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これからの引越し先を選ぶときに絶対チェックしたほうがいいこと

「家賃は高くて部屋は狭い」これは都心に住む人には仕方がないことです。でも少しでも快適性を高めるために重要な要素は…


窓から見える景色です。

ウルリッヒは病室の窓から見える自然の風景が良い効果を持つことを示しました。
胆嚢除去手術後の患者の回復期に、レンガ塀が見える患者と、自然の風景が見える患者にわけて調べ、後者が回復が早く、入院日数が短く、痛み止めの使用量も少ないことを明らかにしました。

私自身、以前平日朝から晩まで会社で働いていた時期に引っ越した事がありました。当時は「家は夜寝に帰るだけ。休日は寝溜めするか、お出かけするから、景観は気にしない。」と考え、お向かいに別の大きなマンションが建っていて、日当たりが悪いけれど立地の割にお値段が手頃な部屋を選んだ事がありました。

最初は全く気にならなかったのですが、後にストレスから体調を崩して休職することになった時期は、最悪でした。数十メートル離れているとはいえ、上を見上げれば空が見えるとはいえ、普通に生活してて目線の高さで抜け感が全くないのは、予想外にキツいことでした。圧迫感、閉塞感、八方塞がり感…当時の弱ったメンタル状態には追い討ちでしかなかったです。

次の引っ越し先では何よりも眺望の抜け感、緑が見えること、南向きで日当たりがいいことを条件に探し、身体感覚がだいぶ楽になった記憶があります。あの時は、自然の風景の影響力に関する知識なんて全くなかったけれど、直感で求めていたんでしょうね。

というわけで、多少何かを我慢しても、心身の健康のことを考えたら、部屋選びに「窓から自然が見えること」は大事なチェックポイントにしたようがいいですよ、というお話でした。上記にご紹介した例は、体調が悪い時の話ですが、コロナウイルスによる緊急事態宣言や自粛要請で家から出られなくなることは考えられるので、免疫力を下げないためにも、できるだけ快適な空間に身を置いた方が良いのではと思います。

都市部の利便性のいい立地だと、なかなか物件を見つけられないかもしれませんが、敷地面積の広い公園や神社仏閣の近くは高確率で大きな樹木がありますので狙い目です。大きな道路の脇にも街路樹が植えられていることが多いです。最後の手段としては、ベランダに観葉植物を配置して、自前で風景を作ってしまうのも手です。

参考文献
RS Ulrich, View through a window may influence recovery from surgery. (1984)
Shinrin-Yoku(森林浴): 心と体を癒す自然セラピー (2018)宮崎 良文

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