新しいチャットGPTの登場が教育の本質を問いかける


近年、AI技術の発展は目覚ましく、教育分野にも大きな影響を与え始めています。特に、対話型AIであるチャットGPTの登場は、教育のあり方そのものを大きく変革する可能性を秘めています。

先日、私も実際に新しいチャットGPTを試してみました。ある試験問題のPDFを読み込ませ、解説を求めてみたところ、驚くべきことに私が授業で行うような丁寧かつ詳細な解説が返ってきたのです。さらに、問3について特に詳しく知りたいと伝えると、その問題だけに絞った詳細な解説を提供してくれたのです。

この体験を通して、教育における教師の役割について改めて考えさせられました。従来の教育では、教師が知識を一方的に伝授し、生徒はそれを忠実に記憶・実行することが求められてきました。しかし、チャットGPTのようなAIがここまで進化してしまうと、単に知識を伝えるだけの教師の役割はAIに取って代わられる可能性があります。

では、これからの教育において教師にとって重要な能力とは何なのでしょうか?

私は、AIにはない「自ら問いを立てる能力」こそが、生徒にとって最も重要な能力であり、それを育むことが教師の役割であると考えています。

チャットGPTは、与えられた質問に対して的確な回答を提供することはできますが、自ら新たな問いを生み出すことはできません。一方、人間は、与えられた情報だけでなく、自身の経験や思考に基づいて新たな問いを生み出すことができます。これは、問題解決能力や創造性といった、人生において不可欠な能力を育む土台となります。

教師は、生徒が自ら問いを立てることができるよう、主体的な学びを促す環境作りや、生徒の思考を深めるような質問投げかけを行うことが重要になります。また、AIを活用して生徒一人ひとりに最適な学習を提供したり、教務作業を効率化することで、より質の高い教育を提供できるようになるでしょう。

新しいチャットGPTの登場は、教育現場に大きな変革をもたらす可能性を秘めています。教師は、この変化を前向きに捉え、AIを有効活用しながら、生徒一人ひとりの「自ら問いを立てる能力」を育む教育を目指していく必要があるでしょう。

…それが難しい。

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