見出し画像

悔しさとクリープハイプ

太客になって、もう何年の月日が流れただろう?
私が最初にラジオから流れる「エロ」を聴いた時はまだクリープハイプを好きではなかった。
いやむしろ嫌いに近かった。

このバンド、曲は悪くないけど声が苦手だなぁ

これが私のクリープハイプにおける最初の感想だった。
でも、苦手だけどなんか気になる。
他の曲はどんなのだろう?
そうこうして気になっていくうちに、あの曲と出会ってしまう!

あのオレンジの光の先へ その先へ行く
きっと2人なら全部上手くいくってさ

まさに電気に撃たれたような感覚だった!
オレンジの光の先って何?
でもその先に行きたい気持ちは何故かわかる気がする。
そんな不思議な思考回路で書く詞に興味を持った
私は、無性にクリープハイプを探ってみたい衝動に駆られた。
そして何を思ったか既発のCDを全部大人買いしてしまうのである!

CDを何度も何度も聴いた。
聴くたびに中毒になっていき、今度はライブに行きたい欲が出てくる。
偶然にも新木場studio coastでのチケットが取れ、早速初めての生クリープと相まった。
もうそこからは言わずもがな、クリープ中毒の始まりである!

生の尾崎はヤバかった!
ライブを見て、『この人に抱かれたい』と思ったのは初めてだった。
"エモい"という言葉はこの人のためにあるんだろうとも思った。
そしてライブの途中のMCでガッツリ心を掴まれてしまう……

「悔しい思いをして生きてきました。でもその悔しさをクソって思って、今ここにいます」

確かこんな感じのMCだった気がする。
私も悔しい思いばかりの人生だ。
嫌な人、嫌なことに直面するたびに『いつか見返してやる!』と自分を奮い立たせてきた。
それと同じことを尾崎も思っている。
もう共感超えてリスペクトでしかない。
私は1度目のライブ参戦ですぐに太客になった!

何度も何度もライブ参戦した。
ライブハウスの最前列を陣取って、JKに揉みくちゃにされたこともあった。
それでも楽しかった。
悔しい思いもこの瞬間だけは忘れられた。

そしてバンド結成10周年、幕張メッセが決まる。
私は是が非でも当たりたくて祈った!
祈った甲斐あってかチケットが取れた!
嬉しくて堪らなかった!

しかし!無惨にもアイツのせいでチケットはただの紙切れになってしまった。
全世界を暗黒に変えたアイツのせいで……
結局2度の延期を経て、中止になった。
その時の悔しさといったらなかった。
でもいつか、必ずまた会える!
そう願ってやまなかった!

2023年3月11日、12日、私は幕張メッセにいた。
あの時の悔しさが一気に喜びに転じた瞬間だった。
最高すぎるライブに涙が出た。
また会える、当たり前でない再会に心の奥がキュンとした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?