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『おいしいご飯が食べられますように』感想

audiobookでの「聞く読書」の感想です。ネタバレ気をつけてますが、完璧ではないと思うのでご理解下さい。そのへんは、ゆる〜い感じで読んでいただけたら嬉しいです!

『おいしいご飯が食べられますように』というタイトルと表紙の絵から、私は「きっと色々な料理を通して色々な人間模様があり、ホロリと泣けたりするほんわかした内容の本なのだろうなぁ」と心の癒やしを期待して聞き始めました。

私は本を買う時、大体ネットであらすじやレビューを調べてから買います。でも、audiobookはサブスクなので(私はほとんど聴き放題対象しか聞きません)、ちょっと興味があればすぐ聞いて、もしつまらなければすぐやめてまた新しい物を聞き始めることができます。本を買うとなると、せっかく買ったし…と思いつまらなくても最後まで読まなきゃと思ってしまうので、買う段階から慎重になります。

聞き終わった後の私の第一声、

この本、ホラーじゃん!!!


いや、ホラー作品ではないのですが、最後の畳み掛けるような描写は狂気としか思えず、聞いていて気分が悪くなるほど…。(褒め言葉です)audiobookの「声」だから為せる技かもしれませんが、何とも言えないすごい嫌な感じでした。(褒め言葉です)

物語の入りから、この着地点は想像できませんでした。いつからこんな奇妙な気味の悪い感じになっていたのだろう…。(褒め言葉です)聴者(読者)はいつの間にかこの物語の不思議な違和感の中に囚われてしまうのだと思います。

あらすじを言葉にすればものすごく単純なものにできるかもしれませんが…

例えば、「主人公は食べるのが面倒くさいと思っている」と書いても何だかフツーですが、読んでいて表れてくる主人公の特性は何だかフツーじゃない!

それぞれの登場人物の動作と言葉と心理がものすごく「奇妙」だし「怖い」し「複雑」!!

それがとんでもなく面白い!!

私的には本当に展開が斬新で、嫌な気持ち悪い感じが面白かったです。日常に潜む人々の狂気とか、とにかく言葉で説明できない不思議なことがたくさん詰まってる気がします。嫌な感じなのに、怖いもの見たさでまた読みたくなる何となく中毒性のある本だと思いました。

興味のある方はぜひ読んで(聞いて)みて下さい!!

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