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#9|「リビセンみたいなおみせやるぞスクール」に参加して

2023年10月13〜15日の3日間、長野県諏訪にある“ReBuilding Center Japan(リビルディングセンタージャパン、通称:リビセン)”で開かれた
「リビセンみたいなおみせやるぞスクール」に参加してきました。

名前もそのままに“リビセンみたいなお店”を作りたい人向けに開かれたスクールです。

この記事では、このスクールを通して学んだこと、今後の展望について書きました。

とても長い記事ですが、サウナに入ったような熱い熱い3日間を過ごし、今ようやくクールダウンしてととのった感覚で、想いが溢れてしまいました。

このスクールに興味があった方、福岡・田川でこんなことをしようとしてるヤツがいるよ、というアピールになればと思いますので、良ければお読み下さい。


そもそもリビセンとは?

まずリビルディングセンタージャパン(以後、リビセン)とは何なのか。

リノベーション・建築関係では知らない人がいないほど有名な長野県諏訪市にある、古材と古道具を販売する建築建材のリサイクルショップです。

リサイクルショップと聞くと不用品や家具家電を雑多に集めた空間をイメージしますが、全く異なります。

そもそも回収(レスキュー)しているものが、
家屋や工場の解体、お片付けで行き場を失った“古材”“古道具”がメインなので、お店の中はさながら古道具店やアンティークショップの様相を呈しています。

『REBUILDING NEW CULTURE』を理念に、
「もったいない」の価値化・可視化をし国内の古材をレスキューし循環させることで、ゴミや輸送コストを減らし、環境負荷を減らすことを目的としています。

さらにカフェやギャラリーを併設し、定期的にDIYスクールも開催している
施設です。

魅力の一つとして古道具店としての魅力もありますが、
もう一つリビセンを運営する“東野夫妻”の存在があります。

右:代表・東野唯史さん、左:華南子さん

東野唯史(あずの・ただふみ)さんは、代表を務めながら店舗のデザイン・施工・運営アドバイスを行っています。
奥さんの華南子(かなこ)さんは、広報、イベント企画、カフェ調理などあらゆる業務を担当して、ご夫婦2人でこのリビセンを運営しています。

何よりこのお二人が全く違う能力・才能をお持ちで、
完璧なコンビネーションのもとリビセンが存在しています。

そのリビセンが今回は、門戸を開きノウハウを公開してくれると言うので
飛びついたと言う次第でした。

「リビセンみたいなおみせやるぞスクール」とは?

「リビセンみたいなおみせやるぞスクール」とは
なんなのか?
その真髄を公式の投稿でこのように説明してくれています。

これまでの7年間、
「自分たちのまちにリビセンみたいなおみせが欲しい」
「地元でリビセンみたいなおみせをやりたい!」
という声を、本当にたくさん、月に5〜10件くらいのペースでいただいてきました。

サポーターズに来てくださるかたもいれば、メールで問い合わせをくださるかた、視察に来てくださるかた…

お話を聞いたりお伝えしたりすればするほど感じたのは、
「リビセンみたいなおみせ」をそのままやるよりいい方法があるのでは?ということ。
移住者の私たちにはできないけど地元だからできる動きや、
大工や木工所の後継、飲食店経営者などそれぞれのバックグランド、
交通の利便性やや観光資源など周辺環境も含めた土地の特性、
それらがあるからできる形がきっとある!ということ。

そんなひとりひとりの状況や環境に合わせた「リビセンみたいなおみせ」のサポートや、
連携できるくらいの距離感で同じような思いを持っているひと同士を繋げたりできたらと思っています。

この7年で私たちが右往左往しながら構築した古材や古道具のレスキュー方法や掃除方法に管理方法、店頭へ出すまでのフロー。
地域とのつながりの作り方や、自分たちの得意の活かし方…
そんなことを、ぜーんぶ惜しみなく誰かに伝える機会にしたい。
わからないこと、不安なこと、なんでも聞いてほしい。

リビセンが1店舗あっても、レスキューできる量はたかだか知れてる。
だから、リビセンは、いくつかの拠点で連携できたほうが絶対につよい!
そんな風に思っているので、長野県内にも本当はもっと連携していける拠点が増えていくといいなとも思うし、
私たちの手が届かない場所で、家主さんの思いや古物をレスキューして次の世代に繋げてほしい。

そのために、私たちにとっては大きな一歩。「リビセンみたいなおみせをやるぞスクール」、開催します。

Instagram募集ポストより https://www.instagram.com/p/CuRpCsrBqcV/?img_index=1

全国から来るリビセンファンやリビセンの活動に共感する人たちが、
リビセンの活動をもっと日本中に広めたいと思っています。

まさに自分もその1人でした。

でも始めるにはどうすればいいか分からない、大変そう、アドバイスが欲しいと多くの人が考えていました。

そんな時リビセン本家が、公式にスクールを開いてくれることに。
実際100名以上の申し込みがあり、その中から20組35名ほどが選考を通って、参加に至りました。

スクールの3日間を振り返って

感想として、
リビセン・諏訪にいた1秒たりとも無駄な時間はありませんでした。

スクール中は頭が熱くなるほど濃い話を聞き、
東野夫妻やスタッフさんのスゴさを目の当たりに。

2日目の途中までは
あまりの脳への負荷で右側頭部だけ熱くなるほどだったし、
スクール後はゲストハウスで全員でご飯を食べ、
深夜までその日のインプットを即座にアウトプットし意見を交換しました。

前半2日のインプット量も相当なモノでしたが、
2日目の夜に華南子さんと話したことや
相部屋の参加者と深夜まで話したことで、
アウトプットでき自分の中で明確に整理されていきました。

そして3日目のケーススタディで、
他の参加者によるプレゼン・質問する様子を見ながら
自分自身の計画を省みて次第に整理していくことができました。

それまで明確な形が想像できずフワッとしていた自分たちの計画が、
一気に形を帯びてきた最終日。

違う境遇だけど同じ悩み、
同じ志をもったみんなと深いコミュニケーションをとることで、「やれるかな」だった気持ちが「やるぞ」に変わっていった瞬間でした。

参加して得た一番大切なこと

3日間で受けたレクチャーは非常に内容の濃い物で、数字やノウハウ、マインドに至るまで余すことなく、リビセンが培ってきたものを曝け出してくれました。

そうして感じた最初の感想は『大変そう!』の一言。

「地域の循環」を目指したこの活動は、
一から構築するには非常に難しくあまり前例もない分、
理解してもらうことに苦労したそうです。

でもこのカルチャーを日本に広めたいというリビセンの想いが、
スクールの内容に溢れていました。

同時にここまで教えてもらって、
やらない訳にはいかないと言う想いも湧き上がってきます。

その過程でリビセンから受け取るものが多かった分、
比例して感じたことがあります。

もっとも大切なことは「考える時間」

それは「考える時間を与えてもらったこと」に気付けたこと。

スクール中、話を聞いていながら
ずっと思考がグルグルと回り
「お前はどうだ?」と聞かれていて感覚でした。

そうやってこの事以外考えられない時間を取ることで、
考えさせるキッカケをもらった気がします。

今までも考えてはいたつもりだったが、
恐らく頭の中で考えている風
悶々として実際には考えていませんでした。

3日間のうちスクール外では、相方や他の参加者と
晩御飯も宿泊も共に過ごした事で、必然と意見交換を行い、
みなスクールの内容を即座にアウトプットし合う環境でした。

スマホを見る時間なんか1秒もないほど。

悩みと不安は喋るだけで解決することもあるように、
アウトプットすることで次第にゴチャゴチャしていた思考が整理され、
自然とコーチングされているような感覚にさえなりました。

同じ志もった参加者と強制的に『考える時間』をもつことで、
思考や目的が明確になる。

これだけでこのスクールに行く価値がありました。

今後の動きは?

3日間のスクール経て、
相方と帰りの新幹線で今後の動きについて決めました。

前提として地方でみんなが困っている『空き家問題を解決したい』という想いがあります。

原体験は地方のクリエイターが「魅力的に感じ住みたいと思える家がない」
と嘆いていた現状を目の当たりにしたことから。

そのために、

空き家を自社で買い取り、リノベーションし賃貸物件にする。
クリエイターが地方で、楽しく暮らしを営める環境を賃貸住宅の目線から提供すること。

これが元々やりたいことのベースにありました。

しかし空き家を集めること、残置物の処理をすることなど
様々なハードルをどう超えていくか、に課題を感じていました。

「リビセンみたいなおみせ」をつくる

そこで今回の「リビセンみたいなおみせ」を福岡県田川エリアに作ることで、
地域の“空き家”や“行き場を失ってしまうもの”たちの
相談の窓口にします。

具体的な内容は、

このような活動・場づくりで、
地域に眠る大切な資源や思い出をレスキューし、
次の物件や次の担い手に循環させる。

メインは『空き家をサルベージして、魅力のある家に作り替える』こと
 ↓
その過程の残地物処理で出た古道具や古材を回収し再販する
 ↓
それらの倉庫としての拠点をオープンストックヤードにして、
誰でも入れて相談に来れるような場にする
 ↓
レスキューした古材や古道具を買うことができる
 ↓
コーヒーを飲んだり本を買うことができる空間で、
空き家や古材・古道具に興味のない人も来てもらう

もちろん「ReBuilding Center Fukuoka」ではなく、
僕らなりの哲学を込めたネーミングで。

この“空き家問題”という社会問題を、
「リビセン」の哲学で解決していきます。

その事業の拠点として福岡に「リビセンみたいなおみせ」をつくる!

これが今後の企みであり計画です。

相棒のBBと

合言葉は「YARUZO!」

参加した人のみがもらえる「YARUZO!ナルゲンボトル」

終始サウナに入っているような熱い熱い3日間を過ごしたため、
想いが溢れ長くなりました。

ようやく水風呂でクールダウンのような数日の時間を経て、
今は気持ちよくととのっています。

3日間で得た知識と全国に仲間がいるという安心感も胸に、
リビセンの想いをたくさん受け取ったみんなの共通ワードは、

『YARUZO!』の一言

リビセンの哲学を学び
覚悟を決め、各々の“心が動く”活動をしていく。

それをみんなで「やるぞ!」と奮い立たせるとても心強いものをいただきました。

僕たちは福岡・田川を拠点に動いていきますが、
日本各地のローカルでこのような動きが増えていくと思いますので、
みなさん楽しみにしていて下さい。

そして共感して共に活動してくれる人、周りに空き家や眠っている古材・古道具があるよって方はぜひご連絡下さい。

長々とお読み頂きありがとうございました。

よし!YARUZO!!

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