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一期一会の柄物が好き

自分のことなのに、いつ頃から好きなのか、記憶も自覚もない。

気がつけば、洋服は柄物がダントツで好きだ。


柄物と私

夏物に占拠された衣装ケースを見ると、8割近くが柄物。

Tシャツには何かがプリントされ、完全なる無地は数枚。無地のTシャツの上には、何かしらの柄物を合わせることが多い。

全身無地はどうも落ち着かないのだ。

・プリントTシャツ+無地のスキニー
・無地のTシャツ+花柄スカート
・柄物ワンピース

など、どこかしらに柄物を入れる日がほとんど。


王道のドット柄やストライプ柄、花柄にチェック柄、どれも大好き。手書きっぽいドット柄には目がない。

ワンポイントではなく、どっしりと存在感のある総柄のほうが好きだ。総柄のワンピースはすーーぐ好きになってしまう。

レースにも、レース柄にも弱い。お店にあれば、とりあえず一度は手に取る。


百聞は一見にしかず。私が持っている洋服の中から、柄物にしぼってご紹介する。


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アジア系のセレクトショップで購入。信じられないぐらい生地が薄い。手書きっぽい柄、淡い色合いがお気に入り。淡い色の柄はだいたい好き。


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グラニフのワンピース。色が好きだし、腰紐の鳥も素敵。「鳥を入れよう」と決めた人にスタンディングオベーション。グラニフ大好き。


鳥柄にも弱い。

鳥柄は滅多に出会えないので、絶滅を危惧し、見るとほぼ反射的に買ってしまう。羽にも弱い。私の前世、鳥だったのかもしれない。


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鳥の総柄は珍しい。今はなきブランドa.r.w(A・R・R・O・W)のワンピース。鳥はもちろん、色のチョイスも素晴らしく好き。


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古着。袖に魚が描かれている。魚も好き。書きながら気づいた。動物が載っている洋服はどうも惹かれる。


20代に買ったワンピースはスキニーを履き、上着を羽織り、30代の今も着ている。40代以降も着るつもりだ。

似たような柄になかなか出会えないので、そう簡単には捨てられない。



長い買い物

好きなファッションブランドはあるが、ブランドに特別こだわってはいない。買い物するときは、私が好きそうなお店に片っ端から入る。

だから、イオンや百貨店やアウトレットモールに行くと、まあーー長い。誰かと買い物に行くのは気が引ける。

あちこち歩いては、ふらっと入ったお店で一目惚れしたスカートを買うときもある。好きなブランドのお店で、何も買わない日もある。


20代の頃は、洋服への情熱が特に高かった。

仕事帰りに古着屋へ行き、毎週のように洋服を買っていた時期もある。そこでしか出会えない洋服ばかりなので、当然ながら長時間店内にいた。

宮崎から高速バスに乗って福岡へ行き、アウトレットモール『マリノアシティ福岡』で両手いっぱいに袋を抱えて帰ったのもいい思い出だ。


ウイルス云々関係なく、30代に入り、もう滅多に洋服を買わなくなった。

すでに洋服はクローゼットにもハンガーラックにも、これでもか!というほど柄物が詰まっている。どれも手放せない。


洋服を買いに行くとしても、1枚買えばいい方。

だけど、洋服に情熱がないわけではない。妥協はしない。一度買った洋服は、何歳になっても着たいから。

渾身の1枚を選ぶのは、昔からずっと変わらない。


柄物は一期一会だ。

「あ!好き!」と思ったときに買わないと、二度と出会えないことが多い。特に古着は、チャンスを逃すと出会えない可能性が高い。

違う柄物を見ては、
「この花柄、落ち着いた色で素敵」
「鳥柄のシャツは買おうかな…」
「この手書き風ドットも捨てがたい」
などと頭の中で葛藤しながら、長時間ひとり会議を繰り広げる。そうして1枚を買う。


そのときの心理状態、入ったお店、季節、使えるお金。いろいろが絶妙なタイミングで合わさって、「あ!好き!」そして「買おう」につながる。

自分でも厄介なことに、タイミングがずれてしまうと同じ洋服のはずなのに、買う気は起こらない。私って面倒くさい人間だな、と思う。



お店で出会いたい

時代は進み、ネットで洋服を買えるようになった。お店に行かずとも、スマホやPCでササッと洋服を買えてしまう。

地元宮崎には、ここ数年で初出店のブランドが増えた。高速バスに約4時間半揺られ、福岡へ買い物していた20代が嘘のようだ。


最近は自宅にいる時間が長すぎて、「久しぶりにTシャツでも買おうかな」と、たまにネットショップを見る日はある。未だに買ったことはない。

私の肩幅が広いとか、Mサイズがちょっと小さいときがあったとか、そんなアレコレが気になって買えない。

ネットで買わない別の理由に気づいたのは、極々最近だ。
私は、お店で洋服を買いたい。


洋服を買いに行く時間は、自宅から始まっている。

ハンガーラックの前で、着る服を悩む時間。
柄物を複数引っ張り出し、どれを着ようか迷う時間。
選んだ洋服にバッグやイヤリングを合わせる時間。
玄関で靴選びに手間取る時間。

とびきりのおしゃれをして出かける、あの時間から楽しい。


たいていは柄物を着るので、自意識過剰な言い方をすれば「私はこの柄が好きなんです!」「こういう柄に弱いんです!」と宣言しながら歩いているようなものだ。

たまに、私の好みをその場で理解してくれる店員さんがいて「こちらはいかがですか?」と勧められる。「素敵ですね」と言いながら、心の中で「なぜ私が好きそうだと分かったんですかー!」と叫んで買った日も。


ディスプレイや、店員さんのコーディネートを見るのも好きだ。

洋服を好きな雰囲気がびしばし伝わるお店に入ると、総じてバッグも靴もアクセサリーも隅々まで素敵。お店ごと買い占めたい。

ディスプレイによる思わぬ出会いは、ネットショップだと難しい。書店で本を買いたいのと近いだろう。お店での、ひょんな出会いを大事にしたい。


たくさんの洋服に囲まれる、店内そのものもたまらない。

決して裕福ではないし、自宅で洋服を置く場所は限られている。あんなにたくさんの洋服に囲まれるなんて、非日常なのだ。身近にある、非日常。



今、洋服を選ぶ時間が愛おしい。

気軽に出歩ける日が訪れたら、お気に入りの柄物ワンピースに包まれて、非日常の空間で新たな柄物に出会いたい。


そんな日を待ち遠しく思いながら、今年はなるべく毎日違う洋服を着ている。ほとんど家にいるから、柄物に柄物を合わせるのもお構いなし。

もしかすると、20代よりも今のほうがファッションで冒険しているかもしれない。

日々柄物をまとって、一期一会の柄物を探す旅を心待ちにしている。




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