闘病日記(20230809)

すっかり治る気でいる。
それ自体は別に悪いことではないんだけど、また前回みたいにちょっと心乱すようなことが起こると期待していた分さらに落ち込みそうな気がする。
そういう意味で期待しすぎないことは大切だと思うけれど、でもめちゃくちゃ体調は良いし、血球も前回とは比べ物にならない速さで上がってきている。
このまま今回も成功して、次もその次もサクッと成功して、簡単に寛解をもらって、長い夏休みをもらっただけだったねなんて言えるようになりたい。というかそんな未来をすでに想像してしまっている。良いような悪いような。まあネガティブで居るよりは良いでしょうと思うようにしている。これが転じてネガティブな方向にいかないように祈るのみです。

血球が下がったタイミングで今回も熱が出た。マックスで39度くらいだったけれど、予定調和ですからと先生が言っていたのでその通りなんだろうと思う。前回も熱は出たしそれは全然平気だった。そんなことより辛いことがあった。
前回の口内炎とか貧血とか失神前の感じとか目じゃない。マジで辛いことがあった。

痔。
それは、痔。

痔に生まれて初めてなった。
すごい。痛い、痛すぎる。しかも痛さに対して心配のされ具合が全然釣り合っていない。なんだこの疾患、あえて疾患と呼ばせていただく。

痔、という言葉から漂うこのしょうもなさはなんだ。患部が尻というのもしょうもなさを加速させている気がする。
出る薬もたいていふざけている。私はボラギノールみたいな形の塗布薬を処方してもらった。自分で塗ろうとすると死ぬほど情けない格好になるし、そのくせ塗布するために患部に少しでも触れると痛い。なんなんだふざけんなマジで。

調べると産後のマイナートラブルの一つに痔があった。
産後+免疫力低下+粘膜の弱まり(抗がん剤の副作用)により発症したと思われる痔は、今までの抗がん剤の副産物の中で断トツぶっちぎりで辛い。

まず当然ながら座れない。尻が痛いから。
足を開いたり動かしたりすることで尻が擦れるのも痛い。なので立つのも動くのも辛い。
トイレも辛い。便をゆるくする薬とかを使わせてもらっているけれど、それでもめちゃくちゃ痛い。トイレが世界一憂鬱な場所になった。免疫が下がってる関係で絶対にウォシュレットを使わないといけないんだけど、それも本当に地獄。最弱にしているのに拷問かと毎度新鮮に思う。
患部が擦れないように毎日横向きでベッドに寝ている。リハビリも休んでいる。こんなことで。マジでこんなことで、と自分でも思う。多分作業療法士も言わないだけでそう思っていると思う。

だけどしょうがない。
だって信じられんくらい痛いんだもん。
これは痔になったことのある人しか分からんと思います。みんな痔という名前とイメージから来るしょうもないオーラに当てられてないで、本質を見てくれ。これは重大な疾患です、誰がなんと言おうと。
とはいえ脳内出血とかするより、全然痔程度で良かったとも思う。大義では私も痔のことをバカにしているかもしれない。

今日の血液検査で白血球が上がり始めたことがわかった。ありがたいことだ。
先週から血小板と赤血球は輸血していたが、今日でそれも一旦終わるかもということだった。
やはり地固め療法であるというところも含めて、前回よりも体感として早く色々なことが終わっていく気がする。早ければ来週のどこかでまた一時退院出来るかもと先生は言ってくれた。俄然やる気が出る。まあやれることはないんだけど。

息子はピタゴラスイッチのカタカナが指差しで読めるようになっていた。イヤイヤもわがままも加速して、この間テレビ電話させてもらった時にも風呂を死ぬほど嫌がっていた。
可愛くてしょうがない反面、この可愛い時期を生で見たかったな〜と見逃した成長に思いを馳せることもあります。ずっと一緒に居てイヤイヤされていたらそれはそれでイライラしていただろうけど。
イライラ出来ることや日々の育児に疲れることすらすら、今の私には羨ましいと、皮肉でなくそう思います。どんな形でも、短い時間でも、子どもの成長と共にあれるのは幸せなことだったんだなと思う。疲れてる最中にはそんなこと思う余裕もなかったけれど、離れるとそんな気持ちが浮き彫りになってくる。

はよ退院させてくれと思う一方、中途半端な治療になったら結局意味無いので、ガッツリ治して最終的に最短の一番良いコスパだったと思わせてほしい。
そのために今は耐える時期なんだと思うようにしている。そしてまた、勝手にもう寛解を見据えていることに気付く。ポジティブなのは良いことだと、はじめに戻る。

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