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もっとありがたく年を越せ

いつも、年末年始がやってくる頃には、過去の自分がこの期間をどうやって過ごしていたのかすっかり忘れてしまっていて、
どうしたらいいか分からないまま、ただ時が過ぎるのをダラダラと傍観するだけのイベントになってしまっている気がする。

「自分なりの過ごし方」がひとつも確立されていない。
そのせいで、年末年始というものが、想像上のリラックスムードに満ちたそれに比べるとそんなに快適ではない。


二度とこんな過ごし方をしたくはないので、今年はどうやって年を越したのかを記録してみようと思った。

しかし、それを思い立った時点で元日が残り15分を切っていて、
完全に全文章を思い出しながら記録するしかないところまで追い詰められている。

年末年始のピーク部分は、例年通り何も考えずに通過してしまった。

今年はなぜか年を越した後から夜通し風呂に浸かっていて、布団に入ったのが初日の出を拝んだ後になってしまったので、
例年の自分すらも大きく下回っているのかもしれない。

スマホの充電すら忘れて寝こけていた間に、なにやらとんでもない規模の地震が起きて、正月特番が軒並み避難勧告のニュースに切り替わったりしていたらしい。

ひとつも気付けなかった。

充電切れのスマホは緊急地震速報なんて当然受信できずに黙りこくっていたし、
2段ベッドの上の段で寝ていたはずの身体は、揺れなんて欠片も感知できていなかった。

もし自分が震源付近に住んでいたとしたら、間違いなく真っ先にやられていたと思う。


そんなことになっているとも知らず、18時を過ぎた頃になってようやく布団から出た。

例年通り、親戚から具材の大半を分けてもらったおせちを冷蔵庫から出して、昨晩かなりの量を食べ残してしまった年越しそばと一緒に食べた。

年末の雰囲気作りのためだけに自力でそばを茹でてみて失敗するのも癪だったので、
1番簡単そうな流水麺で済ませた。


新年初の食事中に、年始特有のながーいネタ番組の録画なんかをいきなり見始める気力もなかったので、
比較的短そうだったテレビ東京のネタ番組から見ることにした。

賞レースの決勝でやりたくてもできなかったもう1本のネタを披露するというコンセプトの番組だったので、
食事しながらでも特に問題ないかと思っていたら、普通に排泄物メインの漫才が出てきて笑ってしまった。

家族はほとんど笑っていなかった。
深夜帯の番組を食事中に見ようとすると頻繁にこういうことが起きる。

そこからガリガリ君をかじるなりして時間が経過し、部屋でこの文章を書き始めたあたりで元日が終了した。


流れに任せてなんとなく書いていった結果、なぜか年末がスキップされて、年始からだけの日記みたいになってしまった。

構成力の欠片もない。

普段からこまめに日記をつけるなどという、勤勉な習慣に1度たりとも挑戦したことのない怠惰な人生が、こういうところで悪い影響を及ぼしてくるんだなと思った。


せっかくの年末年始だというのに、ギリギリ1000文字を超えたくらいの文章量ではなんとなく物足りないので、なんとなくメモアプリを覗いてみた結果、
年越しの最中の自分は碌なことを考えていなかったことが分かった。

恋のペニ☆スロットル?????

1日経ってから「恋の」を足したくなった理由も全く分からないし、
その下の「お年玉を断りたい」も、人の善意を踏みにじっている割に行動原理がひとつも見えてこなくて最悪だと思う。

新年早々こんなことをしていては、ここから先の日々がいい1年になるはずがない。




去年は色々なことが上手くいかず、もがいている間に髪の毛が肩にへばりつくくらいまで伸びてきてしまい、不審なロングヘアだけが2024年に持ち越されてしまった。

今年は邪魔な髪やら何やらを諸々断ち切っていい感じの年になってほしいと思う。

「去年の正月はどんな感じだったかな」と軽い気持ちで見返しに来た時に、
終盤のうっすい決意表明パートで書いたことがひとつも達成できてなくて気分が落ち込むような年にだけはならないでほしい。



人生は、恋のペニ☆スロットル!!!

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