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やっとこさ『ナイルに死す』を読み終えて

推理部分に関係ない一部本文の引用もあるので、ちょこっとでもネタバレされたくない方はご注意を。

こんばんは、moikoです。

や、やっと読み終わったアガサ・クリスティ著名探偵ポワロシリーズ『ナイルに死す』!長かった…。ポワロ好きな私はこの作品を読むのは3度目くらいですが、再読するのはいつも決まって、

あれ?あの話って犯人誰だったっけ?どんないきさつだったっけ?

と思い出せない時。今回もこの作品の映画を見た友人が「あんな理由で人を殺すなんて、何だか最後腑に落ちなかったわぁ」と言っていたからでした。

どんな理由だったっけ?思い出せない…

そもそもアガサ・クリスティ作品は登場人物がめちゃめちゃ多いし、話も複雑で、1人1人の何気ない発言や行動に重大な意味があることが多いので、何度読み直しても実はよく分かっていません(笑)でも、ポワロが細かいことをヒントに、すごくまわりくどく犯人を追い詰めていく感じが大好きなのです。

『ナイルに死す』は題名通りナイル川クルージン中の船内で起きた殺人事件をポワロが解決していくお話なんですが、大体文庫で500ページある本文のうち殺人が起きるのは

250ページ目あたり!

ああ、半分以上が殺人と関係ない…前半部分は数多くいる登場人物達の色々な背景や関係性などが中東観光をする様子を通して描かれているのです…

はっきり言って長い!

でも、ポワロにとってはとても重要な部分なのです。ここのパートからこれから誰が殺されるのかな、犯人は誰かなとか推測することができるから。

でも、やっぱり長かった!

私がポワロシリーズで一番好きなのは、最後にポワロが関係者全員を集めて犯人が誰かを説明する部分です。真相以外にも、他の関係ない人達の些細なことの謎解きも披露されるのが面白いです。あと、大体登場人物の誰かと誰かが恋に落ちて結婚したりします。そんなロマンス部分もおまけのように、ちょっとだけ面白いです。

登場人物の中に、実は家柄も良く金持ちなんだけど、素性を隠している男性がいて、思想が偏っているのでかなり横柄で失礼な感じなんです。その男性が、ある女性に急に結婚しないかみたいなことを言って、結局女性は他の人を選んだためにふられてしまうのですが、そのくだりがちょっとふふふと笑ってしまいました。以下本文よりですが、

「(あの女は僕をふってあんな男を選ぶなんて)頭がおかしいんだな」
ポワロは目をきらりと光らせた。
「あの娘さんは自分の頭で考えられる女性です。たぶんあなたはそういう女性にはじめて会ったのでしょうね」

『ナイルに死す』

当時は、女性に結婚相手の選択肢はないことも多く、いかに家柄が良く金持ちの男性と結婚するかが人生を決めるといった時代だったと思うのですが、アガサ・クリスティ自体がとても自立した女性だったので、クリスティの気持ちを代弁しているのかなと思ってしまいました。

犯人に関しては、私は友達の言うような印象は受けなかったです。納得の理由と犯人かな。私的には結末はちょっと衝撃的でした。ポワロってこういう冷酷なところあるんだよな~と思い出しました。映画では細かい所までは描かれていないのかもしれませんね。

登場人物達のセリフや行動ひとつひとつに必ず意味があって、意味のないことがなく書かれているのが本当にすごいと思います。やっぱり、とっても面白かったです!!

でも、またいつか忘れて読むんだと思います(笑)

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