台本制作の舞台裏_バックヤードへようこそ_感じたこと語ります_

逆立ちしないと見えない世界がそこにはある

創作に役立っているなと感じていることについて語りたいと思います。

目からウロコの『星の王子さま』

昨年になりますが、サン=テグジュペリ著『星の王子さま』を読みました。なんとなく大筋のストーリーは知っていて、幼少に読んだことがあるような程度。どんな話だったかちゃんと読んでみることにしました。

読み終えたら涙していました。
優しく暖かい話ではあるんだけど、どこか儚げで悲しくて寂しくて。子供から見た大人の世界(大人が作り上げた世界)を王子さまを通して見ている。そんな感覚。
王子さまは出会う大人たちに純粋な疑問(本質的な問い)を投げかけますが、彼の望むような答えは返ってこず、彼とまともに向き合う大人はいない。王子さまは大人に対して「なんでこんなことをしているのかな?」というスッキリしない疑問を抱きながら物語は進んでいきます。バラとの出会いなど作品の核となるエピソードよりも王子さまと大人たちのやり取りが私にとって刺さるものがありました。

だって、小さい頃に王子さま同じことを感じていたんだもの。
幼少に感じていた大人への嫌悪感、理解できない大人の言動や行動が表現されていて、忘れてしまった感情を少し取り戻した気がしました。これは幼少の自分との対峙する体験で、もうひとつブーメランな話が…。

これ、私も子供に同じような応答しちゃってる。
ゾワゾワが止まりません。登場してくる大人は頭が固くて、何かに固執していて、よくわからない残念な生き物として描かれています(王子さまフィルターでそう感じてしまう)。私は残念な人たちと同じ。これは今の私だなってドキッとしました。

私も子供だったのに、大人になってしまったとしんみりする。歳をとる、大人になる(正確には大人の社会で生きていく)ということは怖いものですね。昔感じていたことやその感覚を忘れて、相容れないと思っていた世界に馴染んでいくんですもの。

王子さまの冒険は小さいころの自分に出会えた旅でした。

感性を大事にする

創作で自分が大切だなと思うことは「感性を大事にする」ことだと思います。ある出来事、日常生活で感じたこと、その気持ちや感覚から物語が育まれることがあります。感じたことをどう表現するか、それをキャラクターに預けてあげれば、実体として登場人物が生きていきます。

感性を大事にする。自分が感じたことを大事にする。今であったり昔感じていた気持ちを思い出してみる。それもポイントではあるけど、自分が感じたことだけでは限界があると思っていて。どれだけ幅を持たせるかは、「違う視点から見てみる」「違う人間になったつもりで感じてみる」だと思います。その手法は人それぞれでよくて、自分とは違う意見を持った人と会話するだけでも気づきになるし、映画や小説・漫画などから得られる気づきもあると思います。

子供の世界はおもしろい

私の場合は育児から気づきを得ることが多いです。

息子の発言は理解に苦しむことも多いけど、どれも純粋で真っ直ぐに世界を見ているもの。星の王子さまが自分の息子に思えてきました。
子供はつくづく不思議な生き物だなって思う。体裁などは関係ないのです。しがらみにがんじがらめにされている私達の間を自由にすり抜けていきます。

子供は自分の世界に住んでいるので、自分を取り巻く森羅万象全てをコントロールできると思っているらしいです。
明日が楽しみだから「早く朝になって!」今が楽しいから「時間を止めて!」
昔に戻りたいから「時計の針をクルクル~って回せば昨日に戻るんじゃない?」
こりゃたまげました!大人は誰も時計がこの世界の時間の流れを司っているものだなんて思わないからです。単純に時を刻んで知らせるものでしかない。

「今日は空が綺麗だね」
ふと立ち止まって空を見上げる機会をくれます。空が綺麗、不思議な形をしている石、花の色形…日常のたからものを教えてくれます。

時々、思わぬ不思議なことを言い出します。よくよく話を聞くと「なるほどな」と納得することもあります。でも私には感じることができないものです。

息子との触れ合いは今の自分にない世界観を与えてくれます。世の中を逆立ちして歩いてみてみようって普通は思わない。でもそうすることで見えてくる世界があるし、自分が価値を置いていないものにこそ私が気づかない何かが眠っている。子供と話していると、多角的に物事を観るきっかけをもらえます。

まとめ

感性大事にしよう!いろんな出会いから視点や幅が広がっていく。息子との触れ合いや小さい頃に感じていたことを大事にしてきたおかげで私の作風が作られたんだと思います。


~最後まで読んで頂き、ありがとうございました~

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