ともっち

文藝翻訳家

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そろそろ本当に、「本当の自分」に会いにいく【Visionワークのお話】

思考を変えれば現実が変わる? 劣等感や思い込みがなくなれば、楽に生きられる? 親を許せば、夫婦関係がよくなれば、幸せになれる? いっそのこと、もう好きなことだけやって生きていけばいい? それはある意味正しいのかもしれません。 だとしても、それであなたは「本当の自分」を生きていることになるのでしょうか? 「本当の自分」とは。 この問いに答えられる人は、果たしてどのくらいいるのでしょう? 「自分」と思っているものの正体「本当の自分」とは、役割とか職業とか地位とか肩書とかが示

    • 小説『KYOMU 虚無』に描かれた「人間機械論」のその先

      小説は、基本的にフィクションである。フィクションとは作り話である。作り話であるということは、現実の世界とは無関係なのだろうか。 そうではない。優れた作家によって、慎重に吟味され緻密に編み込まれた言葉の集合体には、現実以上の真実と真理が何層にも重なって描かれている。むしろ、それを小説と呼ぶのだと思う。 小説『KYOMU 虚無』(大島ケンスケ著、Clover出版、2023年)には、プログラミングされたバーチャル世界で生きる人間のアバターが登場する。20世紀初頭、アメリカの文豪

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