いつだって、私たちの旅は
夜行バスにいそいそと乗り込む。ペットボトルのお茶を弾ませ、「ここ!」と座席を指さして小さく叫ぶ。
絶対に聴く、と誓っていた曲を準備する。夜行バスが登場する歌詞を聴きながら、夜行バスに揺られたかった。長年の夢…が、叶わなかった。
イヤホンを留守番させてしまったのだ。
いつだって、私たちの旅はすんなり上手く始まらない。
クリスマスイブの大渋滞に、ギリギリ間に合った搭乗口。財布を駅に忘れた日もあったっけ…。
眠い目をこすりながら、夫と横浜で降りた。人生初上陸の神奈川県。早朝、鼻をすする音が響き渡る。
夜行バスの行き先は、新婚旅行。横浜、東京、千葉を巡る大掛かりな5日間が始まった。
イヤホンのことなどカラッと忘れ、決まっていない朝食と慌ただしい乗り換えに胸が高鳴る。
あ、そうだ。そうだった。いつだって、私たちの旅は楽しさが塗り替える。
2人で共にしてきた、いくつもの萌芽。今回はその集大成かもしれない。
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