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循環型農業のディズニーランド⁈クルックフィールズ

農と食、アートと自然

循環型農業に興味がある人も、ない人も。
ぜひ訪れてほしい、「命の循環」を感じ心地よい1日を過ごす場所。

千葉県木更津市にあるクルックフィールズ。
実は事前情報を全く得ないままに、到着。
「なんだなんだ⁈」
一歩足を踏み入れると、そのオーラに圧倒される。

東京ドーム6個分の敷地に、畑、牧場、鶏舎、レストラン、堆肥作り、宿泊施設など、人と自然が上手に共存する循環の全てが詰まった・・・それだけじゃないすごい場所。

どこを切り取っても写真映えするような『THE 美しい自然と人』の空間になっている。
「魅せる為の自然?」一瞬そう思うほどだった。

インフォメーション、入り口の売店、入場口、全てが心地よく洗練されたおしゃれな作り。

もちろん手入れはされている。けれども、その自然に嘘がなく、本物の生態系がそこに。

飛び交う蝶や鳥、小さな川が注ぎ込む場所にできたみずたまりを泳ぐおたまじゃくし。
大量のダンゴムシが走り回る、豊かな生態系。

「循環」をテーマにしていて、場内で飼っている牛や羊の糞を発酵させ肥料を作り、その肥料で野菜を育て、人間は牛乳やチーズ、野菜を頂く。
エネルギーは太陽光で賄われ、排水はレンガで仕込んだバイオフィルターで濾過されて小川に流れ込む。


堆肥を作っている場所。鶏糞・牛糞をブレンドし、発酵度合いを見極めながら、畑の特徴にあった堆肥を作る。
牛糞は1週間で匂いがなくなるが鶏糞はずっと臭いのだそう。発酵で湯気が立っている。
みみずのコンポスト。野菜クズなどをみみずが分解して作る肥料が、肥料の中でも一番よいとされ、価値が高いのだそう。
紙の容器はしっかり土に返す。
さっきのうんちはこの牛さんのだったのね。
牛さんのミルク、さらっとしていておいしい!!

循環具合がすごい・・・
かと思えば、草間彌生さんの作品がごくごく普通の顔でそこに佇んでいたりする。

草間彌生作品は他にもある。すごい・・・
自然のてざわりとメッセージを体いっぱいに感じる。


他にも、こんなところに?という自然の中にアートが点在。

「サスティナブリッジ」使われなくなった工具が埋め込まれていて、いろいろな道具を発見しながら渡るのが楽しい。

子供達が遊ぶ遊具も、廃材を使ったり、本物のレトロなスクールバスなど。

それにしてもこの外国のバスはどこから来たんだ?いちいちオシャレ!
ドアは手動レバーで開ける仕組みで子供達大興奮!
この迫力は写真だと伝わらない・・・巨大ブランコ

「ただの循環農業を体現する場所にしては、見せ方・いざない方が完璧すぎる・・・とにかく只者ではない!」
そう思って後から調べたら、サザンオールスターズやMr.Childrenなどを手がけた音楽プロデューサー小林 武史さんがプロディースした場所らしい。
皆川明さん、水野学さんはじめ、農や自然探索など様々なプロフェッショナルが集結してこの場所を作り上げている。

小林さんは、同時多発テロ・東日本大震災をきっかけに「循環」に目を向けるようになったのだそう。

ここで「本物の生きるを循環させよう」という気概がある。
同時に、「それを最高の形で魅せよう」というプロの仕事に心から感動した。

五感いっぱいで自然を感じつつも・・・「これ作った人すごい」の気持ちが心の中を埋め尽くした、驚きいっぱいの1日。

ここは循環型農業のディズニーランドみたいだと思った。
興味がある人もない人も。
一歩足を踏み入れると、どっぷりとこの世界に浸ってしまう本物感、一流感がある。
来た時には知らなかったキャラクターの魅力にすっかり取り憑かれて、思わずキャラクターグッズを買って帰ってしまうような、ナチュラルに気持ちのスイッチを押される形で。心に染み込む形で切り出された個性に魅了され、来場者は循環型農業というテーマの断片を持ち帰る。

地中図書館には農や食の本をはじめ、生きることを伝える本が。

わかっていても循環型農業を取り戻すのは簡単なことじゃない。
だからこそ、夢や理想をぶれずに最高の形で差し出されると人は感動する。
きっとたくさんの人の心を動かして、日常も変えていく。

すごいなあ、すごいなあ。


興味のある人も、ない人も。
「自然と生きる」ヒントに必ず出会える場所。
ぜひクルックルフィールズへ!


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