心理学実験Ⅱ ミュラー・リヤー錯視課題 【評価A】(聖徳大学)表・考察・引用文献付き
心理学実験Ⅱ/心理学基礎実験中級
ミュラー・リヤー錯視
問題
私たちは普段生活している世界をあるがままに知覚しているわけではない。そのような事象を錯覚という(松田,2000)。そして、錯視とは視覚的錯覚のことであり、対象(刺激)の大きさ、形、明るさなどが、本来の物理的性質と異なって見える現象である。錯視は単なる見誤りではなく、我々が普段生活している世界と私たちの中で構築されている知覚世界とのくいちがいやずれを顕著に表している。従って、錯視を研究する事によって、私たちの知覚世界を成立させる基本原理を探ることができる(椎名,1995)。
代表的な錯視現象として、ミュラー・リヤー錯視がある。本実験では、代表的な錯視であるミュラー・リヤー錯視を取り上げる。この錯視は、主線とその左右に位置する矢羽とで構成される(北岡,2010:Figure1)。そして、矢羽の角度の変化によって主線の見かけの長さが本来の長さとは異なって知覚される。このような錯視を幾何学的錯視という。本実験では、主線と矢羽のなす角度に注目し、その影響(見かけの長さの変化)について検討する。また錯視が発生した場合、なぜそのような見えのズレが生じたのかを考えてみる。
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