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昔好きだった人のこと

もう5年以上も前の話になるが、当時好きだった人と話していて「え、わたしの言ったこと真似したの?」と思ったことがある。

あまりにもネガティブ具合が似ていて、わたしはそこに強烈に惹かれてしまったのだけれど、今思えば単にその人もアダルトチルドレンだったというだけだろう。

その人とは付き合うことはなく、でも親しくしていた時期があり(友達以上恋人未満というのでしょうか、彼はそういう存在をガールフレンドと言っていた)、わたしにとっては前に書いた「忘れられない恋」以来、めちゃくちゃ好きになった人だった。

どこが似ていたのかと言えば、自分に自信がないだとか、周りの人はそのうち離れていってしまうと悲観的に思っているところとか。

そんな人、探せば他にもいそうなものだけど、当時のわたしはそんなことを男の人と話したことがほとんどなく、相手から打ち明けられたこともなかった。どういうきっかけでそういう会話をするようになったのか覚えていないけれど、もしかしたら彼がわたしから同じ匂いを感じ取ったのかもしれない。お互い深い闇を抱えていた。

当時まだアダルトチルドレンについて知らなかったわたしでも、彼がその闇から抜け出すのは簡単じゃないとわかった。闇の正体はわからなくても、自分もそうだったからだ。だから、救い出したいと思っていた。本当は自分が救われたかったんだと思う。いつだって自信が欲しかったし、闇から抜け出したかった。

今思えば、彼に寄り添うことで自分に寄り添っていたのかもしれない。実際には、かまってほしくて面倒なことをたくさん言ってしまい、全く寄り添ってなどいなかったんだけど。自分は独りじゃないと思えていたのかも。彼はどう思っていたのだろう。

結局わたしは何もしてあげられなかったけど、今でも彼のことはどこかで気にしている。SNSなんかで名前を見ると、ああ、元気にしてるのかなと思う。年齢や経験のぶんだけ彼はわたしより大人だったけど、自分がアダルトチルドレンだということに気づいているのだろうか。まだ闇の中にいるのかな。

もう闇の話なんてすることは一生ないと思うけど、いつか彼がアダルトチルドレンを克服してくれたら。心の底から安心できる居場所を見つけて欲しい。自分もまだアダルトチルドレンのくせに、そんなことを思う。

どんなことで似てるって思ったんだっけ、と思って昔のメールを見返してみたら(残してるんじゃなくて残っているだけ、と言い訳したいが、我ながら消せばいいのにと思う)なんか苦しくなった。途中から全く相手にされてなくて、優しさ(?)でメール返してくれてただけなのに(マメな人だった)それでも希望を捨てられなかった恋…。あの失恋は本当につらかった……。

でも楽しかったことも多く、ときめきをたくさんもらったので、わたしを弄んだひどい男、などと言うつもりは全くない。自分の意志で彼と会っていたし。彼はわたしにとって「幸せでいてほしい人」だ。強がりじゃなく。

……ってかっこよく終わろうと思ったが、失恋後にいろいろとひどいことを言ってしまったことを思い出したので、大変申し訳なく思っているところです。

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