闘病日記(20231110)

最後の抗がん剤が終わり、血球も下がった。
あとはいつも通り上がるのを待つのみなんだけど、ラストクールなだけあって上がりはめちゃくちゃ悪い。
熱が出ないように、菌が入らないように、そして何より痔にならないように。注意しながら安静に安寧に過ごせますように。

めでたい話題とめでたくない話題があって。

まずめでたい話題を。

血液検査の数値からすると、現在の状態としては寛解を維持出来ているらしい。
これは相当にありがたく、それが完治では無くても、一旦病気から解き放たれた気持ちです。

とはいえ、めでたくない話題もあり。

骨髄から出る癌細胞がゼロにならない。
これが消えてないのか、それとも消えた上でまた出てるのか、その辺はよく分からないけど、とにかくゼロにはなってくれていないらしい。

どちらにせよ化学療法のクールはもう終わりなので、今回のマルクでもし癌細胞が増えているようなら次の治療の方針を立てなくてはいけないということになった。
移植を含めて……ということになる。

移植自体が嫌なわけではないし、それで治るならみたいな気持ちもあるけれど、実際そんな簡単な話ではないことも心の底では分かっている。

そもそももし移植するとなったら、さしあたって妹にとんでもない負担をかけるのが本当に嫌だ。
適合を見る検査をするのも痛いし、手術になったらもっと痛い。体にも傷をつけてしまうかもしれない。

そういうことが分かっていても妹は絶対嫌だとは言わないだろうし、気にする素振りも見せないだろう。
妹は人を思いやれる良い女だから。

それにひきかえ私はといえば、自分の未来に不安を感じては泣いて、子どもたちのことを思い出しては泣いて、痛い検査をしては泣いて(?)自分のことで心がいっぱいいっぱいだなと思う。

死に瀕してるかも!みたいな初期とは違い、一旦は寛解になった体をもってしても、不安は尽きないものなんだなと思い知る。
こんなんで病気と付き合って生きていけるんか。
付き合っていかなきゃならんし、生きていかなきゃならんのですけど。

まあ今回のマルクで今までと同数程度に癌細胞が減っていれば、通院をしながら根治を目指していく方向に。という話だから、希望が無いということでもない。
要するに今回の治療が終わって、結果を見て、それで初めて次の方向性を決める段階になれるということだ。

半年もかかったけど、まだ治療の第一段階が終わっただけのこと。その感覚を忘れないでいたいと思う。
勝手に落ち込んだり浮かれたりしないように。

上の坊ちゃんは、最近半分くらいババの家(私の実家)で暮らしている。
ババ(私の母)も「こんな機会はもう無いから」と仕事を休み、坊ちゃんと公園に出かけたり一緒におやつ作りをしたりしている。
2度目の子育てをしてるみたいに母が生き生きしていて、お世話になっている立場ながら嬉しくなる。

日曜になるとジジ(私の父)が坊ちゃんと2人でピクニックとかに行ってるのにも驚いた。
父に関してはずっと子どもとか苦手なんだと思っていたけれど、この人子ども好きだったんだな、と驚くほど溺愛してくれている。

坊ちゃんも遊んでもらって、たくさん愛されて、毎日楽しそうにしてくれているのが心から嬉しい。
テレビ電話をするたびに「ママいっしょ」と言ってくれるので「ずっといっしょよ」と答えてる。
伝わっててくれるといいな。

下のお嬢はパパと一緒に、パパの実家で暮らしてる。
たくさんミルク飲んで、未熟児だったとは思えないくらい大きくなった。最近むちむちのほっぺたで笑うようになってさらに愛おしい。
聞くところによると、すでに夜7時間ほど大人並みに寝てくれるらしい。本当に親孝行な赤ちゃんですこと。

パパもお嬢のお世話をしながら、実家から帰ってきた坊ちゃんを愛するのに大忙し。
幸せな忙しさの中、私の職場のこととかやってくれてもいて、幸せでない忙しさも並列してくれている。感謝。

子どもたちの成長、ひとつも見逃したくないなと思っていたけど見逃しまくっていて本当に悔しい。
だけど私の代わりに色んな人が成長を見守ってくれて、それを喜んで、褒めてくれて、それでも良いやんと思えるようになってきた。

ママが常に褒めたり驚いたりしなくても、子どもたちが自分の成長を誇れるように、愛されてることが分かるように。
みんながそうしてくれているから、きっと二人とも特別な実感がないほど自然に愛の中にいる!幸せなことだ!

子どもたち、本当に幸せになってほしいよ。
辛いことがあっても、出来ないことがあっても、苦手なことがあっても、自分のことを愛して大切にして生きてほしいよ。
そのために今はたくさんの愛をもらってほしい。
たとえ傷ついても、自分は愛されているから平気だと思えるくらい、ありったけの愛を。

今は側に居られないけど、私もみんなと同じように君たちをありったけ愛していること、どうにかして伝えられたらなと思う。
覚えていられるわけは無いだろうから、今日も今日の子どもたちに心を込めて「大好き!」と言うだけ。大好き!可愛い!たからもの!

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