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ゾンビの光 ②

絶賛セミゾンビ。

なんだかおかしい…
病院を受診したら 
難病かも!?

からの

「とびひ」
でした。
息子じゃないです。

どう頑張っても
小学生には紛れ込めない
自分です。

こうなってしまうと
セミゾンビすら
眩しい
あの頃に戻れたら…

いや!週末はね
運動会ですからね
なんとか
外出できる身体に
なりたいものです。

ハヤクニンゲンニナリタイ

************

ゾンビ時代。

半年くらいは
寝たきりみたいな感じでした。
いや、寝れはしないんですけど。

耳もすごくて
寝ると枕に汁がついて
その汁は接着剤として
バッチリ機能してくれるもんで
一時は座って寝たり
いや、寝れはしないんですけど。

とにかく、生きているのか
よくわからない状態が
半年くらいありました。

そういう時ってですね
とりあえず
起きられるようになったら
とゆーか
普通に寝られるようになったら

誰に会いたいか

そういうことを
考えてしまうんですね。

まあ、ゾンビなんで
「会いたい」とは
積極的に思えないんですが
「連絡したい人」
そんな感じです。

で、2人。
思い浮かんだわけです。

もう二度と会えない
会わないかもしれない
こんなことでもなければ
こちらから
連絡しようと思わなかったかも
そういう2人です。

ひとりは父親です。
色々ありまして
絶縁状態になって、8年。
経っていました。

起き上がれるようになって
とりあえず
枕と一体化しなくなって
まだまだ
ガッツリ ゾンビでは
ありましたが
ネットで検索しました。

絶縁になる前
詳細はちょっと言えませんが
そうですね
妻…っていうより
保護者…
的な役割を担当してたんですね。
戸籍上、長女なんですけども。

そんな父親を
「捨てた」
感じです。

「あの時お前は
俺を捨てたじゃないか!」

後になって、
やっぱり 言われましたから
「捨てた」
そうかもしれないです。

「捨てたかったか」
今でもわからないけれど
その時 
「捨てた」そう言われたとしても
否定はしない。
その覚悟はありました。
覚悟なんて、かっこいいものでは
全然ないですね
「逃げている自覚はあった」
そんな感じです。

話を戻して。

検索して、
サイトがあったので閲覧しました。
絶縁になる前には
やっていなかったことを
やっているようでした。

ちなみに父親は
鬱病とアル中ではありましたが、身内が言うとちょっとアレですが、
どう言えばいいのか
ちょっと才能が色々と
飛び抜けている人でした。



飛び抜けた才能。

それはほとんど彼の手に
まつわるものでした。

その手に出来ないことなど
何ひとつ存在しないのではないか

そう思えるほど
その手は様々なものを生み出し
生涯彼を生かすことに
貢献しました。

「よーはたらいてもろた」
しみじみと宇宙人は呟いていました。

亡くなった時、彼の妹は
「手の骨が欲しい」
そう言ったので
手の部分の骨だけ
その妹の元にあります。

指は長く
とても器用で
美しい手でした。

育つ中で、
「ひとりの人間が成し得ること」
として、わりとレアなものを
見て来たので、
でもそれは「比較的レアである」
と知っていたので

サイトを見つけて
それが、例えば
父親以外の人間だったら
ここまでの状態に辿り着くのに
もっとずっと
時間がかかっただろうことは
推測できました。

所在地が思いがけず
自分の住まいにも近く、
驚きました。

いつのまにか
そして
ゾンビになっている間に
別のパラレルに移動していた
そんな感じです。

当時は「パラレル」なんて
言葉は知らなかったですけれど。

毎晩、
パソコンの画面を見つめました。

ある時、とうとう
メールを送ってしまいました。

返事が来ました。

メールの末尾
差出人として、記されていました。

「宇宙人より」



〈つづきます〉


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