジー、柔道がフランス60万人・日本15万人ということで再普及をアートで支援していたり。
・「暇と退屈の倫理学」という本を紹介された。退屈の世紀をサバイブする。人間は狩猟から農耕に変わり、貯蓄ができるようになり、暇になってきた。暇は時間の概念、退屈は感覚の概念。退屈には3つある。時間的退屈→対策は仕事(やること)を増やす。心理的退屈→興味を増やす。根本的退屈→変化を起こす、事件を起こす。一番対策が必要なのは心理的退屈。興味を持ってもらう体験づくりが必要になってくる。これから「消費」から「知性投資」にかわっていく。エンターテイン=わくわくさせる、モチベーションをあげるものが求められている。人間は思っているけど行動しない、「面倒くさい」が理由で。ex)ジャム理論。20種のジャムから選べるお店より、3種のジャムから選べた店の方が流行った。プレゼンも3つ以内くらいに絞った方がいい。絞ることは、人間の面倒くささを減らしてあげること。

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SEDAモデルが紹介された。これが僕にとって革命的。地方で社会問題にむけて沢山の仕事をしていくなかで「解決」に目が向いていて、キリがなかった。SDGsの17の取り組むべきことにもあるように、1980年台までのモノ不足を充足させることだけの問題解決から、多様・複雑・一筋縄ではいかない・時間がかかる問題が現代には起きていて、解決ということだけに固執せず「問題提起/アート」的な活動にも価値があると思えた。空き家を使ってビジネスするのも、提起的な活動。成功モデルのフォロワーが増えるように。社会問題ホッパーを自称して、問題提起/アートや問題解決/デザインをいくつもやりながら自由に生きていきたい。地方で起業して、ある種の見えない鎖(同調圧力や独りよがりの責任感)があったので、そういったものから解き放たれて生きていきたい。
・ウォルトディズニーは、都市開発をやろうとしていた。今のトヨタの静岡での社会実験のような。それがディズニーワールドに変わったが、元々は都市開発。デジタルツイン:都市データをデジタルで完全再現して、様々な場面に活用していくことを考えている。災害とかイベントとか?広がりそう。

2、大当たりの講演3つ(豊岡市長中貝さん、内閣府クールジャパン陣内さん、DeNAブレイブサンダース元沢さん)

豊岡市長中貝さん
・現在人口8万人。人口減少の緩和が目標。2040年5.76万人→6.2万にやわらげる目標。
・高校卒業時に9割出ていき、そのうち4割しか返ってこない。
・つきぬけた豊岡でくらす価値の創造。小さな世界都市 Local & Grobalがテーマ。エンジンは3つ。①環境、エコバレー②演劇③インバウンド
・現在農地が428ha。120が無農薬、300が減農薬。無農薬米の輸出によって1kg2000円で米が海外で売れている(通常400円)
・日本最古の芝居小屋が残っている。片岡愛之助などが公園し1週間超満員。城崎国際アートセンターという演劇の滞在制作用施設を作った。3ヵ月無料で宿泊可。24時間稽古場を使える。森山未來など沢山の人が演劇製作のために滞在しており、知名度がどんどんあがっている。利用内訳は、市民が31%、県外50%、宿泊が60%。
・演劇の大学を作る。1学年80人、21年4月から。平田オリザさんが学長。クラファンなどでも活動資金を集めている。演劇祭を3日間、第0回としてスタート。課題の洗い出し。5年でアジアNo.1、10年で世界有数の演劇祭にしていく。
・ローカル&グローバルコミュニケーション教育。1、ふるさと教育 2、保育~中学で英語教育(市の独自予算で追加教育) 3、演劇事業(小6、中1)。中身以上に、市のコンセプトやメッセージを、教育のプログラムまで落とし込み、筋が通っているのが凄い。高校を出て9割出ていくのなら、大学を作って別の若い人を呼び込む仕組みも凄い。
・1925年に北但地震。木造3階建ての旅館が多く燃えた。他市や県のアドバイスを断り「元に戻す」コンセプトで城崎の温泉街を再現。要所にコンクリの建物を置くことで延焼を防ぐ都市計画。1970年に暴力団員を一掃。外湯めぐり7か所、旅館74か所で町中でおもてなしをする意識。2018年は63万人の観光客、内5万人がインバウンド。
・インバウンドは城崎で5万人、城崎以外の豊岡市で1.4万人。欧米豪の割合が33.3%(日本全体では18.4%)。「日本」を見たいというニーズ。
・民間から副市長を公募。2009年6月。京セラ・クアルコムの真野さんが任用。国際交流員にイギリス人を採用。12年には楽天トラベルから専門人材派遣で出向受け入れ。人口減の中での交流人口増の戦略を描いた。16年にDMOをつくった。
・WEB戦略:visit Kinosakiというサイトを作った。Facebook、Google、SNSで拡散。宿泊予約もできる。この数年間でこのWEBサイトが来訪理由になるまで成長した。
・メディア戦略として、レップ契約(海外代理人と契約し、現地メディアに取りあげてもらう契約)や旅行代理店対応もおこなっている。
・「Kinosaki」のGoogleトレンド検索数が伸びている。直指名。Japan Onsenの中から選ばれるわけではない。
・19年から、中国・台湾・香港対応も行い始めた。繁体字・簡体字。Google、Facebook、バイドゥーなど。
・ラグビーW杯も取りに行った。対象国を絞って、メディア・WEB・Wifiスポット広告を行い、他日本の都市よりも集客に成功した。
・せとうちDMOとも協定。城崎のDMOは予算は年間8000万、9人。7月~8月は毎日月曜~金曜で21時から10分花火。町のライトアップは初期コストだけ行政で支払い、ランニングは各施設の持ち合いで。浴衣レンタルをおこなって、昼の城崎の色合いがよくなり、写真映えするようになった。インバウンドは連泊するので、旅館のご飯だけでは飽きる。レストランの整備。アンケートでは95%が満足以上。62%が大変満足。この評価により、インバウンドの来訪理由1位が友人知人からの紹介になった。

内閣府クールジャパンGoogle陣内さん
・デジタルファースト宣言、というものがあるらしい。体制(組織、人材、予算)。50%以上のデジタル投資。作る:届ける:計測するの予算配分を3:6:1にする。今の日本は10:0:0
・市内→県内→東京→海外/80代(地方にいる)→20代(地方にいない)と、外に行けば行くほどオンライン(デジタル)しか届かない。紙を刷ったで、市内の80代にしか届かない。少なくとも50%以上はデジタル投資に。ドイツは2017年に100%デジタルへ移行。紙の観光予算をゼロに。

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・何度も使われているローマ法王の写真。これだけ世界が変わっているのに、日本の観光予算は95%以上が紙に使われ、デジタルは5%以下。
・2017年、69.9%の人がスマホで旅行を決めている。
・Society 5.0を内閣府が提言している。IoT(Internet of Things)、ロボット、人工知能(AI)、ビッグデータ等の新たな技術をあらゆる産業や社会生活に取り入れてイノベーションを創出し、一人一人のニーズに合わせる形で社会的課題を解決する新たな社会を「Society 5.0(ソサエテイ 5.0)」と名付けた。
・東京都副知事は、ヤフーの宮坂さん。別府、都城、浜松、島田、三島、木津川と、いくつもの自治体がデジタルファースト宣言を行い、予算編成の見直しを行っている。
・EBPM(エビデンスベースドポリシーメイキング)証拠に基づく政策立案。ファクトフルネスにもつながる。データ計測を行って、それに基づいて政策や事業を決めましょう。
・香川のChichibugahamaではデジタル対策でビーチの綺麗な写真を拡散して、3年で1000倍の観光客を獲得した。
・せとうちDMOも、デジタルでムービーを500万回再生させ、リアルな場面で旅行会社やメディア、トラベルエージェンシーへの交渉活動を行った。空中戦と地上戦のミックスが重要。与論島の8Kムービーは2週間で450万回再生された。佐賀県の4Kのムービーでは水の綺麗さが刺さって海外に広まった。日本人にはない視点で広がっていく。

DeNAブレイブサンダース元沢さん
・ベイスターズでは2018年席稼働率97%、6年前と比べ185%の伸び。TBSからの譲渡直後は厳しい状態だった。内川村田に捨てられ、年間30億赤字。中畑清のファンサービスの姿勢で変わっていった。
・大人の感染シート、しゃぼん玉、全額返金チケットなど失敗も多数。
・①イメージを変える。横浜の街のイメージはかっこよさ。ビジュアルを徹底的にかっこよいイメージに。番長三浦の背中だけのポスター。暗い廊下を歩いて戦場に向かう選手たち。広告場所も、駅やビルの壁面など、街に溶け込むように。
・②楽しんでもらう=ボールパーク化。野球ファンじゃなくてもベイスターズファンじゃなくても楽しめるものを作る。最上部の売れない席をグループ席にしてお子様連れを獲得、今では一番先に埋まる。フード、子供(グラウンドで映画、キャンプイベント)、音楽、ドローンなど。
・③地域マーケティング。ハマスタキャッチボール、選手寮のカレーを小学校の給食に。キャップを小学生に72万個配る。
・次は川崎のブレイブサンダース(バスケット)。バスケは男子だけじゃなく女子も人口が多い。44年ぶりにオリンピックに出場。開催国枠ではなく、実力があがって出場権を得た。日本対ドイツ戦は2万人完売。
・駅の使っていない場所を広告場所に。ニック(2m10cmの帰化選手)パネルを待ちの各地に。クラブチッタで新ユニフォームの発表かい。映画、イベント、メディアにこちらから連載や企画をもちかける。
・アリーナを非日常の体験に。外からイベント満載。徹底的な装飾。廊下を真っ暗にして、スタジアムで一気に迫力。毎試合、生のDJ。フード・グッズの開発。売れないと言われていたアルコールが、クラフトビールで1日1000杯売れるように。5年後に川崎にアリーナを作る。アジアNo,1、年間30万人が目標(現在13万人)

3、中当たりの講演3つ(渋谷未来デザイン/レッドブル長田さん、欧州サッカーCesareさん、TikTok田村さん)

渋谷未来デザイン/元レッドブル長田さん
・イベントは、ブランド(ミッションとメッセージ)認知向上と体験作り。
・イベントから活用できる要素を分解(オケージョン、キャンペーン、地域…)→各アセットとのコミュニケーション→STORYをそれぞれ考える。ブランドの特性+ストーリーを出せるか?長期間できるか?
・例)レッドブルエアレース。アセット①スポーツ:競技の凄さやかっこよさのプロモーション。アセット②アスリート:出場する日本人にスポットを当て生い立ちや物語をコンテンツにして広める。アセット③アーティスト:エアレースとライブイベントを同時開催。GLAYとコラボ。メンバー1人ひとりとエアレースの共通トピックスでコンテンツを作って広める。
・イベントのアセットを洗い出す→アセット毎にストーリーとコンテンツをつくる→長期間にわたって伝えていく→イベントがブランド化していく。
・企業戦略、ブランド戦略の最大化がイベントの目的。ミッション・メッセージ(社会的な意義)はなにか?
・SIW(シブヤイノベーションウィーク)をSXSW(サウスバイサウスウエスト)みたいに育てたい。12日間の渋谷のイノベーションを伝えるイベント。

欧州サッカーCezare(チェザーレポレンギ)さん
・日本のスポーツ観戦はユニーク。Harmony=和が大事。お祭り。女性が40%(世界で一番高い)。楽しみたい。マスコットが可愛いデザイン。
・世界のスポーツは衝突。相手をたたきのめす。イタリア・フランスならずるがしこく時間を潰す。日本は正々堂々戦って、W杯ベスト16で負けた。
・日本は誠実でビジネスがしやすい。豊か。アジアでのポップカルチャーのスタート地点。だから欧州のクラブは日本マーケティングを重視している。
・オフラインで大事なことは3つ。①Be a cool club(Top player, Trophy, Attractive, Interesting narrative)②Visit Japan(トヨタカップ、OBチーム戦)③Hire Japanese player
・オンラインで大事なことは3つ。①Localization(日本語に。文化や行事とタイアップ。GW,父の日,七夕,ポケモン…)②Engaging the Fans(日本のファンには劣等感がある。ファンに声を与える)③Creative content(感動、驚き、笑いの感情をくすぐらせる)
・日本はテレビがキング。インターネットはプロとアマが混在している。テレビはプロの信用がある。
・①Understanding of Japanese Culture②Patience(忍耐)③Consistency(一貫性、3,5,10年で考える)

TikTok田村さん
・ミーム:アレンジしたり真似したりするムーブメント
・チーズハットグの失敗動画で80万いいね。ファッションチェンジ動画の裏側まで見せてバズ。
・昔:企業/ブランドコミュニ―ケーション→最近:インフルエンサーマーケティング→次:ユーザーマーケティング
・「ブックオフなのに本ねーじゃん」。CMからUGC(ユーザージェネレイテッドコンテンツ)への流れ。
・サントリーの商品でクリエイティブコンテスト。いいね、コメント、完全視聴率などのエンゲージが高い手法。
・ドミノピザ、Mr.ヤバタンがアルバイトとピザ試食。PRだが、ユーザー感覚があり受け入れてもらいやすい手法。
・フォロワーがいなくても面白ければバズる。次なるインフルエンサー候補のユーザーをTikTok側でウォッチしている。相談してもらえれば紹介できる。
・旧現代の「リアル」は、近寄りがたい、職人気質、権威によるお墨付き、オーセンティック的な?。現代の「リアル」は、信じられること、嘘くさくないこと。

4、その他講演5つ(RIZesT古澤さん、DMO大社さん、DMM村中さん、Peach轟木さん、森ビル栗原さん)

RIZest古澤さん
・eスポーツ。ハコだけじゃ赤字。当事者=エンジンとなる人が大事。コミュニティを大事にする人、ゲーム好き。
・若い人の就職先として人気。

DMO大社さん
・DMO政策支援はこの3年の評価ではネガティブな意見が多かった。見直し中。
・東京の若い経営者の語る世界が、地方ではまったく別世界。→テクノロジーを地方に、安価に取り組む人が出てきて欲しい。
・観光地域の穴となりやすい6月などにむけたMICE施設(研修向け施設)を、自治体が銀行から借り入れをして作り、観光目的税で返済する仕組みを作った事例がある。

DMM村中さん
・DMMはいろんなことをやっていて、地方は専門人材が足りないでしょうから声をかけてください、というだけのクソプレゼン。

Peach轟木さん
・空飛ぶ電車として、安さと安全にふりきり、サービスは最低限のものにした。
・男女比が47:53、20~30台が中心、国際線は70%が外国人と、LCCによって旅が広がった。
・旅人にとって、県境は関係ない。意味や魅力で連携すべき。

森ビル栗原さん
・港区を中心にビル開発(六本木ヒルズ、虎ノ門ヒルズ…など)。東京の国際競争力を高めるため(香港、ニューヨーク、ロンドン、ドバイなど世界都市と戦っていく)、磁力を産むために事業をやっている。
・街を育てるために、集客、ブランディング&情報発信、コミュニティづくり、ターゲティングをおこなっている。
・クリスマスツリーは1年をかけて最低3社のコンペ。
・街をメディア化。収益を再投資。六本木ヒルズでは、この3年間、集客人数過去最高を更新。オープン後右肩下がりだったが、イベントの活用によって過去最高に再成長。年間400万使ったロイヤルカスタマー向けの特別デーなども設けている。

5、気になったブース概要×活用アイディア

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