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宮崎弁について書いたかい、読んでくれん?

私は、生まれも育ちも宮崎県宮崎市。33歳まで宮崎市に住み、現在は京都市に住んでいます。京都にきて約4年半です。

33年も染みこんだ宮崎弁。細胞の隅々まで行き渡り、そう簡単には抜けません。京都弁がうつる気配はなさそうです。

夫は福岡県出身。9年一緒にいますが、博多弁はうつってない…と思います。



父が生まれたのは宮崎県山之口町(合併して今は都城市)、母は宮崎県川南町です。

宮崎県は南北に長く、…県北……え?え?!!!「県北=けんぽく」が変換に出ない!方言?!!


ゴホンゴホン……すみません。話を戻します。

宮崎県は南北に長く、県北・県央・県南に分かれています。

父の故郷の山之口町は県南、母の故郷の川南町は県北、私が生まれ育った宮崎市は県央。話す言葉が家族で微妙〜〜に違うんです。



父と母の宮崎弁

父は昔東京に住んでいたからか、方言では滅多に話しません。

おばあちゃん(父方の祖母)との会話を思い出すと、父が話すのは鹿児島弁寄りの宮崎弁だと思います。

・じゃっどん(しかし)
・ひったまがる(驚く)

これは大河ドラマ『西郷どん』に出てきた言葉で、おばあちゃんもよく使っていました。


『西郷どん』に出てきた「まっこて(本当)」、宮崎弁では「まこち」です。

『いもがらぼくと』という宮崎の民謡に、「まこち」が出てきます。

じゃがじゃがまこちえれこっちゃ

「じゃが」はジャガイモではありません。
まこちゃんがエライわけでもありません!(笑)


「じゃが=そう・そうだ」、「まこち=本当」、「えれこっちゃ=大変だ」という意味です。

標準語なら「そうだそうだ本当に大変だ」。もっと噛み砕いて宮崎弁らしくすると「そうよ、ほんと大変よ」…でしょうか?(誰に聞いてるんだろう)



母はおしゃべり大好き。今、私が宮崎弁多めで話すのは、母と電話するときだけです。(夫と話すときは、宮崎弁と標準語のブレンド)

県北出身の母は「や」が多いです。

・今日は暑いかい半袖やが(暑いから半袖だよ)
・休みやから(休みだから)
・半額やった(半額だった)

要約すると、「だ」→「や」です。優しい感じがします。

私が住んでた宮崎市でも「や」はよく使います。
例:そうやった(そうだった)


宮崎市の方言

宮崎市は県庁所在地。東国原さんが県知事のときは「どげんかせんといかん」が一世を風靡しました。

宮崎市では「どげん」ではなく「どんげ」です。
例:「最近どんげ?(最近どう?)」

「ん」は宮崎弁の特徴です。

・そりゃいかんわー(それはダメだよ)
・暑くてたまらん(暑くてたまらない)


他にも、宮崎市内ではこんな方言でしゃべります。


【ちゃ・ちょ】

「ちゃ」「ちょ」も宮崎弁の大きな特徴。「そうだっちゃ(byラムちゃん)」とは言いません。

・そうやっちゃ(そうなんだ)
・ここに置いたっちゃけど(置いたんだけど)
・明日って言っちょったわー(言ったでしょ)

私は過去形でよく使います。

・寝ちょった(寝てた)
・話しちょった(話してた)


【うんにゃ・にゃ】

「うんにゃ」も宮崎弁。九州では通じやすいです。

「うん」に騙されてはいけません。「うん+猫語」ではありません(笑)「うんにゃ=NO」です!「うん」が肯定だから紛らわしいですね…。


宮崎では「にゃ」をつけて話す人もいます
・せにゃいかん(しないといけない)
・てにゃわん(手に負えない/仕方がない)

あれ?かわいいな…。宮崎にいたときは、当たり前すぎて気づかなかった…。


【てげ・てげてげ】

「てげ=とても」です。

・てげ遠い(とても遠い)
・てげかわいい(とてもかわいい)

「とても→とっても」と同じように、「てげ→てっげ」でも通じます。
例:てっげかわいい


そして、「てげてげ」。「てげてげ=とてもとても」…ではないんです!「てげてげ=適当・大体」です!!……ついてきてるかな…(後ろを確認する)

・てげてげでいっちゃが(大体でいいんだよ)


【やじ・じ】

野次…ではないです。「やじ」は語尾につけます。

・簡単やじ(簡単だよ)
・好きやじ(好きだよ)

「やじ」は使うと一発で、あれ?宮崎の人??とバレます(そして仲良くなる)

「じ」も使います。

・歩いちょったじ(歩いてたよ)
・選んじょったじ(選んでたよ)


【こっせん】

「こっせん」は宮崎弁の謎。宮崎の一部、しかも若い世代しか使わないんです!

私は小学生の頃から使っています。でも父にも母にも「こっせん」は通じないし、聞いたことがないと言われます…。

・話長いこっせん?(話長くない?)
・今日さみーこっせん?(今日寒くない?)

こまかく書くと「話長いと思わない?」、英語の「don't you」にあたります。同意・共感を求めるときに使います
(起源をご存知の方、ぜひ教えてほしいです!)



油断すると使ってしまう宮崎弁

宮崎で「濃い」とは言いません。「濃ゆい」です。とても濃ゆいときは「こっっっゆ!」。

「濃ゆい」が方言だと知ったのは、社会人になってからです。知らんかった…。



「濃ゆい」のように、油断すると使ってしまう宮崎弁をまとめました。

【はわく】

標準語の「掃く」、宮崎弁では「はわく」です。九州ではたいてい通じます。

・ホウキではわく(ホウキで掃く)
・そこ、はわいちょってー(そこ、掃いといて)

私は「はく」と聞くと、「吐く」を連想する宮崎人です。「はわく」じゃないとしっくりこない…。


【なおす】

「なおす」は片付けるです。

・そこの茶碗なおしちょってー

これは壊れた茶碗を直す・修理する…ではなく、「茶碗を(棚などに)片付けてて・入れておいて」という意味。

関西では「なおす」を使う地域が多いみたいですね(嬉)
関東では「なおすが通じなかった…」と恐ろしい報告を聞いたことがあります(怖)


【からう】

「からう」も九州でわりと使われています。確か、語源は「担ぐ」。

・ランドセルをからう
・リュックをからう

「からう=背負う」です。油断すると言いますね、からう。


【ですです】

相槌を打つとき、宮崎ではよく「ですです!」と言います。

「ですです」は相手が話したことに対し、「そうです、合っています」を伝えたいときに使います。4文字で伝わるのはラクです(笑) 

「です」は敬語。「ですです」も目上の人に使います。身内には使いません。

先輩「この資料って今日の会議のやつ?」
後輩「ですです!」


・ ・ ・


宮崎弁は他にも、こんなんがあるじ!

・よだきい(面倒くさい)
・こちょばい/こちょばゆい(くすぐったい)
・ひんだれる(疲れる)

宮崎弁ってnoteで書いたことがなかったかい、てっげ楽しかった!方言は奥が深(ふけ)えこっせん?


※今回のnoteは、猫野サラさんの企画で書きました。
サラさん、素敵な企画をありがとうございます〜!皆さんもぜひ!




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