見出し画像

WiFiなき生活とモスバーガー お年玉は紙幣がいいよね、例えばそんな話。

7月3日。新紙幣が刷られたらしい。
蒐集癖がある僕としては、さっさと手に入れてしまいたいものであるが、もう少し時間がかかるだろう。
でもまあ、あんまり関係ないかな、とする世間様は多いんじゃないかな。
銀行残高をスマホで確認し、タッチ決済をする。おつりも出ないし、割り勘も簡単。紙幣が要らない時代もそこまで来ているのだろう。

でもね、WiFiがない人間には、ちょっと厳しいものがあるってこと、知ってほしい。

最近メルカリで赤い公園のCDを検索していた。まじで、ない。あっても結構な価格で、歯噛みする生き物になる。
モバイルPASMOに7月分の交通費をチャージした。適当に3000円。
あとはInstagram見た。note見た。日経新聞見た。
今月の通信量、600MBなんだけど、どうしてくれるのさ。

僕は月に3.1GBのデータ通信が可能なSIMを保有している。
つまりね、1日で100MBくらいに抑えないと、月末に低速で地図すら開けなくなる。
そんな人間が、QRコード決済やインターネットバンキングを、世間様と同様に使えるはずもない。
そういう訳で、僕にとって現金はなくてはならないものだ。

まああと現金の方が、「ない」ことがわかっていい。
僕の財布の中身は多分5000円もなくて、そう、「ない」ということがわかるだけで節約になるのだ。
自由度が高いこの世界で、ちょっとした縛りは楽しいものだから、たまに不安に駆られるという点を除けば、お金がないことはそんなに悪いことじゃない。
まあ、そうじゃなくても僕は現金が好きなんだろう。

昔、図書館で本を借りるのが嫌いだった。
学校の図書館は少し古くて、『耳をすませば』みたいに、借りる際には本の奥付の紙に名前を書かなければいけなかった。
どうして僕が借りたという情報を、他の人に知らせなければならないのか、と思った。
確か、この世界はちょっと素敵で、他人の本の貸し出し情報は個人情報として公にできないのだそうだ。
それでいい、と思う。

ブロックチェーンという技術がある。分散型台帳というらしい。
誰から誰へお金が移動した、という情報が、数字の羅列になって残る、そういう技術だ。
もちろん、その情報を解凍して閲覧するのはそんなに簡単じゃないけれど、なんとなく嫌だな、と思う。
だから、僕はなんとなく現金が好き。
お気持ちだけどね。

僕が今日、化粧落としを買ったことも、
僕が今日、電車に乗って移動したことも、
僕が今日、小さな詩集を買ったことも、
僕が今日、あなたにプレゼントを買ったことも、
知られてほしくない、秘密なんだよ。

こういう時ばかり、こざかしい乙女になってみようかな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?