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100人いれば100とおり。ならし保育STORY。

前回は慣らし保育についてお話しました。
今日は、保育園での慣らし保育エピソードをいくつかご紹介したいと思います。

まずは私の自己紹介から。
私は、保育園の園長をしています。
まだまだ未熟ですが、私の経験を元に保育に関するブログを発信しています。
少しでも読者の皆様の育児や保育園生活、未来を楽しむための参考になれば嬉しいです。

では、お話のはじまりはじまり〜。

story①  泣いて泣いて泣き続けて…終わりが見えない1ヶ月。

7ヶ月の赤ちゃん。

この子はたとえ家族であってもパパであっても人見知りをします。
ママ以外に抱っこされると大泣き、ミルクもママ以外では飲みません。
そんなこんなで、慣らし保育初日。

預かる2時間ほどの間、ずっとずっと泣き叫んでいました。

おんぶもダメ。

抱っこもダメ。

ラックもダメ。 

おもちゃもダメ。

そして、お迎え。

「元気よく泣いていましたよー!」
初日ではよくあることなんで、まだまだ余裕の私たち。

が、

次の日も

その次の日も

その次の日も

その次の日も

毎日同じ状態の赤ちゃん。

2週間以上は離乳食を食べずに2時間程度のお預かりでお迎えに来てもらったと思います。

私たちも先が見えずに何度も何度も作戦会議を繰り返します。
そう!ここが私たちの腕の見せ所。

なんとなーーく、その子の特性がわかってきます。

音楽の近くで抱っこすると泣き止むこと。
噛む玩具が好きで、渡すと少し落ち着くこと。

朝は泣いてきますが、少しずつ保育室で遊ぶ時間が増えてきたり、ラックに揺られながら朝寝をすることも。

いよいよ、離乳食開始。

初期食です。

ママからは「食いしん坊」だと聞いていましたが…

エプロンつけられて大泣き。
離乳食を見て大泣き。
体を反り返って大泣き。

食べません。

離乳食を食べないのならせめてミルクだけでも。

と、ミルクを飲ませますが大泣きで全力の拒否!!

お口をかたーーく閉じています。

そんな日が続き…

離乳食もミルクも飲まなかったら、一日の預かりは難しい。

そろそろ慣らし保育延長を保護者に相談しないといけないかなぁと考えていた矢先

なんと!!
ミルクを飲みました!!!!

どうやって飲ませたと思いますか?

まず抱っこをして歌を歌います。
そして、抱っこをしたままゆらーりゆらーり。
ダンスのように、お部屋の隅々まで移動しながら舞います。
片手は赤ちゃん。
もう一つの腕は赤ちゃんを支えながら哺乳瓶です。

ちょっと大袈裟なゆらりゆらりがお好みなのか、ゆらりゆらりに惑わされているだけなのか、ミルクを飲んで気持ちよさそうに目をつぶります。

やったーーーーー!!
みんなで大喜びです。

この方法を発見した先生、奇跡です!

そして、この方法を引き継いだ私は毎日汗だくです。筋肉痛です。笑

そんなこんなで
離乳食も一口ぺろっと口につくと、

舐め舐め。

まだまだ泣きは絶好調ですが、
少しずつ食べられるようになりました。

なんとかママの職場復帰までに慣らし保育を終えることが出来ました。

そして、その子の今といえば

めちゃくちゃよく食べます!!
食事に心配全くなし。

ただ、やっぱり人見知りはありますね。笑

story② ドアの前から動かない!保育園なんかであそぶもんか!!


次は1歳児クラスのお友達。

泣いて泣いて泣き叫びます。
なんとかママと離れてお部屋に入ります。

お部屋にはおもちゃがたくさんあります。

他のお友達は楽しそうに遊んでいます。

その子はおもちゃなんかまったく興味なし。

保育室のドアの前で、保育園中に聞こえる声で泣き続けています。

「ママ迎えにきて」
「ママどこ?」
「ここにいたくない!」
「絶対楽しくなんかないんだから!」

という心の声が泣き声から伝わります。

抱っこもさせてくれません。

3日くらいはこんな日が続いたでしょうか。

ひたすらドアの前で泣き続けていました。

でも、さすが1歳児。

慣れるものです。

もうどうにもならないことに気づいたのかもしれません。

なんだか、楽しい場所かもしれないと思い始めたのかもしれません。

先生たちが優しいことに気づいたのかもしれません。

保育園と私たちを受け入れてくれました。

そして予定通り、慣らし保育は無事終わることができました。

そんなその子は、頑固で真面目なお姉さんになりました。


story③  極度の人見知り&場所見知り&食見知り!

次は2歳児ちゃんのお話。
入園前の面談の時も、極度の人見知りがあることは聞いていました。

でもこの2歳児ちゃんは違う保育園からの転園でした。

なので、まさかここまでとは思っておらず…

予想を遥かに超えました。

泣いて泣いて泣き続けるのは当たり前。

でも、私たちを拒否するわけではありません。

「おいで」
と言えば来てくれます。
ぎゅーっとすれば落ち着きます。

でもだいたい1日中泣いています。

落ち着いたかと思っても活動が変わるたびに、その度に泣き始めます。

この2歳児ちゃんのママは、仕事はしている状態です。転園ですからね。
慣らし保育を長々とやってる場合ではないのですが…

給食。

もちろん、食べません。

泣いて泣いて

牛乳もなにもかも一口も食べません。
飲みません。

こんなに泣いていると、
他のお友達がその子のことが気になって給食が進まなかったり、楽しくなかったり…と周りに影響が出てしまうので
私と一緒に個別に食べます。

少しずつ。

今日は一口。

次は二口。

少しずつ食べるようになります。

1ヶ月くらいは個別に食べたのではないでしょうか。

そのあとは他のお友達と一緒に食べられるようになりました。

そんな2歳児ちゃんの2年後は…

給食には相変わらず時間がかかりますが
完食できるようになりました。

活動中も泣くことなんてほとんどありません。

一丁前にお友達とケンカなんかもしたり、
小さい子の面倒を見たり、

クリスマス会や運動会も、笑顔で参加できるようになりました。

ただ、ママのお迎えじゃない時は泣きます…

パパでも泣きます。笑

人見知り&場所見知りの克服はまだまだ道のりが長そうです。


おわりに。


今日はこの3つのお話でおしまい。
いかがでしたか?
みんなそれぞれ慣れ方が違いますよね。
これも子どもの個性の発見に繋がります。
そして、
初めて保育園と家庭で成長の喜びを共有できる大事なステップです。

慣らし保育は
子どもも親も保育園もみんな大変だと思いますが、
その先には笑顔で保育園を楽しむ子どもの姿が待っています。
一緒に乗り越えていきましょうね。

それではまた、次のお話でお会いしましょう。




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