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短編エッセイ『デロンギのコーヒーメーカー』

デロンギのコーヒーメーカーを処分した。正確にいえば、夫が処分した。

昨年に水漏れし、コーヒーの粉をセットしてもお湯しか出ない。保証期間は過ぎ、自分たちで修理するのも困難。ずっと放置していた。


実家にコーヒーメーカーはない。私が初めて使ったコーヒーメーカーは、今回処分したデロンギだ。

おしゃれなキッチン用品が揃っている雑貨屋、家電量販店でたまに見かけるデロンギ。シンプルで、高級感もあって、憧れだった。


京都に引っ越して最初のクリスマス。夫からプレゼントでもらった。

名は『デロンギ ケーミックス ドリップコーヒーメーカー』、色は白、場所は河原町。大きな紙袋を持って微笑む夫から手渡された。

以来、寒い時期に1日1〜3回使うのが恒例になった。


コーヒードリッパーもあるから、余程のことがなければコーヒーメーカーはもう使わないだろう。

ありがとうデロンギ。憧れと、手軽さと、思い出をありがとう。



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