小説を書こうと決めたアレコレと、この2ヶ月のドタバタ劇
先週、文藝賞に小説を応募しました。
note以外の場所での応募は初めてで、原稿用紙換算や縦書きなど、慣れないことの連続でドッタンバッタンの日々でした。
これまでは隠してきましたが…その……私は、「なぜ今?」「なぜこのタイミング?」が多い人間です。
入社後まもなく別の町へオフィス引っ越し(徒歩すぐのところに就職したのに)、帰省した年に台風直撃(数十年度に一度の大雨)、行ったお店が臨時休業(コロナ関係なく日常茶飯事)など、ハプニングには慣れたつもりでした。
悲しいかな…今回も例外ではなく、ハプニングの連続。〆切当日までハプニングは続き、ドッタンバッタンで幕を閉じました。
そんなドタバタ劇と、そもそもなぜ小説を応募したのか?の気持ちや考えを残したくて、今回これを書いています。
コンテストでもお題でもないエッセイは、滅多にないです。いつぶりだろう…。いつもよりだいぶフランクに書きます。会話や日記に近いかも…です。
なぜ小説を書いたのか?
理由は複数あります。
note創作大賞
大きなきっかけは、note創作大賞です。「文字数制限なし」にテンションが上がってしまい、約3万文字の小説を応募しました。
noteのコンテストでは主にエッセイで応募していて、小説での応募は記憶している限りだと2つ目です。2つ目で約3万文字…だいぶ無謀でした。中間選考結果が先日発表され、見事に私の名前はなかったです。
選ばれた作品には小説が結構残っており、中には10万文字をこえる小説もありました。今だからいうと、私は「長すぎると選ばれないだろう…」と思い込み、無理やり3万文字前後に抑えたんです。
それが間違いだったと、選考結果を見てようやく気づきました。文字数よりも、内容を重視すべきだったと。長めに書いて面白くなるなら、納得する文字数で書くべきだったと。そりゃー落ちても当然だわと今は思います。
密かにこの文字数問題はじわじわと発展し、「長編小説を書いてみたい」と思い始めたのが今年の1月でした。
(note創作大賞へ応募したのは、昨年12月23日)
そんでもって、どうせ書くなら受賞したいと。
となると、noteで長編小説は難しいと思いました。創作大賞は長編小説がいくつも選ばれていたものの、そもそもnoteでは小説のコンテストが少ないし…少なすぎるし…去年いくつあっt…ゴニョゴニョ……。
そんなこんなで、「小説 応募」と素直に検索し、応募先を決めました。文藝賞に決めた理由は後ほど。
昨年が土台になった
note創作大賞用の小説は、なかなかよく書けたなと思います。もちろん拙いですが…。
未だに誰からも指摘されないので(そもそも読まれていないから無理もない)もうネタバラシすると、あるバンドが元ネタです。タイトルや歌詞から発想し、物語の大筋が決まりました。一応、バンド名はまだ隠します。
今回応募した小説のアイデアも、発想はあるバンドです。上の小説とは別のバンド。
YOASOBIが小説から音楽を作るように、私は音楽から小説を書きました(なんか偉そう…)
私は好きなミュージシャンが多いからか、この書き方がうまくハマっているように思います。たくさんの歌詞を読んできたという自負があり、「そこが小説につながるか〜〜!」と自分でも驚いています。
たとえば、漫画を好きでも漫画家になるわけではなく、漫画をモチーフに音楽や映画を作る人もいます。私もそれに似てるかもしれません(なんか偉そう…)
趣味の多さを活かせる
音楽、漫画や映画の他に、アニメ、お笑い、スポーツ、ゲームなど、私は趣味が多いです(比重は時期によって大幅に違う。今は音楽とお笑いが比重大きめ)
長編小説を書いているとき、「音楽も漫画もゲームもめちゃくちゃ活かせてる〜〜!!」と大興奮でした。何十年も見たり読んだり聞いたりしてきた経験が、登場人物や物語を考えるときにめちゃんこ役立ちました。
たとえば、ゲーム。私はあまりゲームはしませんが、見ることは多いです。『龍が如く』は夫のプレイを長年見てきて、まんまとストーリーにハマりました(渡瀬と柏木さんが好き)
しかも、私は情熱大陸やセブンルールなどのドキュメンタリー番組が好きで、たまに見ます。ドキュメンタリー映画やノンフィクション映画も好きです。それも小説の役に立ちまくっていて、登場人物がぽんぽん増えます。
人生で何度か「うわー!これとあれが繋がった!」と興奮した瞬間があります。仕事だったり、夫との出会いだったり、ラジバンダリ。
長編小説を書いているときも、ちょっと大げさですが、「今ここで繋がるか〜〜〜!!」という感覚でした。
「あの辛い経験を小説に書ける!」
「わー、この人(小説の登場人物)はドラマのあの人っぽい!」
「この歌詞、ラストのイメージかも!」
などなど、私の経験はもちろん、これまで出会った言葉や人、出来事などを思い出しながら、約11万文字書けました。
当たり前だけど、その、小説以外にも言葉って見たり読んだり聞いたりしてるんですよね。趣味が多いお陰で、私はこの何十年もの間にいろんなタイプの言葉を知ったから、長編小説を書けたと思うし、今後も書けると思いました。
そういえば、妄想してた
4月に入り、夫と話す時間が増えました。夫は子供の頃にゲームにハマり、今はゲーム開発をしています。
「子供の頃、何にハマってたか?」「子供の頃、何を楽しいと感じたか?」という話題で盛り上がり、朝6時近くまで話した日があります。
私、友達がほぼいなくて、一人の時間が多かったんです。「なんでこの子は私をイジメるんだろう?」って考えたり、「この子、家族とうまくいってないのかな…」って妄想したりする日が多かったと、話しながら気付きました。
なんなら、今も毎日のように妄想しています。
散歩中は「前のサラリーマン、今日の仕事大変だったのかな。なんの仕事してんのかな」って思うし、スーパーに行けば「この人、めちゃめちゃお酒買うやん。何?パーティー?」とか思うし。犬を見ても「あっち行ったりこっち行ったり、楽しそうやなー。家でどんな風に過ごしてんだろ」と思います。
この妄想行為が、夫にはないと知りました。正確には夫曰く「そこまではしない」と。
だいぶ、衝撃でした。そうか…妄想って皆が皆やらないんだ…と。ショックではなく、「え?やらないの??」というシンプルな驚き。「え?確定申告が終わったら踊らないの??」と似ているかも(踊る…?)
同時に、小説を書く強みかもな…と思いました。【妄想=小説の登場人物の一部を考えている】と捉えられるなと。
物心がついた頃から妄想を続けているので、35年ぐらいでしょうか。妄想、つまり、小説のストーリーや登場人物を考えることが苦じゃないんです。
もちろん、「ここはもっと良い表現にしたい」「うぅ…あたい、情景描写が下手や…」みたいな苦はあります。でも、そこすらも楽しいです。なんでしょう、考えるという行為そのものが好きなんだと思います。好きというか、妄想が習慣になってるから、考えるのは苦に感じない=楽しい。
noteのエッセイ
昨年の私のテーマは、日常と優しさでした。コンテストのお陰もあり、日常と優しさがテーマのエッセイをいくつも書けました。
私がエッセイを書くのは、自分の考えを整理できるから、という理由もあります。いっっっろいろ考えてゴチャゴチャしてるから、整理したい。
noteに掲載したエッセイは、そのまま小説のテーマにできるし、なんなら、先日応募した小説の内容に繋がりました。
エッセイが、小説のざっくりとしたアイデア・ヒントになるな…エッセイをいくつも書いたから、これは小説書けるな…と思ったんです。
(実際、今考えている小説は、これまで書いたエッセイをだいぶ参考にしています)
「今ここで繋がるか〜〜〜!!」はエッセイにも感じます。「そうか、小説を書くために、エッセイを書いてきたのか〜〜!!」と強めに首を振り、捻挫しました(嘘です)
Webライターの技術
私は、Webライターとして働いています。今は執筆の仕事が1割、編集が9割なので、Webライターといえるか微妙な立ち位置ですが…(小声)
曲がりなりにも、仕事は一度も途切れていません。月によって本数は異なるものの、この4年半、毎月記事を書いています。
仕事で書くのは「〇〇する方法」「〇〇の選び方」みたいな記事が多いです。初めて読む人にも分かりやすい記事を、クライアントから求められます。お陰さまで、パッと読んでも分かりやすい文章は書けるようになったと思います。
この4年半が、ベストキッド的に小説の土台になりました。あれ…私…書ける…長編小説書いてる…これからも書けるかも…文藝賞に応募できるかも…と。
まさに狂気
今年の私のテーマは、狂気。
文藝賞選考委員のお一人、町田康さんが次のように書かれています。
狂気に通ずるものを感じ、長編小説の応募先を文藝賞に決めました。
──いろんなことを気にせず、タガを外す。
これは正直苦手です。わりと周りの目を気にして生きてきたので、難しい…。タガを外して小説を書くのは、私にとってかなりの挑戦です。だからこそ、いいなと思いました。挑戦したい。
あと、文藝賞はジャンル指定がないというのも大きいです。ミステリーとか、エンタメとか、特に指定がない。
さらにいえば、直感です。2019年に文藝賞受賞された宇佐美りんさんが出てらしたSWITCHインタビューが、1月29日に再放送。文藝賞を知って間もなくのことだったので、運命だなと思いました。
小説を応募するまでのドタバタ劇
そんなわけで「こいつ、書けるぞ!(CV:ガンダム1話のアムロ)」とポジティブ全開で文藝賞に応募しました。
ところがどっこいです。
文藝賞のことを知ったのが、1月27日です。
↑のツイートの後に「小説 応募」で検索しました。
↑は、文藝賞が3月31日〆切と知ったときのツイートです。
今だからいうと、時間がマジオブマジでなかったんですよ…。ほんと、ギリギリ。
だって、2ヶ月きってる!!!!!
今考えても、どうかしてる。でも、「どうかしてる私も好き」というスーパーポジティブヒューマンなので、応募を決めました(どうかしてる)
ざっと時系列まとめ
言い訳がましいので、こんなこと書きたくないですが、それでも書きます。そもそも時間がなかったです。
だって、2ヶ月きってる!!!!!(どうかしてる)
ただ、1月27日時点で、小説の内容がざっくり決まったのは奇跡でした。
2月8日にラストまでどうにか書けて、約45,000文字。でも、この時点では「犬が歩いた。私に寄ってきた。」ぐらいのレベル。ほぼメモ書き。
日々推敲し、3月16日明け方には約90,000文字。倍率ドン。
書けば書くほど、いろんなことが繋がって文章が増え、焦り始めたのが3月16〜17日頃です。
3月19〜21日の3連休で、どうにか一気に進められました。
ちなみに、印象的なシーンが夜に多い・夜のほうが集中して書けるという理由で、夜に執筆できるよう生活リズムを変えました。
お昼に起床→午後から真夜中まで仕事→真夜中から明け方まで小説の執筆、という生活が約2ヶ月。どうにか書き切りました。フリーランスじゃなかったら、小説書いてないかもしれません。
そもそも時間がない時期
フリーランス…そう、私は個人事業主です。
個人事業主といえば確定申告!!!(異論は認める)
今年の確定申告は、2月16日〜3月15日。お気付きですね…そう、そうなんです。小説の執筆真っ只中に、確定申告をせねばならんのですよ!!
(※「コロナのため」と追記すれば確定申告を延長できますが、延長はまったく考えませんでした。コロナで私の身に何か起きたわけではないので。)
確定申告が1日で終わるとしても、その1日で小説を書きたいぃぃぃと思うぐらい、切羽詰まってました。時間!が!!ない!!!!
結局、確定申告が終わるまで3日かかったので、痛手を負いまくりんぐでした。だいぶメンタルにきて、31日までに出せるか若干自信を失いました。
そして、仕事。
お陰さまで仕事が順調で、抱えきれないほどの仕事量だったのも3月です。詳細を書けませんが、ちょっと、もう、小説を書きつつ仕事をするのは至難の業でした。
ちょうど仕事がいろいろと変更になるタイミングで、覚えることが多く、関わる人も多く、とにかく時間がなかったです。マジで(マジで)
年度末はあれですね、タイミング的に変更が多い時期ですね。忘れてました。
縦書き問題
【そもそも時間がない問題】に加え、【そもそも私は小説の書き方を分かってない問題】もありました。
たとえば、
・行頭は1字下げる
・?や!の後ろは1字空ける
こんなルールが小説にはあるらしいですが、知らなかったです。学校で習ったとしても覚えてない(そもそも国語嫌い問題)
Webの記事では行頭を1字下げることも、?の後ろを空けることもなかったし、気付きませんでした。
極めつけは、縦書き。縦書き…………?
縦書きしたのは、たぶん高校生の頃が最後です。20年ほど前。当然ながら、縦書きのルールも覚えていません。
さらに当然ながら、小説のルールを勉強する時間を含めての約2ヶ月。時間が削られる一方。心で号泣しながら、書いてました。時間がない!!!
縦書きは、3月30日・31日に大問題を引き起こしました。
Googleドキュメントじゃ縦書きできない!!
小説はドキュメントに書いていました。Google先生なら、縦書きはボタン1つでチョチョイのチョイじゃろう…と甘く見てました。Google先生も必ずしも無敵じゃないんですね…。
しかも、Pages(Macで使えるWordみたいなやつ)でも縦書きできない!!
Macが古いからか、Pagesをアップデートできず、縦書き機能が使えません。
せめて3月26日(土)・27日(日)に気付いて調べればよかったのに、〆切直前に気付いたんですよね。30日・31日は半泣き状態というか、もう常に涙目で書いてました。結局、iPadで書きました。
体調不良とケガ
これも私のミスで、3月に負傷しました。
3月に足がしびれた状態で立ち上がり、そのまま盛大にコケました。自宅で負傷するなんて、もはや一人コント。笑う(笑えない)
幸い、大したことはなく、今は特に支障なしです。
また、気温差と気圧による体調不良も重なりました。あれですね、そういえば3月って体調不良しやすいですね…。ははは(笑えない)
倦怠感と耳鳴りと耐え難い眠気に挟まれて小説を書くのは、なかなかのなかなかに大変でした。
地震
3月31日のギリギリまで粘り、小説を書いていました。約11万文字、原稿用紙約350枚。ほぼ寝てないし、もう泣きそう…という状態が丸一日続きました。精神状態ギリギリ過ぎて、応募やめようかなと何度も思いました。
そんな中、3月31日23時34分頃、京都府南部で震度4。我が家は震度3の地域で、それなりに揺れました。
もうコントと断言していいぐらいのタイミングで地震。今揺れる?揺れてる場合じゃないんやけど?と思いながら、ギリギリのギリギリまで書き続けました。
次回作を考えています
第60回の文藝賞原稿募集がもう始まっています。
大学入学のタイミングで完全週5日制になったように、初めて行った京都音楽博覧会が豪雨で中断されたように、やはり、私は何かが起きるようです。
1年限定で、「短篇部門」特別募集!
短編の募集は59年ぶり、しかも1人3作まで応募できる!!!
これを知ったとき、「またか…またこのパターンか…文藝賞もこのタイミングで特別なことが…」と震えました。
とにかく時間がなかった、約2ヶ月。
これから書き始めれば、約1年あります。6倍も!時間が!ある〜!!
こんな特別な年に応募が間に合うなんて、ゆっくり書けるだなんて、運がいいなーと思います。タイミングが良すぎる。
noteのコンテスト同様、応募するからには、受賞するために応募してます。「こんなんじゃ受賞は無理だろう…」という作品は応募しません。読む方に申し訳ないので。
今回だいぶギリギリでしたが、受賞するつもりで応募しました。時間はなかったものの、書いた内容には納得しています。
約2ヶ月で約350枚、約11万文字の小説を書いたのは、今考えてもどうかしてると思います。ほんと、どうかしてる…。
だけど、これがかなりの自信につながりました。もっと時間をかければ、もっといい作品を書けるだろうと。
もう次回作を考えていて、今週から夫に思いついたストーリーを話しています。3日連続で日の出まで話しました。
話すうちに「こういう話を思いついた!」と私の妄想は膨らむし、「こういうのどう?」と話す夫のアイデアはとても参考になります。
今日、これなら書けるかも…というストーリーの大筋を思いついたので、早速この土日で書き始める予定です。
月曜に載せている短編小説も活きてきて、コーヒーは小道具で出そうかなと考えています。そう、短編小説も、アイデアの種ですね。
そんなこんなでこれからも、仕事をして、4コマや短編作品を載せ、たまにエッセイも書きつつ、遊びつつ、軸は文藝賞用の小説執筆です。
夫が今日、「出会って今が一番輝いてる」と言ってくれました。
「輝いてる姿を見ていると、自分もがんばろうと思える」と。そんなこと言われちゃあもう受賞目指して突き進むしかないので、年内も引き続きドッタンバッタンになりそうです。
わーお、7000文字こえとる。長々と書きすぎました…。最後までご覧くださった皆さん、ありがとうございます!小説、書きます!
サポートしてくださった分は、4コマに必要な文房具(ペン・コピック等)やコーヒー代に使います。何より、noteを続けるモチベーションが急激に上がります。