見出し画像

断酒生活

2022年7月15日から断酒を実践している。この二年間で、飲酒への執着を断ち切り、二日酔いの不快感からも完全に解放された。ソバキュリアンとしての自覚も芽生え、今では「飲みたい」という気持ちは微塵もない。

断酒を決意した背景には、二つの動機がある。まずは、痛飲した翌朝にありがちな、前夜の行動を反芻しながらの自問自答。この繰り返しに辟易し、やがて飲酒自体が煩わしくなった。加えて、新型コロナウイルス感染症の後遺症(記憶障害や集中力の低下)に悩まされ、脳の萎縮に強い危機感を抱いたことも一因。当初は「断酒=人間関係が希薄になる」という先入観に囚われていたが、身体の声に耳を傾けると、「断酒」の一択。後者の艱難辛苦に後押しされ、真摯に取り組むことにした。

「一年間、断酒をする」。この目標を一つのプロジェクトと捉え、段取り八分で準備をした。はじめに、悪習や飲酒の引き金となる要因を徹底的に洗い出し、自分自身の弱さと向き合う。アルコールの代替品としてCBD・CBN製品を活用する。モクテルやノンアルコールドリンクが豊富な飲食店を探す。このように傾向と対策を万全に把握し、素面での楽しみ方を見出すことで、断酒生活においてストレスが生じないように心がけた。

それから二週間が過ぎた頃、顕著な変化が。コアラマットレスの導入も手伝って、寝付きが良くなり、爽快な目覚めを迎えるようになった。起床後は充足感に満ち、頭も冴え、家事と仕事が円滑に進む。断酒前と比べると、その違いは雲泥の差。上質な睡眠が日中の活動に大いに貢献していることを、改めて実感した。なお、断酒によってもたらされる睡眠について、「ソバーキュリアス」の提唱者であるルビー・ウォリントン氏は、著書の中で「オーガズムな眠り」と形容している。

ルビー・ウォリントン、永井二菜訳(2021)『飲まない生き方 ソバーキュリアス』方丈社.

飲まない選択が当たり前となり、身体と生活が一変した。街に灯りが煌めくと、かつて痴態を演じた自分の姿に懐かしさすら感じる時も。しかし、冷静に振り返ると、問題はアルコールや飲酒自体ではなく、自身の飲み方や思考にこそ改善の余地があったと痛感している。

断酒による成果は、睡眠の質の向上をはじめ、体脂肪率の減少、味覚の改善、疲労の軽減、日常の効率化、貯蓄の増加など、多岐にわたる。当初懸念していた人間関係については、飲酒が必須のお店からは足が遠のいたものの、コミュニケーションの質を意識したことで、杞憂に終わった。前述の後遺症は改善傾向にあり、私にとって断酒は最適解。今後もソバキュリアンを続けつつ、自己管理にも一層注力していきたいと考えている。(M)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?