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ジャカルタのナイトライフは想像以上に『最&高』(インドネシア映画『夜明けを待ちながら』の感想)

この映画の主人公たちは、Djakarta Warehouse Project(略してDWP)というEDM系のダンスイベントに向かう若者たち。
ちなみにDWPは日本で例えるならウルトラジャパンみたいな感じで、若者たちは「退屈な日常を覆すようなハレのイベント」に心踊らせる。

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男友達で、ダンス踊りながらテンション爆上げで女の子に声かけようぜ!という野郎どもや、友達の元カノをDWPに誘おうか逡巡する青年など、みんなが様々な想いでDWPへ向かう様子がなんかとてもエモい。「あの子に声かけちゃえよー!」と周りがはやし立てるシーンや、酔っ払いすぎて友達を介抱する場面は、日本の高校生や大学生のそれと全く変わらない。そっかジャカルタの若い人も、青春してるんだな。

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さらに、クスリを売買する悪者DJ(主人公のツレの女の子の元カレ)が登場して、主人公たちを脅かすからさあ大変。
そしてストーリーの本舞台であるDWPでは、蛍光色まみれではしゃぐイベントの群衆や、高揚感溢れるエレクトロ音楽で、大盛り上がり。
心臓の鼓動みたいにどんどん早くなる音楽のビートに身を委ね、両手を挙げて飛び跳ねるジャカルタの男女を見ていると「これは永遠に匹敵する一瞬じゃないか(最高かよ!」って叫びたくなってしまう。
でも、楽しい夜はあっと言う間にすぎて、祭りの後には不必要な争いや不本意な失恋だけが残る。夢みたいだった夜は明け、多幸感と疲労感でぐったりの心と体を引きずって、彼はどんな朝を迎えるのだろうか。

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誰がみても分かりやすいストーリーで、かなりエンターテインメント性が強い作品。そしてインドネシアならではの土着の文化や宗教性が一切ないため、鑑賞者を選ばない。何よりこの作品を見終わった後「知ってた?ジャカルタのナイトライフって、すんごいイケてんだよ?」って周りに自慢したくなる作品だった。

【予告動画はこちら】 

https://youtu.be/w1Gl46kcTmM