Waterbee

ご覧くださりありがとうございます。 本作品群は、waterbeeという架空の都市を舞台…

Waterbee

ご覧くださりありがとうございます。 本作品群は、waterbeeという架空の都市を舞台にしたSF文学作品*です。 日記のように主観的に綴られる文章・音楽・挿絵が一つの単位であり、各々が相互関連しています。 *文学とは、主題、構造、主人公から構成される作者の意図を隠した推理小説

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FOMA

思想の変数は局所的自然環境であり、思想だけを他の自然環境に持ち込んだ場合、争いが起こる。砂漠の環境を生き抜く知恵と思想は、平野や山岳では争いの元凶となる。形作られたもの。FOMA。

    • NSN

      2087年6月3日 今日の新聞の見出し「バヒライエ州でイオレットートジカルオンレクトロンを発生させた。細菌に弱い植物もよく育ち、食品の保存期間も少し伸びた。もう一つ、NSNが生じ、SNSが消失した。」また、2ページ目には、こう書かれていた。「バヒライエ州およびICAEの協力により、2027年にwaterbeeは、南側の人々の別荘地帯を北側の森林を開拓した土地に創り、同時に産業・労働力・資源・インフラを導入し、災害に強くなった。今日はその60周年記念である。waterbeeとバヒライエ州では、式典が開かれた。」

      • みゅんコルテ

        2941年2月4日。セカンドハーモニックモードロック。近づくと反発し、遠ざかると抵抗が無くなる。落ち着いたカフェでひと休み。赤い風の流れに同調してみる。揃った思いがソリトンとなり、やがて長蛇の列で行進しはじめる。見えるのは、同じ背広。1000年前に何があったのか?700 cm/sで衝突すると高熱を発する2つの重い物体は、通り空を飛んだのだろうか?それとも川を泳いだのだろうか?どちらにしても階層化された人々の見えない仕切りは、非整数次元に似た悍ましさを漂わせている。

        • 翡翠

          こっちの翡翠の薄いトンネルは、緑色に光っている。見たことのない光景。遠くのスポットライトが斜めから当たっている。AGI256がトンネルの外の斜め後ろから声を出している。コインシデンス効果でよく聴こえる。

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          Start

          0000年0月0日 はじまる

          補充と消費

          大きな影は音をたてながらこちらに歩いてくる。エネルギーを補填しながら、でもすぐにそれを消費しながら。青い顔をこちらに向けている。少し待っているとタンクが積んであるのが見えた。水だ!言葉にならない希望が目線から溢れた。2069年8月31日。

          補充と消費

          補充と消費

          smoke caravan

          あー 水が欲しい。緑のサボテンはもう絞ってしまった。手に染み込む最後のサボテンの水。caravanをやっていてこんなにオアシスが枯れていたことはない。これで5箇所目だ。20人が生き残るには、きつい。大きな影がこちらを見ている。2069年8月31日。

          smoke caravan

          smoke caravan

          小人の歌

          クオリアは声高らかに歌う。自らが因果を創り上げたと言わんばかりに。2073年8月6日。

          小人の歌

          小人の歌

          MACTRIGERRRRRRRR

          M2から更に万能へ。選択による不安定性を乗り越えて、背中をそっと押す。集中砲火しながらバーティカルな自由度のある過去を思い出す。2033年9月3日。

          MACTRIGERRRRRRRR

          MACTRIGERRRRRRRR

          repeat:

          時を経て、落ちた水滴は、葉っぱを揺らし、さらなる音を返す。2226年8月15日。

          Kao wo agete

          西のはずれにある森にきた。1分もしない間にスコールが降り始めた。背の高い木々に囲まれながら、葉っぱについた水滴が徐々に額に当たる。水滴は形状を変える柔軟さを教えてくれる。2147年8月15日。

          Kao wo agete

          Kao wo agete

          祈り

          祈る。そして、祈る。 3003年

          Long Run

          いつかもらった、パズル。ピースの数が多く3000個もある。描かれた完成図に近づいていたが、完成させる意味を考え、途中でやめた。パズルの中に描かれた木製の棚には、使い古されたレンチやガイドラインが置かれていた。それらの小物には、どんな過去があるのか、どんなストーリーがあるのか。考えていた。後ろから夕陽が照らす。いつかこのパズルに描かれた世界の爽やかな風を浴びながら、ぼんやり時を過ごしたい。2079年5月2日。

          Short bomb 30

          80万個の光の球が浮揚している。「30」と銘打たれた箱の中、光の8つが眩く光った。数年後それらの光は消えた。2456年5月7日。

          Short bomb 30

          Short bomb 30

          聴いてはいけない曲

          waterbeeの14番街と16番街にかつて存在した薬局跡地がある。その跡地には、赤いボタンのついた黄色と緑のラジオスピーカーがある。そのスピーカーは薬局の集大成らしく、最後にスピーカーのみが残った。赤いボタンを押すと、押した人の未病の治療に必要な気体化薬剤と空気が音と共にラジオスピーカーから出てくる。2147年5月1日。

          聴いてはいけない曲

          聴いてはいけない曲

          物々交換と嘘

          トラックが着いた。荷台の扉を開く。いっぱいの嘘が詰まっていた。もちろん、こちらのトラックの荷物と交換する。中には食料と日用品と道具と...。 「えっ、釣り合ってないって?」2033年9月14日。

          物々交換と嘘

          物々交換と嘘