レバークーゼンを分析! ~CLで結果を残すことはできるのか?~
分析に至った経緯
レバークーゼンは今季、2016-17シーズンぶりにチャンピオンズリーグに出場している。そして、グループDに入った。グループDには、ユベントス、アトレティコマドリードというヨーロッパ屈指の強豪が2チーム入っている。この2チームを退け、決勝ラウンドに進む程の力がレバークーゼンにはあるのか見極めたかったので今回分析した。
今回分析したのは、CLグループステージ第一節の'ロコモティアモスクワ'戦。結果は1-2と、ホームゲームでありながら格下に敗北を喫した。
スタメン
ポゼッション型のチームである。
《オフェンス》
・上の図のようなポジション取りをする。
・基本、ビルドアップは、CB・SBの4人で行い、相
手がプレスをかけてきたら、バウムガルトリンガ
ーが2CBこ間におりてきて、ビルドアップを助け
る。
・ハフェルツ, アランギスがライン間にポジショニ
ングし、パスを受け、他の選手に預けると、トレ
ーラーゾーンに走り込み、擬似的な4トップを形
成する。(ハフェルツは特に飛び出しが多い)
・上のメンバーの場合、左サイドから組み立てる事
が多い
・フォラント,ハフェルツをターゲットとした、サ
イドからのクロスも多い。
この試合は、ベイリーが微妙(ドリブルでの仕掛け少ない、裏抜けしない)だったので、後半からはアラリオを入れ、システムも変更。
(ベイリー:ドリブラー, アラリオ:長身のCF)
・ビルドアップのやり方は変わらない。
・アラリオを入れたことで、長身の選手が31、13、
29の3人になり、その選手たちをボックス内に侵
入させるので、サイドからのクロスによる、ヘデ
ィングのゴールの確率が高まる。
・このメンバーでは、右サイドからのクロスにヘデ
ィングで合わせるという攻撃がほとんど。
[問題点]
・相手は1トップなので、相手MFラインの手前まで
は、広大なスペースがあるのだが、CBがそのスペ
ースに、持ち上がって侵入する回数が少ない。
・S.ベンダーが楔のパスを全くしない。
・WG(特にベイリー)が、裏抜けなどの、オブザボー
ルでの動きが少ない。
・中央から崩す意識が強く、中央ばかりで攻撃を
しようとしていて攻撃が行き詰まることがとても
多い。この状況を、中央に相手を意識付けさせて
から、空いたサイドのスペースにボールを振る
という風な攻撃パターンを決めてあげていれば、
サイドからのクロスの型にもっていきやすい。
(アランギスは、正確なサイドへのロングボール
を何度も通していた。しかし、これはアドリブ)
《ディフェンス》
4-4-2で守る。
[問題点]
・2CBがどちらとも、小柄なドリブラータイプの選
手への対応が苦手。
・チーム全体として、積極的に自分の持ち場を離れ
てプレスに行き、プレスした分、自分の持ち場に
スペースをつくることが多いのだが、その空いた
スペースを誰がカバーするのかという決め事がチ
ームにない。
⇒相手が、流動的に動いてスペースを作り、でき
たスペースを他の選手が使うことが出来る
強豪との対戦だと、プレスしても簡単に前線に
まで、ボールを運ばれるだろう。
・この試合での失点全てが単純なパスミスが原因。
【敗因と、今後のCLでの戦いぶりの予想】
ミスで2失点したのはやはり大きな要因。しかし、ボールを支配してはいたが、相手のブロックの外で回している時間帯が前後半長く、攻撃が行き詰まり、チャンスをあまり作り出せなかったことも大きく絡んでいるので、「ミスが痛かった」で済ますことはできない。
このままのチーム状況ならば、グループステージを突破することは、ほぼ不可能だろう。ユベントスやアトレティコマドリードは、確実にレバークーゼンの問題点の箇所をついてくる。また、守備組織も段違いのレベルで仕込んである。
まあ、戦術云々の前に、選手個人の能力の差がありすぎるので、レバークーゼンのファンの方々には申し訳ないが、ほぼ100%の確率でユベントスとアトレティコが決勝トーナメントに駒を進めるだろう。
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