喫茶店で交換したコーヒーカップ
23年、持ってたの
もうあの頃のように
誰かを傷つけることはできなくなったし
100円にこだわっていた君を
もう、「君」と呼べる年でもない

20年前に気づくべきだった
電車での会話が相性のすべてだってこと
「君」は、走り去る電車の中から
手を振ることしかしてくれなかったのに
そんなが「君」が、ただ、好きだった

増えていくお土産の写真
3日に1回になったSNS
すべて気づいてた

どちらも30代になって
「黒い線の上に、赤い線を引くことが、
 嘘をつくことだと思う」
と、あなたの華奢な腕のなかで
話し合うこともあった2人だったけど
あなたは、最後はいつも、白い線しか引けない人で
そんな「君」が、好きだった

ちょうど23年目の今日、割れたの
あのコーヒーカップ

灰はね、吹き去るものなの

嘘でも
「好きだ」
と言えない男は
もう、要らない




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