無添加おかき、丸米製菓さんにお邪魔しました。
昭和2年創業 富山の老舗おかきやさん、丸米製菓さんにお邪魔しました。
無添加のおかきを作る丸米製菓さん。
おかき・おせんべい界は今や化学調味料(酵母エキスも含む)が入っていて当たり前。
シンプルに見えるお菓子なのに…スーパーではほぼ無添加のものは入手できない。
そんな業界にあって、どうして無添加を貫くことができるのか。
どんな想いで?知りたくて。
添加物なし!の選択
米菓は化学調味料でうまみを出すのが当たり前。
そこに誰も疑問を持つこともなかった30年前。
東京で一部の主婦連が化学調味料に疑問の声をあげたことをきっかけに、「将来皆様に影響がでる可能性があるのではないか」と議論し、添加物を抜く方針に。
当時では考えられない、大胆な舵切りだったと思う。
「まずい!」お客様からのショックな言葉
「安心して食べてもらえるおかきを」そんな想いで始めた無添加おかき。
単純に化学調味料を抜いたらいいのかというと、そうではない。
『化学調味料の味が急にしなくなったおかきを食べたお客様に「まずい」と言われたことが本当にショックだった』
と岩木社長。
化学調味料の味に慣れた消費者に、シンプルなおかきは当初全く評価されなかった。
コストは膨らむ一方。化学調味料を「抜く」ということ
通常のおかきの味付けは、塩分:化学調味料=1:1。
化学調味料には塩分をまろやかに、そして引き立てる力もある。
化学調味料を抜いたおかきは、精製塩の場合、量を2倍にしてやっとしっかり味がつく。
旨みを出すためにも、通常の精製塩ではなく、こだわりの自然塩を取り寄せて変更。
昆布エキス(エキスの中にも化学調味料や保存料が入っている)をやめ、昆布そのものから出汁を取ると、コストは5〜10倍。
化学調味料を「抜く」というのは、それに変わる自然の旨みを「足す」こと。
全てコストに直結する。
安価な化学調味料で味をつける方が、どんなに楽なことか。
大寒餅を再現
昔から、大寒の時期(2月頃)のお餅が美味しいと言われてきた。
気温も温度もちょうどよく、水も綺麗。
丸米製菓さんのおかきは、その大寒の時期のお餅を表現できるよう、温度・水分管理を徹底している。
素材へのこだわり
おかきの最終の加工は一般的に2種類ある。
油で揚げるか、焼いて仕上げるか。
丸米製菓さんは、焼いて仕上げるおかき。
油で揚げるおかきは、素材がどんなものであれ、おんなじ味に仕上がるのだそう。等級の低いお米から作っても遜色なく仕上がる。
一方、焼くタイプのおかきは、素材の良し悪しがそっくりそのまま味に反映する。
丸米製菓さんのおかきは厳選した等級の餅米100%。
餅米を粉にしてから蒸せば早く仕上がるが、お餅をつく時の工程と同じようにしっかりと丸つぶから。
時間もかかるし蒸気圧や水分コントロールも難しい。
「添加物なしで作る」こと
それは単純なことではない。
添加物ありきの業界の中で、添加物の味、簡便さ、安さに慣れた消費者を納得させるには、確かな技術と信念、味の追求が必要になる。
嗜好品としての価格の求めやすさも、決して無視できない。
知恵と技術、努力が詰まったおかきに、尊敬しかない。
感動!ママたちに推したいおかき
そんな丸米製菓さんでの感動の商品、「素餅(すがお)」!
餅米しか使っていないシンプルの極み、にもかかわらずびっくりするほどのお米の甘みと香ばしさ!
子供に味わせたい素敵なおやつ!
おやつとしてはもちろん、ぜんざいに入れたり、スープに入れたり、楽しみ方いろいろ。
介護職や3歳児未満の子どもたちへの食べ方の提案もされているという。
おやつにも、主食にも、というのが何とも嬉しい。
技術とよい素材が、無添加を作る
無添加は単純な引き算ではなくて、技術と素材、想いの積み上げの先にある。
そう感じた今回のご訪問。
詳しいご説明をありがとうございました。
知って選べば、どれも正解!
今日も楽しい食選びを!
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