見出し画像

Adobe XD ユーザーフェス 2019 final 参加メモ

2019年8月17日(土)に東京で開催された、Adobe XD ユーザーフェス 2019 finalに参加してきました。場所は六本木のDMM.com本社。参加者200余名が思い思いに楽しんでいた中で、業務でXdをメインに使わないWebデザイナーがどう楽しんだかをメモします。

session1『XDで魅せる 〜デザインを楽しむためのテクニック〜』

まずこのイベントで圧巻だったのは、会場の広さときれいさ。驚くほど広い、緑多いインテリアの明るいオフィス。24階からの景色は爽快で、人の背丈ほどもある(!)巨大な高画質の画面で俺たちは一体何を見せられているんだ…? 映されているのは画面いっぱいの田植えの風景。参加者の深い混乱と共に佐藤 修さんのセッションは始まりました。

もちろん混乱は映像の途中までで、以降のセッションは非常にわかりやすく、何より楽しく進みます。全体の中で、佐藤さんのデザインへのアプローチ方法が4つシェアされました。その内容が、スライドとXd(と田植え)を通して明快に解説されていきます。

デザインへの『視野』『発想』『挑戦』『時間』という視点に基づく4つのテクニック。仕事の調整や日々の忙しさの中で、つい後回しにしてしまう部分こそが本当は楽しいんだ、と掘り起こしてもらった感覚でした。

そして、それとは別に、参加者をいい意味でさらに混乱させた「XDVJタイム」。「DJ(ディスクジョッキー)」ではなく「VJ(ヴィジュアルジョッキー)」。テンポよく流れる音楽と、それに合わせて流れる複雑なアニメーション。アニメはまさかのリアルタイム制作。はじめは動画かと思ったし、私の知ってるXDとなんだか違いますが...? ペーストボードでコンポーネントをリアルタイムで更新しているからアートボードの数が少なくすんでいる...のですか?(なんのこっちゃ)

こうして目の前で披露された「こんなことできないかな?ちょっとできそう...?やってみよう!できた!」という実験マインドは見習っていきたいです。もしAdobe Xd Creative Challengeのシーズン3があるなら、このマインドでチャレンジしたい。

ちなみに、セッション前に佐藤さんがつくったイベントロゴの簡単な解説がありました。声を大にして言いたいです。このロゴ、大好き! 解説の体感2分、興奮がMAXでした。

session2『地方で使うXD』

中井 誠也さんのセッションは、実感を持って見ていました。セッションタイトル『地方で使うXD』が、自分の中では『新ツールの実務導入』にすり替わっていたのかもしれません。

セッション内容として、XDの業務導入における中井さんの体感、および使用シーンの紹介がありました。シーン例としてあがった、フロー図・サイトマップ・共有方法などの中で、心のいいねを連打する技はいくつもありましたが、特に興味をひかれたのはXD導入の流れの部分でした。

これはXDに限らず、「社内における新ツール」という枠でくくって良いと思います。スライドでは「使ってみる→導入してみる→チームで使う」という3ステップで紹介されていました。これを、実体験を踏まえて少し砕くと「新ツールに興味を覚える→他者は興味が薄いと理解する→個人で満喫する→導入チャンスを待つ→効果的な工程に導入→おすすめし続ける→チームに広がる」という風になるかなと感じています。

私は以前、メインソフトでXDを使用していたのですが、転職に際して現在はPhotoshopを使用しています。各ソフトの速さを知っているため「この部分はXDならもっと早くできるな」と感じる部分はありつつも、新ツールの導入がすべての人にとって快適ではないことも確かです。

スライドにあるように、チームの連携効率や、各職種での使いやすい形を小さくテストしていくと、無理なくフィットする形になるのかもしれません。

また、このセッションでは1枚ごとに「スライドが楽しい...」「スライドがおもしろい...」と心でつぶやいていました。人をワクワクさせるスライドって素晴らしい...。

session3『キーボード操作のデザイン』

「キーボードで全て操作可能」は当たり前にやること、という言葉が、当たり前なのに衝撃的でした。ものを作る上で、頭から抜け落ちる視点だったからです。

伊原 力也さんのセッション内容は、かなり難しく感じられました。アクセシビリティに基づいたキー操作・ショートカットキーの設計というものが、自身の業種である「Web」上に大きな役割としてあるのに、これまでしっかり咀嚼した経験がなかったためです。

内容を自分事として想像したり、仕事に当てはめて考えたりしても、どうもしっくりきません。その理由を考えた時、自分の視座の数が少ないことに一因があるのかもしれないと思いました。

今、自分にはほぼ「私自身」の視座しかありません。「私」は、"当たり前"に目が見えて、体が動き、日常生活をスムーズに送ります。マウスのクリックも、色による識別も、両手のタイピングも可能です。でも、それが"当たり前"ではない視座が、他方には数多に存在しています。

視座の持ち方を自分だけに絞るのではなく、他者の視座にも意識を広げる努力をすることが、個人的にできるアクセシビリティへのアプローチかなと思いました。

session4『XDで設計するコミュニケーションデバイス体験』

スマホ、PC、タブレットといった、一定の距離で操作する画面のデザインをする自分には、なべちかさんのVUIやコミュニケーションデザインの話は、新鮮でワクワクするものでした。

ロボットやスマートスピーカーのアプリ・スキル開発に携わる上で、画面設計・シナリオライティング・企画など、多岐にわたる業務内容のお話がありました。その中で、Xdを様々なシーンで活用しているとのことでした。企画書、提案書、フロー図、ワイヤーフレーム、アプリアイコン、居酒屋のポップ(!)...。中でも目新しい利用法は、Alexaのスキルのプロトタイプ化でした。

Alexa用のUIキットが出ていることや、Echo端末を実機でプレビューできることを知りませんでしたし、音声だけの体験をシンプルにプロトタイプ化できることが驚きでした。

スライドでなべちかさんは「画面じゃなくてもXdは活躍できる」とまとめていましたが、他のセッションでも紹介された様々な使い方を一つのソフトでできるというのは、速さと並ぶXDの特徴の一つではないかと感じました。

また、セッション内でロボットの実証実験がいくつか紹介されたのですが、「テスト」や「実験」というものは、物事を成功させる鍵なのだと思えました。

session5『XDって胸キュン? ~コンポーネントとゲームパッドトリガーで進化するプロトタイピング~』

胸キュンです。スライドを見てください。フォントが可愛いんです。あとトロ。でもそれ以上に胸キュンなのは、30分間のセッション体験です。自分でも何を言ってるかよくわからないのですが、セッションにキュンときたのはこれが初めてでした。この30分を過ごしたあと「六本木に来て良かったナァ」という謎の感動に襲われました。あ、もちろんXdも胸キュンです。

自社のガイドライン制作を起点として、池原 健治さんのXdの使用法・メリット紹介が進みます。...ちなみにスライド(をもはや超えた完成度)の操作は、全編通してプレイステーション4ワイヤレスコントローラ(DUALSHOCK 4)により行われるのですが、セッションが終わるころには何でうちには無いんだっけ?という気分になっています。

さて、XDの様々な胸キュンポイントが発表される中、その核は「職種問わず導入しやすく、いろんなパターンを爆速で作れる」ことにあるのかなと感じました。プラグイン、モジュール、アニメーション、テンプレートなど、使い方をうまくすれば、チーム内でのコミュニケーションが大きく加速するだろうと想像することができました。

まあ、とにかくセッション見て。

セッションに「参加した」とか「体験した」とか「ドキドキした」と感じたのは初めてだったので、今回参加できてとても良かったです。

轟さんsession

ここから貧血で意識がもうろうとしていたのですが、Projet Sparklerのロゴが見れたり、操作画面を見れたり、プレゼントの山があったりと、おぼろげながら楽しかったです。

DMM.comのデザイナーさんの会社紹介も素晴らしかったので、短時間で終わってしまったのが残念でした。もしいつか機会があればじっくり見てみたいです。

セッションの全体を通じて、スライドと解説のバランスの良さをひしひしと感じていました。スライドを読むだけという平坦なセッションはなく、登壇者による解説が、ユーモアをたっぷり交えて伝えられました。スライドはビジュアルを添える役割のはずが、XDとの親和性もあり、それ自体が一種のストーリー体験になっていたように思います。

この素晴らしいイベントを開いてくださったスタッフの皆様に深く感謝しています。また、本当のファイナル、福岡での開催を東京から応援しています。

この記事が参加している募集

#イベントレポ

26,376件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?