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あるがままのアート -人知れず表現し続ける者たち-

東京藝術大学美術館  2020.9.6閉幕

こちらも既に閉幕していますが「わたしはちきゅうのこだま」展と同時開催だった「あるがままのアート」展。

既存の美術や流行、教育、障害の有無、それらに左右されず、人知れず自由に想像し続けるアーティストたちの展覧会です。この独学のアーティストたちの作品は20世紀初頭に「発見」され、美術の世界に衝撃を与えました。世界的にも注目を集める「あるがままのアート」の世界。会場では関連番組の「no art, no life」の映像も流れていました。

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●  藝大美術館入り口と、正門前の看板  ●

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とにかく、仕事が細かい。色鉛筆で、サインペンで、切り紙で、粘土で、落ち葉で、紙とボンドで、絵の具で、何時間も何か月もコツコツと仕上げられた作品たち。

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どこまでもこだわって、ひとつ仕上がるごとに恍惚とした表情を浮かべたり、作品が変化?成長?する過程を楽しんだり苦悶したり、外部の世界が侵入できないほど集中して、それは、本当に彼らの生活そのもの。

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飽きることなく積み上げられたもの、そのものが作品であり、作家自身であり、下書きのない、生きた時間の積み重ねであり、作品を目にして、ただ、息をのむばかりだ。

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路上にびっしりと並んだ粘土細工の人形?は一体とて同じものはなく、個性を持った私たち一人一人のようでもあり。様々な色合いの繊維が絡まりあってできた物体?は喜怒哀楽の表現のようでもあり、生き物の臓器のようでもあり。見る者によって解釈は様々だろうけれど、インパクトは大きい。

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発掘された「縄文のビーナス?」あるいはどこかの国の古代の神々?トゲトゲ?のついた焼物は、祈りを捧げたくなるほど神々しい。

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映像「no art, no life」では、一人一人の制作過程や日々の様子(人により彼らを支える家族や施設の人たちの姿)が流れている。語りは樹木希林の娘でもある内田也哉子。淡々とした口調が個人的にも好きだ。


〇関連番組[no art, no life]                       水曜22:45~<Eテレ> 火曜21:15~<BS4K>            土曜11:50~<NHKワールド>



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