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POLYMEGA ファームウェアv1.1.32についての考察【※アップデート前】

■はじめに

本記事は、公式サイトより2024年11月2日に掲載された、POLYMEGAのファームウェアv1.1.32についての考察記事じゃ。
実際のアップデート前のあくまで推測による内容なので、実際のアップデート内容と相違があってもご容赦いただけると幸いじゃ。


■POLYMEGAとは?

POLYMEGAは、米国のplaymaji社より2021年9月に発売されたマルチレトロゲーム互換機じゃ。
ベースユニット本体で、PCエンジンCD-ROM²・メガCD・ネオジオCD・セガサターン・プレイステーションのCD系ゲームに対応し、各タイトルをインストールしてプレイすることができる。
ステートセーブ&ロード倍速機能、ディスプレイフィルタなどにも対応し、すべてのタイトルに互換性があるわけではないが、ハイブリッドエミュレーションにより90%以上の互換性を実現している。
レトロフリークのCD版と思えばよい。
画期的なのは各メーカーの著作権にも配慮し、独自開発のBIOSを搭載することで、CD系レトロゲームをエミュレータで遊ぶ場合のハードルの一つである「実機からBIOSを吸い出さないといけない」という問題をクリアしていることじゃ。
外部のROMデータには対応せず、あくまで現物からのインストールが必要だったり、インストールしたゲームデータは他のPOLYMEGAでは実行できないよう暗号化してあるなど、エミュレータによくあるコピー問題にも対処している。
また、別売のエレメントモジュールを接続することで、カートリッジ形式のゲーム機にも対応しているのじゃ。
今のところ、ファミコン・スーパーファミコン・メガドライブ・PCエンジン・ニンテンドウ64に対応したモジュールが発売されており、それぞれのモジュールには実機のコントローラを接続できる端子も付いている。
詳しくは、公式サイトを以下の紹介動画をご覧いただきたい。

■Polymegaコレクション

今回のニュースの大きなポイントは、「Polymegaコレクション」のリリースじゃ。
これはいくつかのレトロゲームをあるテーマに沿ってまとめたものを物理メディアで販売するというものらしい。
DVDメディアの他、実機で動作するボーナスディスクも含まれているとのことじゃ。
また、収録されるゲームには、現在のPOLYMEGAでは対応していないフォーマットであるアーケード版やファミコンディスク版、lynx版も入っていることから、各ゲーム毎にチューニングされたエミュレーターも収録されているのではないかと思われるのじゃ。
これは、ある意味、頭のいいやり方じゃな。
他のフォーマットのように、例えばLYNXのタイトルすべてに対応させるとなると、検証含めてかなり大変な作業になるが、個別のタイトルのみであればそれほど時間もかからず、互換性も担保できるわけじゃ。

また、専用のイマーシブモードというのも用意されるらしい。
これは、筐体やゲーム機をイメージしたスキンのようなもので、単純に平面だけでなく、拡大や回転、傾けたりということもできるようじゃ。
より実機を触っているような没入感、つまりイマーシブなゲーム体験ができるわけじゃな。
これもPolymegaコレクションに収録されたタイトル限定の機能のようじゃ。

他にも、ステッカーやビジュアルガイド、オリジナル背表紙など物理メディアならではの特典も付いて、まさにコレクションというものになっている。
今回は、atari系のタイトルをまとめたVol.1 「ASTEROIDS」と、空手道にファイターズヒストリーなどデータイーストの格闘ゲームをまとめたVol.2「karate champ」の2つがリリースされたが、今後数ヶ月の間に数十本のゲームを制作する予定とのことじゃ。
まあ、POLYMEGA公式の予定はあまり当てにならないのは有名じゃが、継続的に販売していくつもりはあるらしい。

■POLYMEGAコレクションVol.1「ASTEROIDS」
・収録タイトル
orbit(アーケード)
gravitar(アーケード・atari2600) 
lunarlander(アーケード)
steroids(アーケード・atari2600・atari7800)
steroidsdeluxe(アーケード)
supersteroids & missilecommand(LYNX)
spaceduel(アーケード)

・同梱物
Polymega ゲームDVD
ビジュアルコンパニオン
コントローラーリファレンス
帯背表紙カード(FR、JP)
Polymega コレクションステッカー
ASTEROIDS xPolymega コレクションピン(在庫限り)

https://polymega.com/products/polymega-collection-cd-asteroids

■POLYMEGAコレクションVol.2「KARATE CHAMP」
・収録タイトル
karate champ(空手道)(アーケード・ファミコン・ディスクシステム) karate champ pvp (アーケード)
ファイターズヒストリー(アーケード・スーパーファミコン)
ファイターズヒストリー・ダイナマイト(アーケード・AES・ネオジオCD・セガサターン)

・同梱物
Polymega ゲーム DVD
ファイターズヒストリー・ダイナマイト (ネオジオCDディスク)
ビジュアルコンパニオン
コントローラーリファレンス
帯付き背表紙カード(FR、JP)
Polymega コレクションステッカー
KARATE CHAMP × Polymega® Collection Pin(在庫限り)

https://polymega.com/products/polymega%C2%AE-collection-vol-2-karate-champ%E2%84%A2

ソフトウェア、しかも物理メディアの販売というのは、今までPOLYMEGAというハードウェアを扱ってきたことを考えると、意外に感じる人もいるかもしれないが、個人的にはビジネス上、ありうることだと思うのじゃ。
ソニーや任天堂と違い、レトロゲームの互換機ビジネスは、いくらハードが売れても、ソフトウェアの利益は1円も入らない。あくまで中古市場が賑わうだけじゃ。
ゲーム市場全体からすればレトロゲーム互換機の市場など微々たるもので、今後在庫は増えることなく物理的には減少するだけの市場でビジネスを継続していくことは難しい
やはり、継続的にゲームソフトが売れるプラットフォームに育てる必要がある。
そのほうが、本来のメーカーにも利益が入るし、健全な仕組みだと思うのじゃよ。
賛否両論あると思うが、POLYMEGA実際のカートリッジやCDも使えて、オンラインなどで買うこともできる、レトロゲームのプラットフォームになることは、メーカーにとっても良いことだと思うのじゃ。

■アップデートV1.1.32の概要

・マルチデプススキャンラインモード、改良されたコンポジットフィルター、新しいRFモードと白黒モードなど、新しく改良されたバーチャルディスプレイフィルター。
・何百もの新しいAtari 2600とAtari 7800のゲームがPolymega データベースに追加され、来るべきAtari Pro Module(詳細は近日公開)のリリースに備えることができます。
・以前のアップデートで削除されたPM01のオリジナルパックインゲームのほとんどを永久に復元できるようになりました。
・遅延問題、不要なノイズ効果などのバグ修正!

https://polymega.com/blogs/system-software-updates/system-software-update-1-1-32-preview

今回の告知では、Polymegaコレクションに対する対応の他に、上記のようなアップデート項目が発表されているのじゃ。

●仮想ディスプレイ機能の追加

まず、POLYMEGAの特徴であるディスプレイフィルタ、「仮想ディスプレイ」機能に、いくつかの新機能が追加されるようじゃ。
コンポジットフィルタの改良の他に、「RFモード」と「白黒モード」とある。
白黒モード」はなんとなくわかるとして、「RFモード」というのが気になるな。
これは、もしかしてコンポジットよりさらに粗い「RFアンテナ」での接続をイメージしたフィルタなんじゃろうか。
かなりマニアックだが、それはそれで興味深いな。
また、「マルチデプススキャンラインモード」というのが追加されるようだが、これの詳細が不明じゃ。
スキャンラインとあるので、走査線のようなエフェクトの反映具合を変更できるものかもしれないな。
何にしても、より実機のアナログディスプレイっぽい画質でプレイしたい人には、嬉しい機能だと思うのじゃよ。

■データベースにAtari 2600とAtari 7800のゲームが追加

これは、先日POLYMEGAAtariが資本提携したときにも発表されていた内容じゃな。
Atari 2600Atari 7800に対応したモジュールが発売されるということだったので、それに向けての対応ということじゃろう。
データベースに追加されるということは、モジュールの販売も近いのかもしれない。
これに関連して、もうひとつ気になるのは、将来的にはAtari VCSにもPOLYMEGA appの機能が追加されるという発表が当時あったことじゃな。
つまり、モジュールこそ接続できないものの、atari VCSをPOLYMEGAとして使用できるようになるということじゃ。
POLYMEGA appではクラウド上にゲームデータも保存できるという話だったので、POLYMEGA本体が壊れた場合もatari VCSをバックアップとして使うこともできるのかもしれないな。
まあ、あくまで将来的に、という話じゃな。

■プリインストールタイトルの復元

元々POLYMEGAには初期特典としてプレイステーションやスーパーファミコン、メガドライブ用のタイトルがいくつかプリインストールされていたのじゃが、ライセンスの契約が切れたのか、前回のV1.1.31の際にいきなり削除されてしまった。
何の事前アナウンスもなかったこともあって抗議が殺到したようで、今回復活させることになったらしい。
ただし、あくまで初期特典ということで、今後POLYMEGA appがリリースされた以降の本体にはプリインストールされないという話じゃ。
まあ、あくまで初期特典のおまけだし、わし個人としては自分が所持していないタイトルがデータベースにあるのもちょっとモヤモヤしていたので、わりとどうでもよかったりする。
ただ、「ほとんどが復旧」というのが気になるな。
いくつか復活できなかったタイトルがあるということじゃろうか。

■遅延問題、不要なノイズ効果などのバグ修正

これも前回のv1.1.31より発生した問題だが、Wifiを繋いでいたりメニュー画面でBGMをオンにしていると動作が遅延したり、本体がフリーズするなどの不具合が発生することがあるらしい。
これは個体差があるようで、人によって症状の重さが違っていたり、わしのようにまったく起きていない場合もある。
何にしても、公式側で不具合と認めていたので、これが修正されるのであればよいことじゃ。
また、同様に、スーパーファミコンのエミュレータに不具合が発生したらしく、時々画面にノイズが出ることがあり、これもおそらくバグとして修正されるのではないかと思われる。

多くの人が期待している、データベースの間違いや不具合で動作しないタイトルの修正などは、おそらく今回も望みは薄いとわしは思っているのじゃ。
実はわしもけっこう公式に不具合タイトルの報告をしているのじゃが、ここ数年ほとんど修正されないので、たぶん現時点ではあまりデータベースの修正についてはやる気がないような気がする。
おそらく「90%以上のタイトルは対応しているし、データベースにないタイトルも拡張インストールできるようにしたし、それでも動かないのは実機BIOSで動かせばいいじゃん。それより新しい機能のほうが優先だよ」というくらいに思っていそうなんじゃよね(偏見)。

あとは、内部的には、Polymegaコレクションに対応するため、アーケードやLYNXに対応するエミュレータのアップデートか、もしくは個別のエミュレータ込みのゲームデータを起動するための機能なども追加されるのではと思うのじゃよ。

■最後に

また、アップデートの際には内蔵ストレージに一定の容量が必要なのじゃが、ここにはステートセーブのデータなどが保存されるため、人によってはもう容量に空きがない状況も発生している。
内蔵ストレージの管理機能が無いため、いらないデータを削除しようにもできないという有り様じゃ。
本体を初期化しないとアップデートができない、などということになるのは最悪なので、このあたりの対策もなんとかしてほしいところじゃな。

まあ、年末にはライトガンも発送予定ということで、おそらくその時期にはまた大型のアップデートがあると思われる。
セーブデータまわりの仕様変更など、いろいろと計画していることはあるようなので、引き続き長い目でPOLYMEGAを見守っていくのじゃ。

…ところで、このv1.1.32のアップデートはいつなんじゃろうか。
すぐにも、と書いているのじゃが、POLYMEGAの「SOON」ほど当てにならないものはないんじゃよな。


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