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ニッポン国おかんアート村

おかんパワー炸裂! 

手編みのドレスを着たキューピーたち。ニットの鍋敷や食器洗いスポンジ。毛糸や古布のハタキ。あまり布で作った草履。カラー軍手の人形たち。和紙のつまようじ入れや、和紙で飾った牛乳パックの小物入れ。和紙のフィルムパック人形。折り紙組細工。ビーズやロープで作った籠。リボンの金魚。貝殻の根付。ちりめんの小物。布や和紙や毛糸製のテイッシュケース。松ぼっくりのちりめん飾り。ビーズの小物入れ。茶店で包んだ石鹸の臭い消し。新聞チラシでおった卓上ゴミ入れ。新聞紙の紙バック。サントリーオールド(ダルマ)のダッコちゃんもどき人形? キティちゃんもどき人形? その他日常生活の中の材料で作った不思議なものたち.........。

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ここは、渋谷公園通りギャラリー。原色の極彩色の存在感のあるものたちが、ずらりと、いや、ごちゃっと並ぶその空間に圧倒される。よくぞここまで集めたものだ。よくぞここまで作ったものだ。昭和の時代に、お母さんやおばあちゃんが作ったこれらの物が、茶の間や玄関あるいは電話台やサイドボードに飾られていただろうが、今の時代にお目にかかるとは思わなかった。しかも渋谷で。いや、ごちゃごちゃした渋谷だからこそできるのかな?面白い展示だ。作り手はおかんであって、多分ママンにはない、色使いやインパクトのある形態ばかりだ。一つや二つは多くの人が見たことがあるだろう。作ったことがある人もいるだろう。私自身も子供時代にいくつか作ったことがある。チラシで折る卓上ゴミ箱は今でも作る。

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「オカンの辞書には断捨離はない」というコピーを展示室内で見かけたが、そう、この世代は物を粗末にしない、物を大事に使う世代でもある。用が済んだリボンや毛糸の切れ端やフィルムパックやヤクルトの瓶が、生き生きと別の物に生まれ変わる。チラシのコピーの言葉を借りれば「もっとも過激なアーティスト?!」こそ、おかんなのだ。

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この展示、ネットで炎上したと友人から聞いた。ネットの書き込みは見ていないが、なんでもジェンダー問題になるとか? 

いやしかし「老若男女、みんなが作った廃材アート」では、意図するところが違ってくる。日本人は日本人のアイデンティティーがあるように「おかん」という位置づけも決して女性差別や女性軽視にはならないはず。肌の色が違っても年齢や性別が違ってもみんな何かしら作っている。その中で「子供の造形の展覧会」もあれば「障害者の創作物の展示」もあれば「おかんの作った物の展覧会」もある。私はそんなふうに捉えている。

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