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マスクつけて空手

神田伯山、武田砂鉄と、楽しいパーソナリティーが続くので、金曜の夜はラジオを聴くことが多い。「2600億円の税金が投じられたという安部のマスク、今年を記念するものとして、皆さん壁にでも貼って貼っておきましょう」との提言に苦笑。5寸釘も打ち込みたい。でも、どこにしまったっけ?

先日、世話になった自動車修理店に立ち寄ったら、珍しく息子さんが店番をしていた。元々空手家で、ここ数年、東京オリンピックの準備に奔走していた。正式種目ではないが、2016年のリオデジャネイロの総会で追加種目に決まって以来、準備委員会のメンバーとして働いている。

一見、ごくごく普通の親切で穏やかな人だが、変わった経歴の持ち主だ。空手はもちろん黒帯の有段者。その腕前を買われ、ロシア大使館で指導をしていた。プーチンさんを始め、ロシア人には空手の愛好者が多い。

そうこうするうち、中南米の大使館員と知り合いになり、是非にと請われ、エクアドルだったか、ベネズエラだったかの副大統領直属の空手指南者になった。彼の国では下へも置かない扱いで、修理店の社長も一生に一度のチャンスとばかり奥さんと一緒に旅行に出かけたら、滞在期間中、政府専用のヘリコプターをパイロット付きで使わせてくれたそうだ。

しかし、暴動やクーデターが日常茶飯事のお国柄。長く暮らすのは不安と、帰国して修理店の仕事を手伝い始め、後継ぎが出来てよかったと思っていた矢先、東京オリンピックが決定。おまけに空手も、初めて取り入れられることに。南米の空手熱はものすごく高いそうで、前開催国ブラジルからの引継ぎ事項や、中南米諸国の空手団体との調整など、彼の経歴はまさしく東京オリンピックにうってつけ。ポルトガル語とスペイン語もほぼOK。

が、延々と、こんな状態だ。

出場選手未定という国も多いという。通常いくつかの世界大会を経て出場者が決まるが、年始めから、大会は軒並み取りやめになったから、選考自体がされていない。また、スペイン、ポルトガル、中南米諸国で人気の空手だが、コロナで大混乱している国々と見事に一致。仮に日本が決行を叫んでも参加国がどれだけあるのか疑問とのこと。

日本生まれの空手をオリンピック正式種目にし、もっと世界に広げたい。そう考える人々にとって、東京オリンピックは絶好のチャンスになるはずだった。

みみずもちょうど去年の今頃、公民館で空手を習い始めた。ハマりかけていた。が、休講のまま再開の目途はたっていない。

「僕の道場はマスクつけて稽古してますよ」滅相もない。あちらもその辺は心得ていると見えて「僕の道場に来ませんか」とは決して言わない。

オリンピック、開閉会式の企画メンバー解散のニュースが報じられた。

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