water lily

avant

あなたの骸を私が拾う
無垢だった心はそのまま
骨の白さに表れている
こんなところに隠れていたのね

肉を剥いで
やっと見えてくる本音
昔は怖かった
虚しさと嘘だけが顔を見せ
その奥にはもっと
膿んで黒ずんだ何か
得体の知れない恐ろしいものが
みっちりと、
そうやって暴かれる日を
いまか、いまかと待っているんじゃないかと

可笑しいよね
今なら云える
ただ、信じればよかったの

そして、信じることは愛の動詞に
そのままなり得ることも

それらを私は、
今日までの日々をかけて知った

時折夢に出てくる
知らない場所
此処はあの楽園とは違う
この場所で、最初にあなたを見た

答えを聞かせて
本当に君なの?
美化したりしない
ありのままの君がいい
なぜなら、少しでも偽れば
私まで苦しくなるの
知っているから

愛しているなんて簡単には
口にしたりしない
待っていたんだ、
もう一人の私を
生まれた時から
眼中にあるのは
この目が探してきたのは
君だけ

だから、口にする
口付けがわりの愛してる
風に乗せて
伝えて届けて
まだ会えていない
きっともうすぐ会えるあなたに

今度こそ離したりしない
離れ離れはもう沢山だ
一度経験すればもう
懲り懲りだ
君が拒むのなら
それはそれでいい
それで私の答が変わるわけでもない

たった一つの音を込めて
私の口が口にしたいのは
きみのなまえ
私の帰りたい場所も
生まれた時から
本当はひとつ
その胸の中
あるいはその手を繋いだ時に
はじめて生まれる繋ぎ目

きみよ、どうか笑って
どんな時も
必ずそこに光が見えるでしょう、
きみになら
きみにだから、届く陽ざし

闇が呑むのなら
私も一緒
世界はいつだって混沌から生まれた
だから、恐れなくていい
闇も悪魔も
すべてはひとつの文字が基
怖がらないで、そばにいて
どんな暗闇でも
私たちは光
互いを
必ずわかる

愛がどんな形をしているか
それは、それぞれ
私は、あなただった

ねぇ、
答えを聞かせて
本当に君ですか?
私がずっと探してきた、もう一人は

愛しているなんて簡単には
口にしたがらないこの口が
愛しているを
告げたがる
心から溢れてくる感情は
込み上げる涙は
かなしいニュースを聞かされても
ブレることのなかった
あなたへの想い

私のはじまり
世界の中心
きっと終わりも

私が私という個と世界を手放す時、
最後に見る景色は
きっと、あなた
あなたの姿をした愛が
私が見て、憶えた
宇宙の愛

それが、私の知るあなたで、
私が私に見た君です


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