iOS_の画像

もっと大きなメガホンが欲しくて。

2度めまして。リブセンスのオウンドメディアで細々といろんな記事を書いています、みなみです。
日頃文章を書いていて、ときどき自信がなくなることがあります。その原因は、自分が伝えたいことって、ちゃんと読み手に伝わっているの?という不安です。SEO記事ライターとして私はまだ0.5年生(=半年)なので、今はまだ実績らしいものを残せるフェーズではないのかもしれません。でも、自分が担当した記事が思うように検索順位を伸ばせていない現状を見ると、どうしても気持ちは焦ってしまいます。

言葉の精度を高めたい、というよりもっと伝わる言葉を生み出せるようになりたい。

そう思って、電通でコピーライターをされている阿部広太郎主催の「言葉の企画」に参加することを決めました。

半年をかけて6回行われるこの講座ですが、先週土曜日(5月18日)が栄えある第一回。
緊張する気持ちを抑えながら、みなとみらいにあるBUKATSUDOに向かいました。

当日阿部さんが用意してくださったパワーポイントのスライド数は100枚を優に超えていたそうです(すごい熱量!)。ここでは私が感動したことを、かいつまんでご紹介します。
※リブセンスの皆様にとって、この記事が言葉や企画を生み出す際の一助になれればいいなぁ。

伝わるってどういうこと?

私たちは参加前に「伝わることを念頭にして“自己紹介”の1スライド」を作成するよう宿題が出されていました。当日は70名を超える参加者全員分の自己紹介を読むのですが、これが結構なボリューム!膨大な自己紹介の中から「伝わる自己紹介」を生み出す難しさを痛感しました。

阿部さん曰く「“伝わる“ということに対して、自分なりの定義を持つ必要がある」とのこと。そんな阿部さんにとって「伝わる = 思い出せる」とおっしゃっていました。そして、諳んじられたり口ずさめるような「短くて強い言葉」であるかが重要とのこと。しかし「短くて強い言葉」を生み出すのが、なかなか難しいのが現状です。

かのスティーブ・ジョブスもこんな言葉を残しています。

シンプルであることは、複雑であることよりもむずかしいときがある。
物事をシンプルにするためには、懸命に努力して思考を明瞭にしなければならないからだ。
だが、それだけの価値はある。
なぜなら、ひとたびそこに到達できれば、山をも動かせるからだ。

思い出せるってどういうこと?

※私が企画したものの、秒で選考から外れた企画書の抜粋

「伝わる = 思い出せる」を体験するために、講義中にあるワークショップを行いました。ここで、2つ目の宿題の登場です。私たちは「講義内にできる“一生忘れない経験”を企画して、それを企画書に落とし込む」という事前課題に取り組んでいました。

当日は、お互いの企画書を持ち寄り、プレゼン大会。良いと思った企画を選び、さらに全員で投票しました。

※うちの班はみんなで遠足に行こう!という企画を採決しました。

ちなみに私が一生懸命書いた企画書は、第一選考に引っかかることなくあっさり落選してしまいました。いや〜、結構自信あったから、正直悔しかったなぁ。でも、唇を噛んでいるだけでは前に進めないので、どんな企画書が決勝に残っていたがについて自分なりに考えてみました。思うに選ばれた企画書には2つの特徴があったのではないかと思います。

1つ目は"思い出せる"ということに対して、自分なりに突き詰めて考えられていること。例えば大学受験合格などの成功体験や、大きな失恋などの失敗経験などの実体験から「自分はどんなイベントが心に刻まれているか」をきちんと説明できている企画書はとにかく強いと感じました。

そして2つ目はわくわくするようなクリエイティブジャンプができていること。カフェをやろう!言葉の日を作ろう!など、色々と楽しい企画がたくさん持ち寄られていました。個人的には、遠足に行こう!ダルマさんが転んだをしよう!タイムカプセルを作ろう!など学生時代に多くの人が経験したことを企画する案が多くの票を集めていたように思います。

よい企画ってどんなもの?

※各企画を品評する阿部さん

阿部さん自身も、企画を立てる時にはまずはじめに「そもそも議題になっていることはなんだっけ?」と問いを立てることから始めるそうです。今回の場合なら「記憶に残るってそもそもどういうこと?」というのが正しい問いの立て方。なぜ分かりきっていることを敢えて考え直すかと言えば、それは意識よりも無意識(=潜在意識)の方が圧倒的に大きいと言われているからです。

自分にとって、みんなにとって当たり前だと思っていることでも、そもそもどういうことだっけ?と問い直すことによって、今まで光が当てられてこなかった発見をすることができるとのことでした。具体的にいうと「〇〇といえば、〇〇だ!」というような枕詞を疑うことだって、大きなヒントを掴む糸口になります。漠然として無意識を、いかに意識のレベルまで引っ張ってこれるか。それが企画を成功させるカギなのだそうです。

私は大きなメガホンがほしい

ここまでのまとめ:
伝わる言葉は、覚えやすいくらい短くて強い言葉がいい
忘れない経験の企画は、自分なりの深掘りとわくわくするクリエイティブジャンプが出来ていると、強い共感を呼べる内容になる
企画を考えるときは、「そもそもこれって何だっけ?」という当たり前を改めて問い直すことが大事

2時間の講座はあっという間に過ぎました。当日参加してびっくりしたのは、阿部さんの言葉の強さです。言葉の企画の参加者は、開始30分前から集まる程前のめりな人が多いので、PCやノートに一生懸命メモを取ったり、気になるスライドをスマホでパシャパシャ撮ったりと、みんな阿部さんの話を余すことなく吸収しようとしている様子でした。印象的だったのは、阿部さんがキャッチーな何かを言う度に、Macbookでタイピングする音がカタカタっ!!と急に増すことです(みんなメモを取るのに必死ですよね、私も同じでした)。

それもそのはず。だって阿部さんの言葉には、まるで大きなメガホンを通して私たち参加者の心に直接訴えかけてくる強さがあったから。
そこでふと気づいたことがあったんです。twitterで自分が面白いと思ったことを呟いても「いいね!」が付かなかったり、担当した記事があまりシェアされなかったりなど不甲斐ない自分をを振り返ると、きっとあの時は小さなメガホンで訴えかけている程度の言葉しか生み出せていなかったんだなと。

「この講座を通じて、特別な何かになろうとしている人がいるなら、まず断っておきます。自分ではない何者かになんて、なれません。あなたが100%あなたになる、そのための言葉の企画だと思ってください」

阿部さんが講義の冒頭に、こうおっしゃっていたのが印象的です。じゃあ自分はこの講座を通じてどんな自分になりたいかと考えた時に、ふと思いついたのが、「大きなメガホンで訴えかけるような強い言葉を生み出せる自分」でした。だけど強い言葉って何?そもそも自分にそんな技量はあるの?など、課題は山積みで前途多難です。だけど、改善できる要素が多い分、きっと成長の伸びしろが大きいぞ!と思って、半年かけて自分の言葉磨きに精進したいと思いました。

=======(ここからおまけ)=======
せっかくみんなが集まった講義第一回目!ということで、みんなで記念写真を撮影しました。

※集合写真を撮影される側から撮影してみました。

そしてその後、各々が持ってきた昼食を広げてみんなでランチしました。阿部さんは横浜名物「崎陽軒のシュウマイ弁当」をご賞味。それに感化されて、結構な人数の方々がシュウマイ弁当を持ってきていました。他県の人に横浜の味を楽しんでもらえて、神奈川県出身(川崎市生まれですけど)の私としては嬉しい悲鳴です。

※みなさん完食するのが早い!本当に嬉しいです。

ちなみに余談ですが、崎陽軒に馴染み深い横浜市民は、シュウマイ弁当はどのおかずから食べるかについて、結構真剣に議論します。あんずは最後のお楽しみに取っておくという回答も結構多いんですよ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?