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お爺さん(74歳)の思い出 その31 稲の収穫

秋は、稲の収穫で忙しくなります。お天気を気にしながら、刈り取り、かけ干し、脱穀、乾燥、精米、供出と続きます。

まず、稲刈りです。当時は手で鎌を使って刈り取っていました。朝早くまだ夜露が稲穂に残っている、肌寒い時間から刈り取りを始めます。手で刈り取った稲を束ねます。束ねるのは藁です。前年の藁を綺麗に、揃えて束ねる用に使います。

次に、かけ干しです。田んぼの中に竹竿を持ち込み、稲をかける柵をつくります。そこに、先に刈り取った稲をかけて行きます。その時に、束ねたことが役立ちます。束ねた稲を二つに分けて、竹竿をまたがせてかけるのです。逆さ(稲穂を下にする)にして、竿にかけり事により、乾燥させると同時に、養分を穂に集められると考えていたようです。
後に(昭和40年代始め)に、稲刈り機が登場します。

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一定期間経ったら、今度は脱穀です。昭和30年代始めまでは、足踏みの脱穀機でした。一束ずつ手で持って、脱穀機を足で踏んで回しながら、脱穀をします。次は、脱穀した籾を「とうみ」を使って選別します。「とうみ」は手で回しながら、風を送り籾と藁カスとを選別する道具です。これは風の加減が難しかったきおくがあります。

次に、籾を「かます」に詰めて、家まで運びます。この運びは牛を使います。牛の背中に鞍を置いて、そこに「かます」に入れた籾を、括り付けて運ぶのです。牛の背中に「うせる」(背中に乗せること)のが、また大変な苦労でした。牛の両側に一俵ずつ計二俵「うせる」のですが、片方を「うせて」もう片方を「うせる」まで、バランスが取れなくて、支えが入ります。力仕事(籾一俵が50〜60kg)です。

今日はこれまでです。

最後までお付き合い頂きありがとうございました。

続きもよろしくお願いします。

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