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非メロン道

「メロン」

私はメロンが嫌いである。
そして苦手。


嫌いで苦手をわざわざ
取り上げるのもどうかと思ったが
好きも嫌いも表裏一体。
そこから自分の深層心理へ
アプローチするのもまた一興。


さて


メロンが嫌いで苦手。
これは動かしようのない事実だが
これといった理由を挙げれるほど
メロンさんとの接触頻度はほぼない。


つまりなぜ嫌いなのかが明確でないのに
嫌いで仕方がないという。


20代半ばまで
口にしたこともないし
匂いを嗅いだこともない。
なんならメロン売り場が遠目に見えた時点で
避けて通っていたくらいだ。


だから、嫌いだとか
苦手だとかを表現として
あてがうのは若干違う気もするが
これより他にぴったりとくる言葉が
みつかってないので
今の所はこれでいくことにする。


本当に不思議な話なのだが
メロンを口にしたことがないのに
ずっと嫌いで苦手。


味も匂いも全くもってわからないのに
なのになぜ嫌いで苦手なのがが
私にもさっぱりわからない。


メロンさんには大変失礼な話だけれど
本当なのだから仕方がない。



あなたは
そんな食べ物、ある??



私はメロン(何度も言う…)



まずは、味覚という角度から
メロンとの関係性を
掘り下げてみることにした。



私たち人間の舌には
味蕾(みらい)という
味刺激を感知する機能が備わっており、
その器官は
成人より幼児の方が発達している。


そのためちびっこは味に敏感になる。


だから、子供の頃は食べれなかったものが
大人になって美味しくいただけるということも
起こりうるそうな。


ビールとか
ピーマンとか
しいたけとか
ねぎとか
辛いのとか?



あるよね〜。
(ちなみに私はシメサバ。)



だから子供の時に一切ダメだったメロンが
大人になって食べれるようになるかも!!!


と淡い期待を抱いたが無駄だった。


なんせ私に限っては
この味覚は一切関係ない。。。
味蕾が発達しようがしまいが
全くもって関連性が持てない。


だって、食べてないのだから。
グゥの根も出ない。
味蕾説惨敗。


続いてメロンと名のつく
食べ物について触れてみることにする。


代表的なものとして
メロンパン。メロンソーダ。
が挙げられるが
これにまつわるエピソードを
シェアさせていただきたい。


忘れもしない小学四年生の時。


メロンパンやメロンソーダも
メロンの仲間だと思って
鉄壁の守りで避けてきたけれど
同じクラスのあきちゃんが
メロンパンを目の前で
あまりにも美味しそうに食べていたので
私は思わずうっかり尋ねてしまった。


「メロンパンってメロンの味するん?」


あきちゃんは
その時どんな顔をしたか
覚えてないけれど確かこういった。

「メロンパンってメロンの形っぽいだけで
メロンと何の関係もないパンよ」


青天の霹靂。
目から鱗。
寝耳に水。


「メロンと何の関係もない」


しかしまだ信じられなかった私をみて
あきちゃんは何かを悟ったのか
メロンパンを私に差し出して食べさせた。


私は恐る恐る口に運んだが
完全にメロンとは関係ないことを
味覚と嗅覚で確実に確認した。



なんだこれは。
メロンの味がしない
(味は覚えてないけど口に入れればわかる)
メロンの匂いがしない
(匂いも覚えてないけど嗅げばわかる)


お・い・し・い


メロン鎖国だった私は
全ての生活の中から、人生の中から
メロンを排除し
NOメロンを貫いていたけど
ついに鎖国にピリオドが打たれた。


メロンパンナちゃんにも謝っておこう。


メロンパンには
通行手形を即日発行。
メロンと関係ないのだから
毛嫌いする必要もない。


ようこそメロンパン。



ひょっとしたら、、、と
私はあきちゃんにメロンソーダについても
同様に訊いてみた。
あきちゃんの答えは同じだった。


ようこそメロンソーダ。


メロンパンとメロンソーダとの
和解は進んだが
あいも変わらずメロンとは
国交が断絶したままだ。


理由もわからず嫌いでいるというのも
なかなか疲れる。


なぜ嫌いかが
自分の中ではっきりとわからない。


どこにしまったらいいかわからない
溢れてしまった
パンツのようなものだ。


ずっと表にでたまま。


なんでここにパンツがあるの?
って聞かれても
「わからない」としか答えられない。


つらい。

メロン嫌い〜
メロンいや〜
メロン苦手〜

いい加減疲れてきた
20代半ば。


こうなったら
スピリチュアル頼みだ。
と、知人の知人にいわゆる「視える人」がいて
その人に私がなぜメロンが嫌いなのか
苦手なのかをみてもらうことにしたのだ。


なんやかんやで
メロンとの経緯を簡単に話た後
視える人は私にこう言った。


あなたは昔メロン農家に育ちました。
家も裕福でとても幸せに暮らしていたのですが
ある時、強盗が押し入り
メロンは盗まれ家族も殺されました。


メロン畑には
殺された家族の死体が転がって
見るも無残。


あなたはメロンを見ると
無意識にそのことを思い出してしまうので
メロンのことが嫌いで苦手なのです。



ほほぅ。



全くもって確かめようがないけれど
ストーリーとしてはとても興味深い。
理にかなっている。
私はすぐにそれを無条件で採用した。


そこから私は
「過去世」という便利な解釈をつかって
メロン嫌いを公に肯定することに成功した。


過去世が。。。
胡散臭さマックスだけれど
実に清々しい。


聞いている人もなんとなく納得している。
それでいい。
これでいいのだ。


しかしそうこうしていると、
新たな刺客が登場、
「おいしいメロンを食べたことがないからよ」
とめちゃめちゃ高いメロンを
差し出してくる
メロン親善大使のおでましだ。


私は正面から真っ向勝負に挑んだ。
私の味覚と嗅覚は屈しなかった。


夕張メロンも
千疋屋のたっかいメロンも
目が飛び出るほどの高いメロンも
全てにおいてNOだ!


これからもきっと
親善大使は現れるだろう。
でも負けない。
屈しない。


スイカは食べれるの?
きゅうりはどう?
の質問にも屈しない。


非メロン道はこれからも続く。

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