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【ネタバレ含む】龍が如く8の感想とシリーズ物の難しさを感じたというお話

※本稿は龍が如く8を含むシリーズのネタバレを「ガッツリ」書いています。未プレイの方でネタバレを踏みたくない方は、ブラウザバックかタブを閉じてください。

龍が如く8、約90時間ほどかけてクリアしました。
発売前から「クロスレビュー満点!」「ボリューム多すぎ!」とかなり大風呂敷を広げておりましたが、実際プレイしてみてそのボリューム感は凄まじいと思いました。
シナリオですが、ここは過去最高とは言えないなぁというのが正直なところです。
これまでのシリーズでよくある流れともいえる、序盤に現れるの登場人物の中にラスボスが潜んでいるパターンは踏襲。なので、海老名がラスボスかもというのは予想はできました。だが、一方で「桐生ちゃんと比較したら小物過ぎでは?」という印象が拭えず最後まで「海老名がラスボスであって欲しくない」という気持ちが残ったままラストを迎えてしまったなぁ、と。そりゃ、裏社会では伝説を通り越して神格化された存在となった桐生ちゃんを前にしたらどんな人物でも小物になってしまうのは致し方ないけど。例えば龍7の春日だと、荒川真斗はラストに相応しいボス(=ライバル)だったけど、龍7の主人公が桐生だと真斗は小物過ぎたと思うので。

海老名が春日編のラスボスだとしたら、荒川真澄(おやっさん)の異母兄弟という強烈な因縁があるのでもっとドラマチックに描けたかもだが、海老名は序盤と後半でしか顔を出せなかったし、海老名が異母兄弟というのは最後の方で判明する事実だったから春日視点からしたら唐突に事実を突きつけられてわけわかんない状況だっただろうし、まぁ無理があったのかな。

龍8の敵役については他でも語られる通り小物。
ハワイのマフィア、バラクーダの頭領ドワイト
同じくマフィア、ガンジョー
そしてパレカナの教祖ブライス(cv古谷徹が悪役!?というのが驚き)
この人たち、結局日本の一ヤクザに踊らされただけの駒だったというね。。

龍が如くに限らず、一つのシリーズが長く続くとその主人公は存在が大きくなりすぎるという問題が必ず発生します。
わかりやすいところだとメタルギアシリーズ
主人公のソリッド・スネークはメタルギア、メタルギア2,メタルギアソリッドを経て伝説の傭兵となり老獪な人物になった。
そのため、メタルギアソリッド2では主人公を雷電に変更しソリッド・スネークはストーリーテラーの役割になったし、メタルギアソリッド3は主人公と時代を変えた。
そしてメタルギアサーガ最終章となるメタルギアソリッド4は老いたソリッド・スネークが主人公となるのは、龍8でがん患者となった桐生と重なって見えました。
長く続くシリーズものだとこの辺りが難しくなるんだろーなーと思わされますな。
DQやFFが長期シリーズとなっているのは、毎度主人公や舞台が変わってるからなのかも知れませんね。前後の文脈を考える必要が無いから。

龍8をクリアして感じた事が、面白かった面白くなかったという前に上記の難しさだったのがなんとも微妙だなぁと。龍7外伝がとても良かっただけに。
ただ、龍8をプレイした後に、ここから過去作を遡るのはアリだと思いました。



龍が如くは、よく「0、1,2,7が名作」と評されます。
同じ龍が如くスタジオが制作したジャッジアイズ・ロストジャッジメントも名作と評されますし、僕もそう思いました。
何故か?と考えた時、僕の中でその答えを出すのは簡単でした。

まず、龍1
これは桐生と遥の物語であり、遥を軸に物語が展開します。
龍2
桐生最大のライバル、郷田龍司の存在。ここまでは良い。

じゃあ、龍3~龍6は?と言われると、意見は様々ですが
僕としてはあまり記憶に残るようなストーリーではなかったです。
で、龍0や龍7が名作と言われますが、脚本を担当した古田剛志氏の功績が大きいのは間違いないありません。

ですが、僕は「遥の存在が足枷になっていた」のでは無いかと思いました。

龍3こそ沖縄の児童養護施設の存在がありましたが、正直なところストーリーの本筋ではなかったし、龍4も同じく。
龍5は無理やり主人公の一人にしてましたが、あれは秋山が子守をしてたようなもんだし・・・
で、龍6ではあんな事になって一気に嫌われキャラに。
ところが、龍0は遥が生まれる前の話だから遥を描く必要がないし、7は主人公が変わってるから遥は関係ない。
足枷が無くなったことで、ストーリーが生き生きしてると感じたのは事実です。
ただ、遥や児童養護施設の存在で感じていたモヤモヤを龍7外伝で一気に回収されたのは鳥肌もんでした。
あれは見事だった。

で、龍8になると今度は桐生の存在が良くも悪くもストーリーを難しくしていると感じました。(白髪の桐生ちゃんはシリーズ1カッコいいと思います!!!)
しかし、春日の方も龍7で語り尽くされたのか龍8では春日を掘り下げる要素は少なかったと思いました。
エンディングで三田村英二に手を差し伸べ、背中におんぶして運ぶシーンは龍7の真斗との対比を描いてるなぁと思いましたが、ちょっと春日の菩薩っぷりはどうかな、と。(あれを春日の魅力と捉えることももちろん出来る)振り返ると、龍8って遊べる要素がめちゃくちゃ増えたのが最大のウリで、シナリオはちょっと浅かったなーという感想でした。
できれば、山井をもっと深堀りしてほしかった。あれは良いキャラ。

龍が如くスタジオ代表の横山昌義氏は以前に
「ヤクザは、反社会勢力は、決して幸せになってはいけない。だから、桐生や真島がプレイアブルのときは東城会を破門された状態になっている」
という趣旨の発言をしていた記憶があるので、
龍シリーズのエンディングはだいたいが切ない感じになります。
今回の8も、春日は警察署の前で飛んできた瓶が頭を直撃し「痛ぇなぁ」とそのままぶっ倒れて終了、桐生ちゃんも放射線治療室でやつれた顔で自分の名を言って終了(ここで自分の名を取り戻したのは胸熱だったが)。

龍7で東城会&近江連合が解散となっているので、龍8は海外マフィアを描いたように見えましたが、今後どうするんだろうなぁ。
横山昌義氏は、
「龍7外伝は桐生の子離れの話、龍8は春日の親離れの話」
と言っていました。
今後の龍が如くは、春日の親離れを描くのかなぁ、と想像してしまいます。

僕個人としては、剣と魔法とかロボットとか、そういう非現実的な世界観よりも近未来SFや現代劇といったような現実感を感じる世界観が大好きなので、(主人公が若すぎないという点も重要)
今後も龍が如くシリーズ、もしくはジャッジメントシリーズの新展開を期待しています。


あとがき
あ、ソンヒは最高でした。

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